[分析]データでみる106回国試(その6)医療器具画像編

皆さんこんにちは☆
編集部のS藤です.

「データでみる106回」シリーズ最終回は,
医学総論の問題の増加,国試における実習重視の傾向に関連し,
最近の国試での出題増加が注目されている,
“医療器具画像問題”をクローズアップしていきます.

◆実習での経験が問われる◆

医療器具の用途や,正しい使用法がテーマで,画像つきの問題を,
「医療器具画像問題」としてカウントしたところ,

106回国試では,
医療器具画像問題の出題数は8問,画像数は17点でした.

このタイプの問題は,
座学では勉強しづらく,
実習での経験の有無が「得点できるかどうか」に直結しやすい問題です.

まだ実習が残っている科では,検査や手技を見学するとき,
ぜひ医療器具にも着目してみてください!!

◆既出の医療器具は必ずチェックしよう◆

106回では,104回で出題された皮膚科の硝子圧法(104D3),
103回で出題されたガスリー法の試験用紙(103G4)
の写真が再び出題されました.

既に出題された医療器具についてはとくに,
用途や正しい使い方について,確認しておいた方がよさそうです.

『クエスチョン・バンクExtra必修問題part1~part3』では,
「医療器具セレクション」と題して,
過去の国家試験で出題された医療器具(必修問題以外も含む)と,
今後出題が予想される医療器具の写真をカラー口絵で合計99点
用途や簡単なポイントとともに収録しています.
(もちろん,硝子圧法の硝子板,ガスリー法の用紙も収録していました!)

秋に発売予定の最新刊では,写真の点数・内容ともに,
よりパワーアップした付録にできるよう,現在改訂作業中です!

◆106回国試で,医療器具セレクションが役立った問題◆

前述の硝子圧法とガスリー法の他に,
106回国試で,QB必修2012の『医療器具セレクション』が解答の助けになった問題を,
2問ご紹介します.

106C9
産科外来に備えられている物品の写真a~eを別に示す.
Bishopスコアの決定に必要なのはどれか.

答えは「c」のグローブで,正答率は66.7%でした.

Bishopスコアの内容については,
国試の勉強をした受験生であればほとんどの人が知っていたとは思いますが,

“使用する医療器具”という観点では,
考えたことのない人も多かったのではないでしょうか

「医療器具セレクション」には,a メジャー,c グローブを除く,
b クスコ式膣鏡,d 超音波胎児診断,e 経膣プローブの写真と用途を掲載していました.

106E14
検査の様子とその検査所見とを別に示す。
この検査で以上高値を示す眼疾患はどれか。
a 緑内障
b 角膜潰瘍
c 網膜剥離
d 加齢白内障
e 視神経管骨折

圧平式眼圧計なので,答えは「a 緑内障」正答率は67.1%でした.
ちなみに,『医療器具セレクション』には,
写真Aとほぼ同じ画像を収録していました.

◆画像問題以外にも役立つ◆

画像の出てくる問題ではありませんが,
検査機器を見たことがあると有利な問題もありました.

106D50
48歳の男性.事務職.細かい文字が見えにくくなったことを主訴に来院した.
1年前から書類の文字や数字が読みづらくなり,3ヵ月前からパソコン画面の
字も見えにくくなったという.
視力は右1.0(1.0×+1.50D),左1.0(1.0×+1.50D).
眼圧は右18mmHg,左18mmHg.眼位は正位で,眼球運動に異常を認めない.
細隙灯顕微鏡検査と眼底検査とで明らかな異常を認めない.
次に行う検査として適切なのはどれか.

a 調節検査
b 仮性同色表
c 動的量的視野
d 視覚誘発電位
e Hess赤緑試験

診断は老視で,答えは「a 調節検査」,正答率は94.0%でした.

調節検査しか知らなくても解答できますが,
他の選択肢が何の検査か全て知っていることで,より安心して解答できると思います.

「医療器具セレクション」では,選択肢のうち,
b 仮性同色表,c 動的量的視野,e Hess赤緑試験
の機器の写真と説明を掲載していました.

特に眼科では,学生にはあまりなじみのない検査の問題(105回での徹照法など)が出題されやすい傾向があり,

外れ選択肢として出題された事柄は,
次に正解選択肢として出題されるパターンも多いので,
よくわからない検査があった場合,確認しておくことをオススメします.

さて,これで「データでみる106回国試」シリーズ全6回が終了しました.
これから国試を受ける皆さんは,
国試についてなんとなくイメージを掴めたでしょうか?

国家試験については,6月下旬に発行される無料情報誌
『INFORMA vol.44 夏号』でも詳しく特集しているので,
そちらも是非参考にしてくださいね.

107回受験生の皆さんは,
これからマッチングに勉強に,多忙な日々が始まると思います.

不安になることもあるかもしれませんが,

国試は大学受験のように「落とすための難関試験」ではなく,
「みんなが解ける問題を解ければ合格する試験」です.

106回国試の分析をふまえて,
恐れずに,これから一歩一歩レベルアップしていきましょう.

応援しています!
(編集部S)

 

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