[分析]データでみる105回国試(その1) 基本情報編

初めまして,編集部のSと申します.
医学部からメディックメディアに入社,国試受験経験者としての目線も活かしながら,皆さんのお役に立てる情報を発信していけるように日々勉強中です.
どうぞよろしくお願い致します♪

いよいよ新年度が始まりましたね.
105回受験生のみなさんは,学生生活最後の長期休暇,満喫できたでしょうか.

これから多忙な日々が始まりますが,難関国家試験を乗り越えた自信を胸に,挫けずに頑張ってくださいね!!

さて新6年生のみなさんは,すでに多くの方が本格的に受験勉強を始めていると思います.
105回はどうだったのか,いろんな噂が飛び交っていますが,このメルマガでは,「データでみる国試」と題して,105回国試を多角度から分析,少しずつ紹介していきますね.
今日は基本情報編です.

◆合格率・合格基準は?◆

  101 102 103 104 105
合格率 87.9% 90.6% 91.0% 89.2% 89.3%
合格
基準
必修問題 80% 80% 80% 80% 80%
一般問題 68.5% 65.0% 63.1% 62.8% 64.5%
臨床問題 64.8% 66.5% 64.3% 64.6% 62.6%

 
合格率が低く,問題も難しかった101回より後の各回と比較して,合格率・合格基準に大きな変化はなかったようです.

105回受験生からは,難しい問題と,サービス問題といえるような簡単な問題とが二極化しているとの声が多く聞かれました.
つまり,みんなが解ける問題を解ければ大丈夫!ということですね.

ということで,受験生の90%以上が使っている(私も使いました),『クエスチョン・バンク』を解けるようになれば,安心して国試に臨めること間違いなし☆ですよ!

 
◆選択肢の形式は?◆

CBTに,単純5肢選択と連問があったように,国試の出題形式にも色々あります.
出題形式ごとの問題数が毎年変わったり,新しい形式の問題が出されたりするので,受験生の皆さんはこちらも要チェックです.

国試で最も多いのは,Aタイプと呼ばれる五肢択一ですが,101回からは,X2タイプと呼ばれる“2つ選べ”問題,103回からはX3タイプと呼ばれる“3つ選べ”問題が出題されています.

実際に問題を見てみましょう.

●まずは普通のAタイプ

105A3
過敏性腸症候群の症状はどれか.
a 発熱
b 浮腫
c 血便
d 食後腹痛
e 体重減少   答.d

●迷いが生まれるX2タイプ

105A14
多発性内分泌腫瘍〈MEN〉1型にみられるのはどれか.2つ選べ.
a 先端巨大症
b 褐色細胞腫
c 甲状腺髄様癌
d 副甲状腺機能低下症
e Zollinger-Ellison症候群   答.a,e

●最難関X3タイプ

105A19
特発性肺線維症〈IPF〉でみられるのはどれか.3つ選べ.
a 残気量増加
b 拡散能上昇
c A-aDO2開大
d 血清KL-6上昇
e fine crackles聴取   答.c,d,e

それぞれ何問ずつ出題されているか,グラフを見てみましょう.
(6肢以上の選択肢から選ぶ問題,計算問題は,便宜上Aタイプに含めています)

105回は,104回と比較して,X2タイプ問題は92→74問(-18問),X3タイプ問題は29→25問(-4問)でした.

まだまだ侮れない問題数ではありますが,受験生はほっと一息だったでしょうか.
また,マークミス防止の配慮と思われますが,前回まではX2・X3ともにランダムに出題されていたのが,まとまって出題されるようになりました.

また,103回からは“6肢以上の選択肢から選ぶ問題”(以降“多肢選択”),“計算問題”も出題されています.

こちらも実際に問題を見てみましょう.

●6肢以上の選択肢から選ぶ問題

105D58 
67歳の男性.進行喉頭癌と診断され,昨日,甲状腺全摘を含む拡大手術を受けた.今朝から両手のしびれ感を訴えている.手指の有痛性筋攣縮を認める.
輸液に加えるのはどれか.
a Na
b K
c Cl
d Ca
e P
f Mg
g Cu
h Fe
i Zn          答.d

●計算問題

105I80 
慢性呼吸不全患者の動脈血ガス分析(自発呼吸,room air)の結果を示す.
pH 7.41,PaCO2 44Torr,PaO2 57Torr,HCO3 27mEq/l
FIO2 21%,大気圧761Torr,飽和水蒸気圧47Torr,呼吸商(ガス交換率)が0.8であるとき,A-aDO2を求めよ.
ただし,小数点以下第1位を四捨五入すること.

答.38Ttorr

それぞれの出題数は・・・

  多肢選択 計算
103回 10問 2問
104回 7問 1問
105回 11問 1問

 
同じく新形式として出題が恐れられていた“すべて選べ”問題は今回も出ませんでした.
しかし油断はできません.
『データ・マニュアル』などで一つ一つの選択肢に○☓をつけられる力をつけましょう.

それでは今日はこのへんで,続きをお楽しみに☆

 
(編集部S)

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