[4年生・再連載]OSCE特集3OSCE後もずっと使える『診察と手技がみえる』
前回は『診察と手技がみえるvol.1』が,
OSCE対策に有用だというお話をしました.
読んでいただいた皆さんには,この本がOSCEを目前に控えた医学生から
大きな支持を受ける理由がわかったと思います.
しかし,『診察と手技がみえるvol.1』は,
OSCE対策をする医学生だけではなく,
研修医や,卒後10年以上の医師にも使われています.
それは一体なぜなのでしょうか?
◆◆ お作法で終わらない
私たちは,『診察と手技がみえるvol.1』を作るにあたって,
既に出版されているいろいろな診察手技の本を見て研究しました.
そこで感じたのは,診察手技のやり方は載っていても,
「正常所見と異常所見の違い」,さらに
「得られた異常所見から何がわかるか」
という所までの情報があまり載っていない,
載っていたとしても,クリアカットにみえなくて,
すばやく理解することが難しい,ということでした.
これでは手技のやり方がわかっても,
実際の臨床で役立つかどうかは疑問です.
『診察と手技がみえるvol.1』は
「得られた所見から何がわかるか」という所まで整理しています.
◆◆ 正常と異常が比べられる
「舌の診察」の評価のページを見てみましょう.
このように『診察と手技がみえるvol.1』では,
診察手技によって得られる所見の「正常」と「異常」が
ひと目で比べられるようになっているだけでなく,
「どの所見が見られたら,どの場所の障害が考えられるか」が,
すっきりとまとまっています.
だから,実際の診察の学習にも役立つというわけです.
◆◆ 異常所見と原因疾患までがわかる
さらに,筋トーヌスの評価のページを見てみると...
やはりここでも,正常所見と異常所見がイラストで比較されています.
異常所見の「運動様式」はイラストでわかりやすく解説されているので,
混乱しやすい筋強剛と痙縮の違いもひと目でわかります.
さらに,異常所見から疑われる原因疾患まで同じ表の中にまとまっているので,
時間をかけずに確認することができます.
このように,ただ診察のやり方が載っているだけでなく,
所見の考え方や,そこから読み取れる疾患や病態などの
応用的な内容までが詰め込まれている本だからこそ,
『診察と手技がみえるvol.1』は,
OSCE後の病院実習や国家試験,臨床研修まで使えるのです.
実際,編集部にハガキを送ってくれる読者には,
国試直前の6年生から研修医,
さらに卒後10年以上の医師の方々もいます.
そのおかげで
発売初年度の売上げ冊数は,20,000部近くになりました.
OSCEを受ける全国の医学部4学年は7,000人しかいないはずなのに...
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今回は,『診察と手技がみえるvol.1』がただのOSCE対策本ではなく,
OSCE後も使える応用的な内容まで掲載されているということをお話しました.
しかし,『診察と手技がみえるvol.1』が他の診察手技の本と違う所は
他にもまだまだあります.
その話はまた次回お話しますね.
(編集部 T.T.)