[6年生向け]『クエスチョン・バンク 医師国家試験問題解説 2015 vol.7必修問題』7月15日箱入り3分冊で新発売!必修特集★第2回:必修独特の問題ってどんな問題?
みなさん,こんにちは!
編集部のM.Sです.
7月15日発売の
『クエスチョン・バンク 医師国家試験問題解説 2015 vol.7必修問題』の発売に合わせての,必修対策第2弾をお送りします!
前回は,「基本」を問われるはずの必修問題で,多くの人が不合格になっている!
ということをお伝えしました↓
今回は,実際に出題された問題をお見せしながら,
「必修落ち」の原因を解明していきたいと思います.
★第2回★必修独特の問題ってどんな問題?
どうして「必修問題」は受験生にとって鬼門になっているのでしょうか.
1つめの理由は前回お伝えした1.合格基準でしたが,
今回お話する2.必修独特の問題内容も大きな理由になっています.
受験生にとって「必修問題」の内容が大きな落とし穴となっているんです!
一体,必修問題のどこが「落とし穴」となるのか,
今回は,実際の国試の問題とともに詳しくみていきましょう!
◆必修で出題されるのは,「座学では勉強しにくい範囲」◆
皆さんの中には,先輩から,
「必修対策なんか必要ないよ,一般・臨床問題の勉強で十分.」
なんて話を聞いた人もいることでしょう!
確かに,疾患についての基礎的な知識を問われることもありますが,
必修で問われるのは,それだけではありません.
必修問題のガイドラインには,医療面接,終末期ケア,一般教養など,
普段は勉強する機会の少ない項目が多く並んでいます.
これらは座学だけでは勉強しづらいテーマであり,受験生を悩ませています.
では,これらのテーマから出題される問題にはどのようなものがあるのでしょうか.
108回の国試を実際にみてみましょう.
【108H20】
成人男性の交通事故で救急患者受入の要請があった.
事故現場到着時点での血圧は触診で80mmHgとのことである.
救急外来で血液確保のために
準備しておくべき留置針の太さ(G)で適切なのはどれか.
a 14G b 18G c 24G d 30G e 34G
正解は,「b 18G」.
臨床実習で実際に針をよく観察していたかが問われているといえるのではないでしょうか.
外傷によるショックの原因の90%は,出血による循環血液量の減少です.
1~2Lの初期輸液を行うためには,太い留置針が必要ですが,
末梢循環不全となっている状態の血液には14Gは太すぎてしまいます.
なので,この中では,18Gが最も適切です.
この問題の正解率は,63.9%.
ガイドライン「14.基本的手技」からの出題ですが,学生にとっては難しい問題でした.
必修で問われるのは, “学生にとっての基本“ではなく,“出題者(臨床医)にとっての基本”.
臨床医にとっては常識的な問題かもしれませんが,
学生にとっては悩んでしまう問題も少なくはないのです.
◆必修独特の出題傾向◆
必修問題では疾患各論のテーマからも出題されます.
そう聞くと,「一般・臨床問題の知識があれば大丈夫!」と
思う方も多くいらっしゃるかもしれません.
ですが,実際は独特の出題傾向のために,
思わぬところで点数を落とすことも少なくはありません.
独特の出題傾向とは,どんなものなのでしょうか.
実際の問題をみてみましょう.
【108H23】
3歳の男児.嗄声と喘鳴とを主訴に母親に連れられて来院した.2日前から発熱,鼻汁および嗄声が出現し,本日夕方から呼気性喘鳴と犬吠様咳嗽を認めたため小児科を受診し,その後耳鼻咽喉科を紹介された.陥没呼吸やチアノーゼは認めない.SpO2 98%(room air)
まず行うべき検査はどれか.
a 頸部CT b 後鼻鏡検査 c 頸部超音波検査
d 喉頭内視鏡検査 e 副鼻腔X線撮影
正解はdの喉頭内視鏡検査.
3歳のクループ症候群に関する問題で,
耳鼻咽喉科に紹介された状況を踏まえれば,正解することができますが,
他の選択肢を選んでしまった人も多くいました.
国試的には,クループ症候群といえば,
頸部側面X線撮影でのpencil signが有名ですが,
乳児では異物を誤飲した場合も同じような嗄声,呼気性喘鳴が出現することもあり,
穿孔感染がない急激な発症などの経過を呈するときは,
気道異物を鑑別疾患として考慮する必要があるのです.
必修問題で問われるのは,
「まず行うべき」「まず初めに」「現時点で」「次に必要な」検査.
特に臨床問題でこの言葉が出てきたら要注意.
3点を落とさないためにも,何を問われている問題なのかということを,
しっかりと読み取るようにしましょう.
◆必修を攻略するにはどうしたら良いの?◆
必修問題の独特さをお分かりいただけたでしょうか.
では,この必修問題を攻略するためにはどうしたら良いのでしょうか.
一番の方法は,必修問題をまとめて演習して,問題慣れをすること.
普通に各科の勉強をしたり,各科QBを解いたりするだけでは不十分なんです.
問題演習を数多くこなせば,
・必修問題では,医療者としてどのような考え方が求められているのか
・どういう答えが正解であることが多いのか
・出題者の意図は何か
のパターンがつかめてくるでしょう.
必修の過去問題と,必修ガイドラインに沿って作成された予想問題を収録した
『QB必修2015』や,“必修的”な知識を凝縮した『RB必修・禁忌』で,
必修に特化した勉強をまとめて行うことが,一番の近道.
必修問題を数多くことを解くことで,
必修独特の問題を解くことができる“必修脳”を鍛えていきましょう!
というわけで,第3回では,必修対策に強い味方となってくれる
『QB必修2015』の特徴と使い方をご紹介したいと思います.
次回もお楽しみに!
(編集部M.S)