[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その5)実習と画像問題
こんにちは,編集部のA.Mです.
今週もお届けします,「国試からみる,臨床実習のポイント!」
第5回の今日は「実習と画像問題」についてお送りします.
■ 実習で画像に強くなろう!
前回のメルマガでは,
「実習にあわせて過去問演習すると,
症状,所見,検査や治療のイメージがつきやすい!」という話をしました.
https://informa.medilink-study.com/web-informa/post10720.html
しかし「実習に合わせて過去問演習」をするメリットは,
実はそれだけではないのです…!
ということで,今回も111回の問題をみてみましょう.
【111I50】
49歳の女性.右眼の霧視と飛蚊症とを主訴に来院した.3ヵ月前に左下腿に硬結を伴う直径約3cmの紅斑が出現した.1週間前からは右眼の霧視と飛蚊症とが出現し,次第に増悪してきたため受診した.矯正視力は右0.6,左1.2.眼圧は右15mmHg,左16mmHg.眼底検査で右眼に雪玉状の硝子体混濁を認める.右前眼部写真を示す.
診断に有用な検査はどれか.
a 皮膚生検
b 髄液検査
c 前房水の細菌培養検査
d 光干渉断層計〈OCT〉検査
e 血清トキソプラズマ抗体検査
正解はaで,正答率は86.9%でした.
硬結を伴う紅斑やぶどう膜炎の所見,雪玉状の硝子体混濁,
そして前眼部写真の角膜後面沈着物からサルコイドーシスが疑われます.
皮膚生検で,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を確認することが診断に有用となります.
さて,本問についていた角膜後面沈着物の画像ですが,
今まで問題文中に語句のみ登場したことがあるものの,
実際の画像が出題されたことはありませんでした.
本問は他のヒントからサルコイドーシスを思い浮かべることができるので,
これがあの豚脂様角膜後面沈着物・・・?
と,なんとなーく思った受験生の方も多かったと思います.
国試対策を始める前の学生さんの中には,
画像に苦手意識をもっている方もいらっしゃるのではないでしょうか.
実習は多くの症例に触れられる絶好の機会です.
画像への苦手意識をなくすために,
たくさん画像を見て画像に慣れてください.
そのためにも,まずは実習で回る科の過去問を問いてみて,
苦手としているポイントを確認しましょう.
そして実習中に見れる画像は積極的に見ていきましょう.
ポイントとして次のことを挙げてみます.
参考にしてみてください.
●問題文に用語としてしか出てこない画像を実際に見てみる.
(角膜後面沈着物のように,今まで画像が出てこなかったものが
急に出題されることは多々あります)
●CT,MRIなどで胸部・腹部の血管を追いかけ,重要臓器を確認する.
(結構いいトレーニングになりますよ!)
また,先生に質問できる場合は,
診断に有用なポイント,見逃してはいけないポイントなどを聞けると良いですね.
実習では,過去問でカバーしきれなかった画像も見ることができる!
臨床実習でしか学べない画像をできるだけ多く見て,
国試対策,研修医における臨床現場に役立てましょう.
今日はここまで.次は最終回.
私が個人的に気になった問題をお送りします.
それではまた来週.
(編集部A.M)