[分析]データでみる107回国試(その1)今回の合格率・ボーダーは?

こんにちは☆編集部のS藤です.
来週からは新年度,107回受験生の皆さんは,いよいよ臨床研修が始まりますね!

研修生活,大変なこともあると思いますが,
自分のからだにも気をつけて,がんばってください!
充実した素敵な研修ライフとなるよう応援しています♪

さて新6年生のみなさんは,すでに多くの方が本格的に受験勉強を始めていると思います.
107回はどうだったのか,いろんな噂が飛び交っていますが,
このメルマガでは,「データでみる国試」と題して,
107回国試を多角度から分析,少しずつ紹介していきます!

◆合格率は微減,合格基準は上昇!

107

合格率は昨年に比べわずかに下がりました.
一般問題と臨床問題の合格基準は,昨年からさらに上昇し,
過去5回のうち最も高くなりました.

以前は「一般と臨床はだいたい65%が合格の目安」と言われていましたが,
これからは「だいたい70%で合格」というように認識を改めた方が良いかもしれません.
◆選択肢の形式は?◆

107回での選択肢形式別の問題数と,平均正答率を見てみましょう.

107問題形式別正答率 選択肢形式別の問題数

国試で最も多いのは,A形式と呼ばれる五肢択一ですが,近年ではX2形式と呼ばれる“2つ選べ”問題, X3形式と呼ばれる“3つ選べ”問題が出題されています.

実際に問題を見てみましょう.

■A形式
107A1  合併症妊娠と起こりやすい異常の組合せで正しいのはどれか.
a 糖尿病・・・・・・頸管無力症
b 慢性腎炎・・・・・・前置胎盤
c 気管支喘息・・・・・・双胎間輸血症候群
d 甲状腺機能亢進症・・・・・・巨大児
e 全身性エリテマトーデス〈SLE〉・・・・・・流産
答.e

最もスタンダードな問題形式であり,正答率も最も高いです.

■X2形式
107A15  高プロラクチン血症をきたすのはどれか.2つ選べ.
a 褐色細胞腫
b 腎性尿崩症
c プロラクチノーマ
d 甲状腺機能亢進症
e 制吐薬(メトクロプラミド)の服用
答.c,e

X2形式は,ベストな1つを知っていても,もう1つがわからない!
という悔しいパターンに陥りがちな問題です.
例えば107A15では,cは迷わずに選べても,eは少し迷ってしまった人もいたのではないでしょうか.

■X3形式
107A20
精神作用物質と離脱症状の組合せで正しいのはどれか.3つ選べ.
a アヘン・・・・・・縮瞳
b アルコール・・・・・・発汗
c 抗不安薬 ・・・・・・不眠
d ニコチン・・・・・・食欲低下
e メタンフェタミン・・・・・・疲労感
答.b,c,e

X3形式では答えを3つ選ぶ必要があり,より確かな知識が求められますが,
裏を返せば「間違いを2つ選べ」ということであり,
思ったよりは解きやすい問題であることも多いです.

●X2,X3,多肢選択問題への対策

1つ1つの選択肢に○×をつける力”をつけることが重要です.
QBをある程度解いて解答力がついてきたら,知識の確認として1問1答形式の『データマニュアル』も是非使ってみて下さい.
QBではなんとなく解けていた問題も,以外とうろ覚えな部分があることがわかり,力になるはずです!

また,“6肢以上の選択肢から選ぶ問題”(以降“多肢選択”)と“計算問題”も出題されています.
こちらも実際に問題を見てみましょう.

■6肢以上の選択肢から選ぶ問題
107E67
アメリカ,中国および日本の2010年の乳児死亡率を低い順に左から示しているのはどれか.
a アメリカ<中国<日本
b アメリカ<日本<中国
c 中国<アメリカ<日本
d 中国<日本<アメリカ
e 日本<アメリカ<中国
f 日本<中国<アメリカ
答.e

このように,選択肢の性質上の都合で6肢以上になっている場合が多く,
特に難しい問題というわけではありません.
全くわからなくて勘で選ぶ場合の正答確率は下がりますね.

■計算問題
107E69
意識障害がある患者の血液生化学所見を示す.
Na 150mEq/l,血糖540mg/dl,尿素窒素28mg/dl.
この患者の血漿浸透圧の推定値を求めよ.
ただし,ブドウ糖の分子量は180であり,計算式におけるNaの係数は2とする.
解答:①②③mOsm/kgH2O
① ② ③
0 0 0
1 1 1
2 2 2
3 3 3
4 4 4
5 5 5
6 6 6
7 7 7
8 8 8
9 9 9
答.340 mOsm/kgH2O

計算問題は毎年3問程度の出題があります.
計算式を知らないと全く歯が立たず,悔しい思いをします.

●計算問題対策

授業で習ったり実習で使った計算式をノートにまとめたり,過去問の関連事項を確認しておくと良いと思います.
『レビューブック必修・禁忌』『クエスチョン・バンクExtra必修問題』には「国試に出る!重要公式」として主要な計算式を掲載していますので,参考にしてみてくださいね!
出題数は決して多くはありませんが,覚えなくてはいけない数もそれほど多くないし,研修医になってからも使う機会の多い知識なので,コストパフォーマンスは良いと思います.
今日の内容はここまでです.
新6年生のみなさん,107回国試の全体像は掴めたでしょうか.

今後の連載では,107回で出題された問題を紹介しながら,
107回国試の特徴について,より深くご紹介していこうと思います.
(編集部S)

 

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