[新刊・改訂]『病気がみえるvol.3糖尿病・代謝・内分泌』改訂第4版 本日発売!
こんにちは,編集部のA.Mです.
トンボが飛んだり,うろこ雲がみられたり,
すっかり秋らしくなって,やっと過ごしやすい陽気になりましたね.
季節の変わり目ですので,風邪に注意してください.
さて,本日,9月17日,
『病気がみえるvol.3糖尿病・代謝・内分泌』改訂第4版が発売となりました!
その表紙がコチラ!↓
http://www.byomie.com/products-3.html
↑クリックで立ち読み!
今日は第4版の改訂ポイントについてお話ししたいと思います.
■■■糖尿病,脂質異常症など,重要疾患の情報をアップデート!■■■
カバー画像からもわかるように,今回の主な改訂ポイントは
糖尿病・脂質異常症・骨粗鬆症の3疾患!
前版(第3版)が発行された後,
これら重要疾患の診断基準,治療方針などに大きな変更がありました.
どんな変更があったのか,一つずつみていきましょう.
まずは糖尿病です!
◆糖尿病◆
生活習慣病の代表である糖尿病の変更点は次の通りです.
●最新版コントロール目標を反映
・・・糖尿病合併症を予防するために,
HbA1c 7.0%未満を目標とすることが推奨されるようになりました.
この値を中心に,年齢,依存症など患者のそれぞれの状況を考慮して目標値を設定します.
●新しい経口血糖降下薬「SGLT2阻害薬」を解説
・・・原尿中の糖の再取り込みを行なう糖輸送蛋白の1つであるSGLT2.
このSGLT2を阻害することによって尿中への糖の排泄を促進するのが,
SGLT2阻害薬です.
第4版では細かな作用機序や副作用なども解説されているので要チェック!
●糖尿病腎症の新病期分類・治療に対応
・・・糖尿病腎症は,尿中へのアルブミン排泄量と,糸球体濾過量(GFR)により病期分類され,
病理学的特徴は参考という位置づけになりました.
またその治療において,血糖や血圧の厳格なコントロールなどが必要な病期が明示されました.
では,次に脂質異常症です!
◆脂質異常症◆
脂質異常症の治療は,動脈硬化による重大な合併症
(心筋梗塞,脳梗塞など)の予防のために行います.
そのため,脂質異常症は『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』に従い,
診断・治療を行うんです.
この『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』の最新版が2012年に発行され,
治療方針が大きく変化しました.
●治療方針に「絶対リスクチャート」を追加
・・・以前までは相対リスクによってリスクを評価していましたが,
2012年度版からは絶対リスクにより冠動脈疾患を評価することになりました.
相対リスクは,危険因子をもつ人がもたない人に比べてどのくらい危険かを示します.
これに対し絶対リスクは,危険因子をもたない人との比較ではなく,
危険因子をもつ人が一定期間内にイベントを起こす確率そのものを示すことができます.
これによって,個々の患者がどの程度の確率で心血管イベントを起こすかを
示せるようになりました.
●家族性高コレステロール血症の診断基準をアップデート
・・・黄色腫や家族歴の有無が診断基準に組み込まれました.
また,成人と小児で診断基準が異なることや,ヘテロ接合体とホモ接合体でも異なることがポイントです.
さて,最後は骨粗鬆症です!
◆骨粗鬆症◆
閉経や加齢によるものを原発性骨粗鬆症,
その他の基礎疾患が原因となるものを続発性骨粗鬆症といいます.
今回は,原発性骨粗鬆症の診断基準の改訂を反映しました.
●原発性骨粗鬆症の最新版診断基準を掲載
・・・原発性骨粗鬆症の診断は,脆弱性骨折の有無とYAM(若年成人平均値)によって判定します.
これに加え,Tスコアも診断基準に用いられるようになりました.
詳細をぜひ,書籍でチェックしてくださいね.
●新薬「デノスマブ(抗RANKL抗体)」を解説
・・・破骨細胞の分化促進因子であるRANKリガンド(RANKL)を阻害し,
骨吸収を抑制する薬剤です.
骨強度を増強させることが期待できます.
近年開発された薬剤も含め,第4版では薬物治療について前半よりさらに詳しく解説しています!
以上が第4版の主な改訂ポイントでした!
最後におまけですが,
「持続血糖モニター(CGM)」の写真が新しくなりました.
以前のものよりもカッコよくなっています(第3版をお持ちの方は見比べてみてください)!
CGMは血糖の24時間連続測定が可能であり,
定点的測定(SMBG)ではわからなかった細かな血糖の日内変動
(夜間の低血糖や食事後の高血糖など)が把握できます.
なぜ,細かな血糖日内変動の把握が必要かというと,
血糖値の平均値が同じでも(例えば同じHbA1c値の人でも),
日内変動が小さいほど,合併症の抑制効果が高いと考えられるようになってきたからです.
血糖値を安定させるためにはインスリン基礎分泌を安定させる必要があり,
このためには長時間作用するインスリン製剤が求められます.
第4版では,インスリンデグルデクという
新しい持効型溶解インスリンの特徴についても掲載しています.
その作用時間は42時間超え(反復投与時)!
インスリン製剤は他にも超速効型,速効型,これらを組み合わせた混合型などがあり,
生理的なインスリン分泌動態に近づけるよう,患者さんの個々の病態に合わせて使い分けます.
糖尿病の治療は奥が深いですね.
そんな糖尿病の病態生理から治療まで,
豊富なイラストと写真で“みて,理解できる”
『病気がみえるvol.3糖尿病・代謝・内分泌』第4版,
ぜひ,手にとってみてください!
(編集部A.M)