[分析]データでみる104回国試(その4) 実技編1
104回国試には画像が多く出題された,というお話をしました.
点数にして,218点!
1問あたりの画像数が多いことも特徴でしたね.
その中でも,診察・手技の手法や,医療器具の画像の出題が増えました.
実習中も何気なく日々を過ごすのではなくて,
「何をしているのか」「何に使うものなのか」を注意しよう,
という意図があるのだと思います.
では実際にどんな問題が出たのか,見てみましょう!
104A9
手術で用いられる器具を別に示す.
この器具を用いるのはどれか.2つ選べ.
a 反復性肩関節脱臼 b 腰椎分離症 c 半月板障害
d 脛骨疲労骨折 e アキレス腱断裂
この器具は「関節鏡」です.
反復性肩関節脱臼のBankart損傷部の再建や,
膝の半月板損傷や前十字靱帯損傷などでよく用いられています.
正解は「ac」.正答率は71.1%でした.
104B11
写真 (1)~(5) を別に示す.
心肺蘇生術で用いない器具はどれか.
(1) は鼻カニューレ.自発呼吸があるときしか使用できません.
(2) は喉頭鏡.気管挿管に使用します.
(3) はバッグバルブマスク.人工呼吸時に使用します.
(4) は蘇生用背板.床が柔らかいとき,背部に敷きます.
(5) は除細動器です.
というわけで,正解は (1).正答率は79.4%でした.
104C3
血液ガス分析用の動脈血採取についての写真を別に示す.
正しく行われているのはどれか.
(1) 静脈圧に比べ,動脈圧のほうが圧倒的に高く,
動脈穿刺の際は駆血帯は必要ありません.
(2) これが正解です.アルコールで消毒しています.
(3) 手袋を付けていません.スタンダードプリコーションの原則に則りましょう.
(4) 動脈血は術者が3分ほど圧迫しなければなりません.
動脈圧は高いため,皮下血腫が生じやすいからです.
(5) リキャップは禁止です.
正解は (2).正答率は77.1%でした.
104D3
検査器具の写真を別に示す.
この検査器具が診断に有用なのはどれか.
a 扁平苔癬
b 尋常性疣贅
c 膿疱性乾癬
d 尋常性天疱瘡
e Schonlein-Henoch紫斑病
写真は「硝子圧法」に用いるガラス板です.
病変部を圧迫し,消退すれば紅斑,しなければ紫斑と鑑別できます.
すなわち解答は「e」.正答率は96.2%でした.
次回に続きます!