国試

[6年生向け]『イヤーノート』で直前対策★
青字周辺の「黒字」を要チェック!(後編)

編集Aです.
前編に引き続き,国試に向けて,“今からでもできる,イヤーノート活用法”をご紹介します.

 

前編では『イヤーノート』の「黒字」(=国試で未出題)について,
特に以下の部分に注目して重要そうなポイントをチェックしましょう,
というお話をさせていただきました.

 

●頻出疾患やトピック的疾患の「黒字」
●検査・治療・対応に関わる「黒字」
青字(=国試既出)集まっている付近の「黒字」

 

ここからは,実際の国試問題を見ながら,
『イヤーノート』の黒字部分が出題された例を見ていきます.

 

◆例1:癌性腹膜炎の検査・診断◆

【110A30】75歳の男性.食欲不振と腹部膨満感とを主訴に来院した.1 年前に進行胃癌で胃全摘術を受けている.術後に抗癌化学療法が行われたが,その後は通院していなかった.3 週前から少しずつ食欲不振と腹部膨満感とを認め,2日前から急激に増悪した.食事摂取量は低下していたが,排便と排ガスは認めていた.身長167cm,体重45kg.体温36.6℃.脈拍84/ 分,整.血圧136/80mmHg.眼球結膜は軽度貧血様である.手掌紅斑やくも状血管腫は認めない.腹部は全体に膨隆,緊満し,臍窩の平坦化,波動を認める.肝・脾を触知しない.下腿に浮腫を認める.腹部単純CTを次に示す.

110A030

次に行うべき検査はどれか.
a PET/CT
b 腹水細胞診
c 腹部単純MRI
d 上部消化管内視鏡検査
e 下部消化管内視鏡検査
【正解:b】

胃癌の腹膜播種の症例です.
当時の受験生が持っていた,最新の『イヤーノート2017』では,癌性腹膜炎の項目にこのような記載があります.
(実際に編集部での分析作業に使用した原稿です↓)
A128

癌性腹膜炎は,まんべんなく青字が入っていますね.
今回は,この画像で青マーカーを引いた部分が問われました.
もちろん,臨床問題ですので,まずは診断ができなくてはいけませんが,
重要知識はイヤーノートを読んでおけばおさえておけることが多いです.
流し読みでも,読んでいないよりは良い(マシ)…なハズ!

 

◆例2:急性虫垂炎の補足事項◆

【110D7】妊婦の急性虫垂炎について正しいのはどれか.
a 流早産の原因とはならない.
b 非妊時と比較して発症頻度は低い.
c 非妊時と比較して診断は容易である.
d 妊娠経過に伴い圧痛点は頭側に移動する.
e 治療は抗菌薬投与による保存療法が第一選択である.
【正解:d】

同じく当時の受験生にとっての最新の『イヤーノート2017』,急性虫垂炎の原稿がこちらです.↓
A112
まさに,マーカーを引いた部分がそのまま出題されていますね.
急性虫垂炎は,診断や治療が問われるのがテッパンであり,
イヤーノート上でも,青字が偏っています(=例年,同じことが聞かれている)
しかし,「補足事項」の部分にも青字がある点に要注意.
プラスの知識も問われるようになっているということですから,
診断や治療の細かい部分や補足事項にも青字がある領域は特に,
周辺の黒字を丁寧に読んでおいてください

 

◆例3:青字が少ない領域は「専」マークに注目◆

例として用意できているものがやや古いのですが…
ここでは108回国試での問題(108D47)を例に説明いたします.

強皮症は膠原病の代表格.イヤーノートでも青字が多く,
当時の受験生も基本の対策は十分だったと思いますが,
当時最新の『イヤーノート(2014)』の治療部分がこちら↓.
yn2015_chokuzen2

意外と青字がありませんよね.
過去問を解くだけでは触れられない領域になっています.

108回では,この部分から出題がありました(108D47).
(QBオンラインにログインしている人はこちら

【108D47】(長いので症例文省略)
現時点での治療法として最も適切なのはどれか.
a 利尿薬の投与
b 免疫抑制薬の投与
c 尿酸排泄促進薬の投与
d 副腎皮質ステロイドの増量
e アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬の投与
【正解:e】

正答率は71.3%(当社調べ)とやや低く,
知っているかどうか,が正誤を分けた問題でした.

 

実はこの部分,「認内」というマークが入っているのがおわかりいただけるでしょうか.
イヤーノートでは一部,内科専門医試験で出題されたという情報がある部分に
このマークを入れています.
当時は「認定内科医資格認定試験」を意味するマークでしたが,現在は総合内科専門医資格認定試験の出題も含めて
「専」マークとして表示しています.
このマークがあるということは,この疾患の重要部分であるということ.
余裕があれば,優先的に注目してみてください.

 

◆◆◆

 

直前期にキーワードを目に入れるだけでも,
それをしているのとしていないのとでは,試験結果は断然違ってくるはず.
「イヤーノート」の情報を膨大と考え不安に感じるのではなく,
この時期は特に,視覚的に「青字」「黒字」をさっと確認し,自信につなげてください!

 

皆さんの国試合格を心より願っています!

 

(編集部A)

 

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