[新5~6年生]国試体験記:『病みえ』,『QBオンライン』を使ったオリジナルノート作り学習法(T大学 A.Nさん)

こんにちは.編集部A.Kです.
先日は国試の合格発表がありましたね.
新5,6年生の皆さんは自分たちもそろそろ勉強をスタートしなければ,と
考えだす時期ではないでしょうか.
今回は,書籍とアプリの併用で国試対策をした先輩の体験記をお届けします!

◇◇

国試体験記:病みえ,QBオンラインを使ったオリジナルノート作り学習法
T大学A.Nさん

◇◇
◆1回目の国家試験は落ちました◆

はじめに断らなければならないのは私が国試で浪人したということです.

1回目の国試は惨憺たるものでした.私の大学は進級に関しては甘かったため,
留年せずに6年生になりましたが,
4月の時点では知識は一般人に毛が生えた程度の状態で,
糖尿病が何かさえよくわかっていませんでした.

とりあえずみんなと同じことをしようと,6月にネット講座を申し込みましたが,
循環器と呼吸器だけ視聴して投げ出してしまいました.
私に基礎がなくてネット講座の説明では理解できなかったこと,
先生が黒板に描く図や絵から実物のイメージが湧かなかったことなどが主な原因です.
結局12月と1月に『病気がみえる』(以下,病みえ)シリーズを2,3冊読み,
前日にはじめて過去問を解いたという状態で国家試験を受けたところ,見事不合格でした.

 

◆バイブルは病みえ◆

こうして浪人となり,1年間アルバイトをしながら国家試験の勉強をすることになりました.
浪人となるとかなり時間があるので付け焼刃ではなく
基礎からしっかり固めていこうと考えました.
また,経済的理由からビデオ講座は使わず,模試だけ受験しました.

最初に使った教材は,病みえシリーズです.
医学生向けのテキストでは,イラストを最も多用しているテキストの1つだと思っています.
病みえは本来国試を意識した教材ではありませんが,
基礎がガタガタで,解剖生理や病気のイメージが湧いていない私にはピッタリでした.
一方で全シリーズを合わせると分量が数千ページに及び,
直前期や出先でちょっと調べるのには向いていないということが弱点です.

そこで病みえをベースにオリジナルノートを書き,
それをスキャン,PDF化し,タブレット端末に取りこむ方法を取りました.
労力はかなり要しますが,今までやった科目のノートを全て携行できたこと,
目次をつけ目的のページにすぐ飛べるようにしたことで,後の勉強が大変楽になりました.
また,スキャンする際に余白を多めにしたため,タブレット端末上でノートに追記もできました.
電車の中や待ち合わせなどの時間も有効に使えるのでノートのPDF化はオススメです.

(編集注:現在は病みえアプリを順次発行しています.http://www.medilink-study.com/

 

◆QBオンラインを使った過去問演習◆

前年落ちた反省点の一つとして過去問演習をほとんどしていなかったことがあり,
過去問は病みえを使った勉強と同時並行で進めることにしました.
ただ病みえを使った勉強は膨大な時間を要するので,
過去問演習は基本的に電車内などの隙間時間に「QBオンライン」を使って行い,
紙媒体の方は使いませんでした.

使い方ですが,病みえで科目を読み終えるたびにそれに対応した
『クエスチョン・バンク』(以下,『QB』)の章を解くという方法です.
そして間違えた問題や自信がなかった問題はブックマークし,
その章を1周した後に解き直しました.
また,演習で得た新しい知識はその場でタブレット端末のノートに追記し,
ノートの内容を充実させていきました.

はじめは手軽という理由だけで「QBオンライン」を使い始めましたが,
すぐに「QBオンライン」には紙媒体にはないメリットが多くあることに気付きました.
手軽さブックマーク機能国試番号による検索機能など色々ありますが,
個人的には疾患検索機能がありがたかったです.

例えば,全身性アミロイドーシスでは心臓や腎臓,末梢神経などが侵されますが,
このような全身疾患の過去問をまとめて解きたいときに
『QB』のどの章を見ればいいのかが分かりにくいです.
紙媒体ではC章(循環器)やE章(腎臓)などを個別に探さなければなりませんが,
「QBオンライン」では「アミロイド」と検索すれば
アミロイド腎や心アミロイドーシスなどがまとめて出てきて便利でした.

 

◆マイナー,小児科の学習はレビューブック◆

病みえを使った学習は10月頃に一通り終えましたが,マイナー科目は病みえがありません.
そこでマイナー科目の学習には
『レビューブック』(以下,RB)シリーズの「マイナー」を使いました.
『RBマイナー』は写真が多く,
メジャー科目や産婦人科などと比べると画像問題対策に役立ちました.
国試では,マイナー科目は病態生理の深い理解は求められないので,分量も十分でした.

小児科もマイナー科目と同様に,『RB小児科』を使って学習しました.
小児科の各論はそれぞれの科目の知識でカバーできることが多いため,
国試の肝は「総論」です.過去に出題があった部分は特に,徹底的に覚えました.
過去に出題された内容には国試番号が併記されており,
その知識が国試ではどのような問われ方をするのかが気になったときに
すぐに「QBオンライン」で調べられた点がとても良かったです.

 

◆直前期に一気に公衆衛生対策を行い,本番へ◆

こうしてマイナー対策やメジャーの復習などで年が明け,直前期に入りました.
この時点では模試は偏差値60ちょっとくらいで勉強は完成に近づいていましたが,
公衆衛生は未だに手つかずでした.公衆衛生は嫌いな科目でしたし,
時間もあまりなかったので,QBで過去問を解き,メジャー同様ノートを作りました.
終わったのが1月下旬で,その後はひたすらノートを本番まで見返して復習していました.

こうして本番を迎えましたが,
試験会場に持参する教材はタブレット端末と『RBマイナー』だけで済みました
ちょっとしたことがストレスになる試験期間では,荷物が少ないことは嬉しいことです.
試験自体は難しかったですが,基礎を徹底して勉強したため,
過去問であった問題の多くは自信をもって解答できました.

3月下旬に試験結果が送られてきました.
結果は合格で,一般,臨床ともに85%近くの得点率で満足行くものとなりました.

反省点を挙げるとすれば,必修も85.5%とあまり安心できない結果だったので,
必修対策をしておいた方が無難だと思いました.
病みえを使った勉強は時間がそれなりにかかるので多くの人には不要だと思いますが,
基礎に自信がない方には一つの勉強法として参考にしていただければ幸いです.

(編集部A.K)

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