[分析]データでみる106回国試(その1)基本情報編

こんにちは☆編集部のS藤です.

いよいよ新年度が始まりましたね.
106回受験生の皆さんは,全くの新生活が始まったばかりで慣れないことばかり,楽しくも大変な時期だと思います.

自分のからだにも気をつけて,がんばってくださいね!
充実した素敵な研修ライフとなるよう応援しています♪

さて新6年生のみなさんは,すでに多くの方が本格的に受験勉強を始めていると思います.

106回はどうだったのか,いろんな噂が飛び交っていますが,
このメルマガでは,「データでみる国試」と題して,106回国試を多角度から分析,少しずつ紹介していきます!
今日は基本情報編です.

◆合格率・合格基準は?◆

 

102回 103回 104回 105回

106回

合格率

90.6% 91.0% 89.2% 89.3%

90.2%

合格

基準

必修問題 80.0% 80.0% 80.0% 80.0%

80.0%

一般問題

65.0% 63.1% 62.8% 64.5%

67.0%

臨床問題

66.5% 64.3% 64.6% 62.6%

71.2%

 

合格率に大きな変化はなかったようです.
合格基準はというと,相対基準である一般問題・臨床問題の合格基準が,過去5回の中で最も高くなっています.

106回受験生に聞いてみたところ,こんな声が聞かれました.

「思ったよりサクサク解けたので最初はテンションが上がったけど,みんなそうだったとわかった後は,ボーダーがどれくらい上がるのかヒヤヒヤしました.」
「マニアックで難しい問題は少なく,過去問に比べても全体的に簡単だと感じました.逆に言うと確実にとれなければいけない問題が多い,というプレッシャーを感じました.」

問題が難しくても,簡単でもプレッシャーになってしまい,国試受験生は大変です・・・
◆選択肢の形式は?◆

CBTに,単純5肢選択と連問があったように,国試の出題形式にも色々あります.

出題形式ごとの問題数が毎年変わったり,新しい形式の問題が出されたりするので,受験生の皆さんはこちらも要チェックです.

国試で最も多いのは,A形式と呼ばれる五肢択一ですが,
101回からは,X2形式と呼ばれる“2つ選べ”問題,103回からはX3形式と呼ばれる“3つ選べ”問題が出題されています.

実際に問題を見てみましょう.
■A形式

106A2
胎児水腫の原因となるのはどれか.
a クラミジア
b 風疹ウイルス
c パルボウイルスB19
d 単純ヘルペスウイルス
e 水痘・帯状疱疹ウイルス      答.c

■X2形式

106A15
Philadelphia染色体を認めるのはどれか.2つ選べ.
a 急性前骨髄球性白血病
b 急性リンパ性白血病
c 成人T細胞白血病
d 慢性骨髄性白血病
e 慢性リンパ性白血病        答.b,d

■X3形式

106D20
小児の急性細気管支炎について正しいのはどれか.3つ選べ.
a RSウイルスが病因となる.
b 3~4歳児に好発する.
c 吸気性呼吸困難がみられる.
d 胸部エックス線写真で両側肺野の透過性が亢進する.
e 加湿酸素の吸入が有効である.          答.a,d,e

次にそれぞれ何問ずつ出題されているか,グラフを見てみましょう.
(6肢以上の選択肢から選ぶ問題,計算問題は,便宜上Aタイプに含めています.)

X2形式,X3形式の出題数は減少傾向です.
X2形式は一般問題でも臨床問題でも多くの出題がありましたが,X3形式は7問中6問が臨床問題での出題でした.

また,103回からは“6肢以上の選択肢から選ぶ問題”(以降“多肢選択”),“計算問題”も出題されています.

こちらも実際に問題を見てみましょう.

■6肢以上の選択肢から選ぶ問題

106G68
卵膜の3層構造の順序で正しいのはどれか.
ただし,胎児側から母体側に並べた場合とする.
a 絨毛膜 → 脱落膜 → 羊 膜
b 絨毛膜 → 羊 膜 → 脱落膜
c 脱落膜 → 絨毛膜 → 羊 膜
d 脱落膜 → 羊 膜 → 絨毛膜
e 羊 膜 → 絨毛膜 → 脱落膜
f 羊 膜 → 脱落膜 → 絨毛膜        答.e

■計算問題

106I80
高尿酸血症患者の結果を示す.
尿所見:pH 5.5,クレアチニン80mg/dl,尿酸34mg/dl.
血液生化学所見:クレアチニン1.0mg/dl,尿酸8.0mg/dl.
尿酸排泄率〈FEUA〉を求めよ.
ただし,小数点以下第2位を四捨五入すること.
解答:(1).(2)%                   答.5.3%

それぞれの出題数は・・・

多肢選択

計算

103回

10問

2問

104回

7問

1問

105回

11問

1問

106回

6問

3問

 

最後に,ここまで出てきた各問題形式別の,平均正答率を見てみましょう.

問題形式

問題数

平均正答率

A形式

419

83.2%

X2形式

65

79.8%

X3形式

7

79.0%

多肢選択

6

80.6%

計算問題

3

72.1%

 

やはり,一番基本的なA問題に比べると,その他の形式の問題は,難易度が少し上がるようです.

また,106回では計算問題が3問と今までで一番多く,比較的難しい問題が出題されたことも話題になりました.
問題数としては少ないとはいえ,少し注意して対策を行う必要がありそうです.

●X2,X3,多肢選択問題への対策●

1つ1つの選択肢に○×をつける力”をつけることが重要です.

QBをある程度解いて解答力がついてきたら,知識の確認として1問1答形式の『データマニュアル』も是非使ってみて下さい.
QBではなんとなく解けていた問題も,以外とうろ覚えな部分があることがわかり,力になるはずです!

●計算問題対策●

授業で習ったり実習で使った計算式をノートにまとめたり,過去問の関連事項(例えば106回のBMIに関連して,ローレル指数やカウプ指数など)を確認しておくと良いと思います.

出題数は決して多くはありませんが,覚えなくてはいけない数もそれほど多くないし,研修医になってからも使う機会の多い知識なので,コストパフォーマンスは良いと思います.

尚,今年は4年に1度のガイドライン改訂年で,107回医師国家試験は新ガイドラインに基づいて施行されます.
それに伴い,問題形式も変更される可能性があります.

新ガイドラインは4月中に発表される予定で,改訂ポイントは,メディックメディアの無料情報誌『INFORMA』や,メルマガでも紹介するので,チェックしてみて下さいね!

それでは今日はこのへんで,続きをお楽しみに☆

(編集部S)

 

 

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