[Dr.Tの研修医日記]第4回:学生臨床実習の楽しみ方
研修医Tです.今回のテーマは「学生臨床実習」です.
学生の間はたくさん時間があるので,
部活に励んだり,友達と思い出を作ったり,そういうことにしっかり時間を割くべきだと思いますが,
今回は病院実習そのものをどう過ごしたらいいのかっていう話をします.
◆医学生と初期臨床研修医の大きな違いは何か?◆
もちろん「給料をもらっているかどうか」「責任があるか無いか」などあるかと思いますが,
医学・医療的な面では「検査のオーダー・薬剤の処方をするか」や
「採血,ラインやエコーなどの手技をやるかどうか」などといった点で違いがあります
(学生実習で手技を教えてもらうシーンもあると思いますが,
研修医に比べればどうしても少ない経験値ですし,
研修医になってしまえばそれにトライする機会は山のようにあります).
私が思う,医学生の間にしっかりと経験値を積むべきだと感じることは,
「しっかりと丁寧に身体所見を取れるようになること」だと思います.
そして余裕があれば「現在の患者さんの身体所見やLaboデータ,画像から
きちんとしたassessmentを立てること」を学生のうちから始めてみてほしいです.
いざ研修医になってみると,いわゆる雑務に割く時間が多いです.
当たり前ですが,学生時代は「検査を何するか」を考えれば良かったですが,
研修医は何をするか考えた上で,その検査を「オーダー」しなければなりません.
オーダーするだけなのにけっこう時間がかかるんです,これ.
とにかく学生時代に他の医師と違って優位に立てるのは,
一人の患者さんに避ける時間の長さです.
「患者さんの深いところまで話を聞き,丁寧に問診し,
Review of Systemにならって全身隈無く問診し,病態を考える」
これをぜひやってみてください.
身体診察などわからないことも多いかと思いますが,
これはどんどん上の研修医や上級医に聞いていきましょう.
社会人は,歳をとればとるほど質問しにくくなります.
何も臆せず質問し続けるには,学生時代が一番です.
「自分の担当する一人の患者さんを深く知って,
上の医師に聞かれたら患者さんの髪の毛の数まで答えられる」
…これくらい病院の中でその患者さんに近い存在になってみてください.
「患者からしたら学生かどうかは関係無い.一番私によくしてくれたのはあなたです」
…自分の担当する患者さんにこの言葉をもらえるように頑張ってみてください!
私もこれから患者さんに一番近い医師になれるよう,頑張ろうと思っています.
(研修医T)