[新刊・改訂]『病気がみえる vol.8 腎・泌尿器』改訂第2版 本日発売!

こんにちは.編集部Y.Kです.
さて,突然ですが,『病気がみえる vol.8 腎・泌尿器改訂第2版発売のお知らせです!
本日9月12日発売となりました(地域によって多少異なります).
書店店頭にはこんな感じの第2版が並んでいます!

病8-1版_カバーol_120214-再校

http://www.byomie.com/products-8.html
(↑立ち読みができます.立ち読みはPCからがおすすめです.)

「あれ?腎・泌尿器ってけっこう最近出たような…?」
と思ったそこのアナタ.
この改訂第2版のポイントを詳しくお話いたします.

■■■CKD(慢性腎臓病)の改訂ポイント■■■

今回の改訂のポイントは表紙画像でも大きく出ているように
CKD」です.

CKDといえば, 日本ではCKDの患者さんが
1,330 万人(成人の8人に1人!)にも達し,
新たな国民病ともいわれています.
腎臓科の先生方は,患者さんが末期腎不全にならないようにするため,
腎機能低下の進行を抑えるべく診療されているわけですね.

CKDは腎臓を学ぶうえで非常に重要ですが,
『病気がみえる 腎・泌尿器』第1版の発行(2012年3月発行)後,
2012年6月に『CKD診療ガイド2012』,
2013年10月に『エビデンスに基づくCKD 診療ガイドライン2013』,
2014年7月に『慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版』,
とCKDの重要なガイドラインの改訂が相次いで行われました.
『病気がみえる』を出した直後に….せ,切ない….

やはりCKD関連ガイドラインの改訂は
腎臓の本としては見過ごせない…ということで,
これらを反映すべく今回の改訂となりました.

上記ガイドラインの改訂ポイント,
すなわち『病気がみえる 腎・泌尿器』第2版の
主な改訂ポイントは以下のとおりです.

◆CKD重症度分類◆(旧・ステージ分類)

『CKD診療ガイド2009』ではCKDのステージ分類は,
GFR(糸球体濾過量)区分のみでの分類(ステージ1〜5)でした.
新しいガイドライン『CKD診療ガイド2012』では重症度分類として,
原因(C)の記載と,
腎機能(GFR:G)で6区分,
蛋白尿(アルブミン尿:A)で3区分
によって評価することになりました.
「糖尿病G2A3」など,C・G・Aの順で記載することになります.
また,それぞれの区分での重症度が色別で示されました(本書p.213を見てください!).
CKDを評価する上で重要な変更点です.

◆CKDに対する食事療法基準◆

重症度分類の変更に伴い,食事療法基準も改訂されました.
新しい食事療法基準では,
食塩摂取量はステージに関わらず
3.0(g/日)以上,6.0(g/日)未満
となりました.
この他,蛋白質,カリウム,エネルギーに関しても変更がありましたが,
これまでの基準よりシンプルな区分で設定されています.
出典となった『慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版』は
2014年7月下旬(つい最近!)に発行され,
印刷に入るギリギリのところで反映することができ,ホッとしています.

このように,CKDに関する最新情報,キッチリ入ってます!
■■■その他の改訂ポイント■■■

もちろん,CKDだけでなく,他の疾患も情報をアップデートしています.
以下にご紹介します.

◆急性腎障害(AKI)病期分類 改訂◆

2012年に『KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury(急性腎障害のためのKDIGO診療ガイドライン)』(日本腎臓学会による監訳版は2014年発行)が発行され,
AKIのステージ分類が策定されました.
それまで使われていたRIFLE分類とAKI分類を集約したものとなっています.

◆糖尿病性腎症病期分類 改訂◆

2013年に糖尿病性腎症の病期分類が改訂されました.
これまで臨床的特徴(尿アルブミン・尿蛋白,GFR)と
病理学的特徴で評価・分類されていました.
新しい病期分類では,
尿アルブミン値(あるいは尿蛋白値)とGFR(eGFR)
によって評価・分類するものとなっています.
この点はCKDの重症度分類での評価指標と一致し,
糖尿病性腎症とCKDの病期の評価の関連が
とてもわかりやすくなりました.

◆尿路結石診療ガイドライン 改訂◆

日常診療で出会うことの多い尿路結石.
尿路結石症診療ガイドライン2013年版』の内容を反映しています.
結石の大きさによる治療の基準が変更となっています.
この他,
血尿診断ガイドライン2013』,
溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン』(2013年),
前立腺癌診療ガイドライン2012年版
などの最新ガイドラインについても内容を反映しています.

ちなみに,とっても細かなことではありますが,
第2版には階段状のツメ見出し
(辞書などでページの端にA・B・C…とついてるアレ)がつきました.
検索性がかなりよくなりましたよ!(前版比)

腎臓が得意なあなたも,そうでないあなたも
この改訂版は要チェックです!
そして来週9月17日には『vol.8 腎・泌尿器』の
最大の姉妹本(?)ともいえる
vol.3 糖尿病・代謝・内分泌第4版も発売されます!
(こちらについては後日詳しくお話します!)
あわせて読むと,CKDの原因として最多である
糖尿病性腎症がより深く理解できること
まちがいなしです!

9月12日発売の『vol.8 腎・泌尿器第2版と,
9月17日発売の『vol.3 糖尿病・代謝・内分泌第4版
ぜひ手にとって見てみてくださいね!

(編集部Y.K)

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