医師国家試験対策は『どの年』に出題されたかを意識するだけで,未来の国試の問題が予想できる
今回は,国家試験問題がどのようにして出題されてきているか,回数別に遡って分析してみたいと思います.こちらを読むことでいかに「国試が順序を追って疾患に対してより深く問うようになっていったか」の経緯がわかると思います.
こちらの110回国試 「Lewy小体型認知症」 の問題を例に挙げてみます.
この疾患はもはや受験生にとって常識的な疾患の臨床問題ですね.
では,110回国試(2016)の7年前を遡ってみます.
国試で初登場
103回国試(2009年)で「Lewy小体型認知症」というワードが国試で初めて登場しました.
この時はハズレ選択肢で,Alzheimer型認知症を問う問題でした. 103回で受験生に「Lewy小体型認知症」という疾患があるということを印象付けてから徐々に本疾患について問う問題が出題されていきます.
Lewy小体型認知症を強く意識する問題
その2年後に「Lewy小体型認知症」を強く意識する問題が出題されています. この出題ではLewy小体型と診断できなくても認知症と分かれば今後の検査の回答ができる問題となっていますが,正答率は65%でした.当時としては受験生にとって十分に対策がされていない分野だったと思われます.
初めて正解選択肢として出題
その翌年106回(2012年)でついに疾患名を問う出題がされました.令和の受験生にとっては容易い知識問題と思いますが当時の正答率は 73.9%です. プール問題であれば9割超となりますが,新規出題問題の正答率は上がりきらない傾向にあります.
その後連続して症例問題が出題される
その後,107回,108回と臨床問題が出題され,症状や所見を問う問題が出題されています.109回では画像を読影して回答させる問題も出題されています.
ついに3連問として出題
これらの流れがあってようやく『3連問』として110回医師国家試験(2016年)でLewy小体型認知症が問われています. 国試で新出単語として登場してから3連問になるまでに,実に7年の歳月がかかっています.
この傾向を考えると,前回・前々回で初めて登場した疾患や概念は今後,より深掘りされて出題される可能性が高いです.
ハズレ選択肢の疾患の復習や,周辺知識をより詳しく抑えておくなどすることが試験対策として重要ということがわかります.
◆「メディックメディア模試」では出題傾向を分析した上で予想問題を作成,出題
「メディックメディア模試」ではこれらの出題傾向を分析して,今後問われると予想される問題を選定して出題されています.そのため,より国試に近い模試として受験することができます.
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