[マッチング体験記]地方から関東の有名病院にチャレンジ(E大学 よっしー さん)
先日募集したマッチング体験記,早速ですが紹介します.
とても実践的な体験記を送ってくれたのは,E大学のペンネーム“よっしー”さん.
地方から関東の病院を狙っている4・5年生のみなさん,必読です.
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初期研修で有名研修病院でビシバシと鍛えられたいと思った地方大学の私は,関東の有名研修病院の受験にチャレンジしました.
その体験を報告したいと思います.
● 情報収集
情報は,マッチング関連の書籍も参考にしましたが,一番役に立ったのは部活で知り合った先輩や他大学の医学生の情報,そして何よりも実際に見学した病院の研修医の情報でした.
特に見学にいった際は,必ず研修医の先生に生活サイクル,研修の利点欠点は当然のこと,受験の際の注意点,そして筆記試験の過去問について必ず聞いていました.
私が志望した関東のS病院などは,筆記試験の問題数が多いものの,そのほとんどが過去問からだということで,何の情報も持たない私は研修医の先生の資料をごっそりといただきました.
本番では,関東の学生が先輩から代々伝わる過去問集を持っているのを見て,情報の大切さを思い知りました.
● 4年生・5年生のときに意識して取り組んだことは何か
私が受験した病院の中には見学の際の態度も採点されている病院もあり,最初は非常に緊張しました.
ですが,採点者が研修医の場合,みなさん好意的に見ていただき,全員に良い点数をつけるらしいのでそんなに緊張する必要はなかったと思います.
私は5年生の時に一度見学に訪れたのですが,関東の学生は学校のカリキュラムの枠内で長期にわたって実習ができる人もたくさんいたそうです.
地方の私はそれが不可能なので6年生の夏,試験本番の直前に再度実習をさせていただきました.
これは私がその時しか予定が空いていなかったということもあったのですが,病院の先生方から「試験受けるんでしょ?大丈夫?」とか,「試験は学生さんはみんな緊張してるけどリラックスして面白い話でも用意しといてねー」など,気にかけていただき顔を覚えてもらうには抜群の効果だったと思います.
● 病院見学はどれくらい行ったか
私は普段は実習に行くことが不可能だったので,5年のGW周辺や夏休み,春休みなどを利用しました.
その中で5つ6つの病院の中から受験しようと思う4つの病院をピックアップし,その中で気にいったS病院など2病院を6年生の夏休みに再度見学しました.
地方の学生はどうやら平均して4つ前後の病院を受験しているようです.
● どういう基準で病院を選んだか
私は研修病院としての歴史と実績があるといったことを第一に選びましたが,これは皆さんと同じだと思います.
私の場合,加えて以前から英語が上手になりたいと思っていたので,国際色があることを重視しました.
また,いずれがん診療に携わりたいと思っていたので,関東の大型がん診療施設に関係が近い病院であることも大きく考慮しました.
● 試験対策はどうしたか(英語対策はやった?)
試験は医学知識を問われる筆記と面接でした.
面接の内容はどこでも聞かれるような普遍的なものに答えられるように準備しました.
受験申し込みの際に志望動機など大抵のものは記載していたので,その内容を確認するだけでも十分だったと思います.
筆記はかなり量がありましたが,研修医の先生に頂いた資料で十分対応できました.ここは情報の差が大きく出るので,受験を考える際に必ず必要だと思いました.
● 希望の病院にマッチした決め手は何だったか
私が結果的にマッチした病院は非常に屋根瓦方式の研修が染みついた研修病院でした.
ですので,周囲とのコミュニケーション能力を問われることが非常に多く,選抜される中で重要な要素をもつと思います.
具体的には「あいさつ」「みだしなみ」「真面目さと愛嬌」だと思っています.
学力については高いほうがよいと思いますが,有名な研修病院であっても足切り的な要素が多いと思います.
ですので,ある程度の学力さえあればどんな病院でも受ける資格があるし,受かるチャンスがあると思いました.
● 面接で聞かれたこと,心がまえ
面接では普遍的な質問「志望動機」「見学時の感想」「他病院との違い」「周囲とのコニュニケーション」などといった普遍的なものと,差がつくようなチャレンジ質問「ここ最近で一番面白かった体験は?」「あなたはリーダーシップをとれる人間ですか?」などがあるともいます.
普遍的な質問にはしっかりと準備して答え,チャレンジングな質問には自然体で素直な気持ちを述べることを心がけました.
ここでも「真面目さと愛嬌」が大きくかかわってくると思います.
回答の内容そのものではなく,私たち受験者が発する雰囲気が回答の説得力に大きく寄与するのではないでしょうか?
● 最後に
地方から受験する際に大変だったのは
「情報の不足」
「見学,実習期間の不足」
この2点でしたが,重要なのは「情報の不足」を補うことだったと思います.
限られた時間で納得のいく病院を見つけるためにも,5年生時など早くからの情報の収集が不可欠だと思います.
最近ではインターネット上の個人のブログや掲示板でも情報はありますが玉石混合です.
やはり,顔の見える知り合いや,実際にマッチした研修医から聞く情報が一番だと思います.
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よっしー さん,どうもありがとうございました♪
体験者の生の声,きっと後輩たちの役に立つかと思います.
マッチング体験記は次回に続きます.どうぞお楽しみに.
(編集部 S)