[分析]データでみる104回国試(その6) 分野編

毎週お伝えしている「データでみる104回国試」.
今日は,どの分野が多く出題されたか,どの分野が難しかったのか,
前回103回のデータと比べて見てみましょう.

そもそもQBをまだ解いていない現役生は,
何がたくさん出るのかイメージできない方も多いのではないでしょうか.
多く出る分野は,外さない.これ鉄則です.

ではまず分野別の出題数はこちら!

(分類は小社基準によるものです)

まずはメジャー疾患.
消化管(QBのA章),循環器(C章),呼吸器(I章),神経(J章)
が目立って多く出題されていますね.
中でも,消化管の問題数が104回で増加しました.

小児科(O章),産科(P章)もよく出る分野です.
後回しになりがちですが,しっかりおさえておきましょう.

マイナー科目では,精神科(U章)の問題数が急増しています.
あまり“マイナー”とは言えなくなってきましたね…

出題のパターンはそれほど複雑ではないですので,
精神科は得点源となるはずです.外しては損ですよー.

そして公衆衛生(Y章)が63問!群を抜いた数字ですね.
毎年60問前後,全体の12%は出題されるんです.
どうしても後回しになってしまいますが,
公衆衛生をおろそかにするのはキケンです.

精神科(U章)と公衆衛生(Y章)は,
『QB』のコストパフォーマンスも高い(=勉強効率がいい)分野ですので,
切り捨てずにちゃんと『QB』を解きましょう.

【関連記事】
『QB』で一番コストパフォーマンスのよい巻は?
http://web-informa.com/benkyo/qb/20091006/

さて続いて,分野ごとの平均正答率を見てみましょう.

ちなみに平均正答率の算出に使ったデータは,
3月15日時点での「採点サービス」の解答入力データです.
また,103回は採点除外等の扱いになった5問を外しています.

目立って平均正答率が低い麻酔科や放射線科は
出題数そのものが少ないので,あまり気にしなくてよい数字です.

● 正答率が下がった↓主な科目(5%以上)
メジャー科目:消化管(-9.6%),血液(-5.7%),感染症(-6.5%)
小児・産婦:婦人科(-9.8%)
マイナー科目:眼科(-13.1%),耳鼻科(-8.2%),
         整形外科(-5.6%),皮膚科(-5.9%)
その他:医学総論(-6.7%)

● 正答率が上がった↑主な科目(5%以上)
メジャー科目:(+8.5%)
小児産婦:産科(+7.3%)
マイナー科目:精神科(+11.9%),泌尿器科(+11.0%)

メジャー科目に関しては,
問題数も10問増しの消化管(A章)が断トツ難しくなっていますね.
もう典型的な問題が出つくしたからでしょうか?
深い内容まで問う問題が多かったように思えます.

また感染症(H章)も要チェック!
抗菌薬の使い方などかなり臨床的な内容も問われています.

次,ここ数年「国試の鬼門」である産婦人科(P,Q章)に注目.
よく受験生から
「産科は難しいけど,婦人科はそんなに難しくない」
という声を聞きましたが,104回では逆転の現象が起きました.

もちろん,
婦人科よりも産科に時間をかける受験生が多いということもあるでしょうが,
104回の場合は,産科よりも婦人科の方が難問ぞろいだった印象を受けます.

ではでは合格への最後のステップ,マイナー科目.
みてわかる通り,精神科(U章),泌尿器科(W章)以外
かなり正答率が下がっています.

104回では,マイナーの問題でも知識だけでなく,
かなり臨床に即した問題が出題された印象を受けます.

最後に医学総論,ここには診察・手技や医療面接の問題が含まれます.
やはり臨床実習の重要性が増しているのでしょう.
5年生のみなさん,残りの病院実習を貴重に回りましょうね.

次回からは「採点サービス」の
アンケート結果を紹介していきます.

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