[4年生向け] 敵を正しく知る! CBTのキホン

こんにちは,CBT担当・編集部Aです.

今,こんな方が多いと思います.

「CBTがあるのは知っているんだけど,CBTがどんな試験かはよく知らない…」

“とりあえず”で漠然と問題集を買ってしまう前に,
どんな試験なのか正しく知っておきましょう.
この記事は『クエスチョン・バンクCBT』のコンセプト「効率設計」に則り
1本でCBTのキホンすべてを詰め込んでみました.

ちょっと長いですが,読み終わる頃にはCBTの全貌がつかめているはずです.
敵を正しく知って,ご自分に合った教材を選んでくださいね.


◆ CBTってそもそも何なの?

CBTとOSCEは一言で言うと,
「臨床実習前仮免許試験」です.

自動車の仮免許試験をイメージしてください.
実際に一般道路に出て大丈夫かどうか,
「仮免前効果測定」で知識を,「実技試験」で技能を測りますよね?

CBTとOSCEは,実習生が臨床現場に参加して大丈夫かどうかを
知識面(CBT)と技能面(OSCE)から測る
“仮免許試験”なのです.

◆ CBTってどんな試験なの?

CBTとはComputer Based Testの略.
つまり,コンピュータを使って受験します.

問題はランダム出題なので
つねに隣の人とはほぼ違う問題を解くことになります.

出題される問題は320問
うち240問が「プール問題」
(=前年までの試行で正答率などのデータが判明している問題)
からの出題で,採点対象となります
プール問題のストックは現在,12,000問以上もあるといわれています.

残りの80問は「新作問題」(=次年度以降のプール問題候補)で
正答率などのデータをとるために出題されますが,採点には入りません

 

どれがプール問題かは受験者にはわかりませが,
傾向として「良問はプール問題の確率が高い」と考えられます.
良問に安定して正答できればOK,と考えるのがよいでしょう.

◆ いつやるの?

各大学の臨床実習開始前に行われるので,
4年生の12~3月に行う大学が多いですが
中には3年生,5年生で行う大学もあります.

◆ 出題範囲は?

「医学教育モデル・コア・カリキュラム」で以下のように定められています.

A 基本事項 (=医療倫理など) 約4%
B 医学一般 (=基礎医学) 約20%
C 人体各器官の正常構造と機能・病態・診断・治療 (=各科臨床) 約40%
D 全身におよぶ生理的変化・病態・診断・治療 (=各科臨床) 約20%
E 診療の基本 (=診断,検査,OSCE系知識) 約8%
F 医学・医療と社会 (=公衆衛生) 約8%

実際の範囲はかなり膨大ですが,
受験した先輩たちの印象では,どの科目も偏りなく出題されるとのこと.
60%を占める各科臨床(C,D)=「病気の知識」を中心に
まんべんなく学習しておく必要があります.

◆ 合格基準は?

合格ラインは各大学が定めることになっており大学によってまちまちですが
以下のような例があるようです.(弊社調べ)
・得点率60%以上
・6段階評価で3以上
・下から10人不合格

ご所属の大学の合格基準が公開されていない方は,さしあたり
2006年度CBTの平均点「71.7%」という数字を参考にするのがよいでしょう.

◆ 時間割は?
まる一日かかります.以下の表でご覧下さい.

 「多選択肢連問」とか「順次解答連問」ってなんだ?と
思われた方は次の項目へどうぞ.

◆ 連問ってナニ?

CBT特有の出題形式に
「多選択肢型2連問」(以下「2連問」
「順次解答型4連問」(以下「4連問」あります.

◇ 2連問

問題の例を見てみましょう.

テーマ:動悸
a 脚 気
b 肝硬変
c 甲状腺機能低下症
d 腎不全
e 偽痛風
f 深部静脈血栓症
g ネフローゼ症候群
h うっ血性心不全
i 薬剤性浮腫
j 特発性浮腫

これが選択肢です.疾患の名前がこれでもかと並んでいますね.
問題をみてみましょう.

(1)
中年男性.1ヵ月前から階段の昇降時に息切れがするようになり,靴下の跡が残ると自覚していた.夜間に呼吸困難によって目覚めたため,来院した.起坐呼吸がみられる.
診断はどれか.

「階段昇降時に息切れ」「靴下の跡が残る」「夜間の呼吸困難」「起座呼吸」
などをヒントに解答(正解:)すると,もう1問.

(2)
58歳の男性.全身浮腫と黄疸を主訴に来院した.腹部表面に静脈怒張を認め,手掌紅斑,女性化乳房がみられた.腹水も著明である.
診断はどれか.

同じ「動悸を起こしている患者さん」でも,こちらの患者さんの症状は
「全身浮腫」「黄疸」「腹部表面に静脈怒張」「手掌紅班」「女性化乳房」「腹水」.
まったく違う診断名が導き出されます.(正解:

2連問は例のような,症状を手がかりに診断名を解答する問題が主ですが
最近は基礎や解剖の分野からの出題もみられています.

また,従来はいちど解答した問題には戻れないようになっていたのですが,
昨年度のCBTでは,解答済みの問題に戻って見直しが可能だったとのこと.
来年度のCBTでどういう仕様になるのかは,まだわかりません.

◇ 4連問

こちらも問題の例を見てみましょう.

(1/4)
9歳の男児.昨日突然,赤ブドウ酒を薄めたような尿が出たとのことで母親に連れられて来院した.
医療面接で重要なのはどれか.

a 排尿の回数は多かったですか.
b 以前に血尿を指摘されたことがありますか.
c 抗てんかん薬を服用していますか.
d 1~3週間前に発熱しましたか.
e 1~3週間前に腹痛・腰痛はありましたか.

え,問題文の情報これだけ?
面食らうことが多いのが4連問の1問目.
この問題の場合,「9歳の男児で血尿をみたらまず何を疑うべきか」が
頭に入っていないと正答できません.(正解:

(2/4)
9歳の男児.昨日突然,赤ブドウ酒を薄めたような尿が出たとのことで母親に連れられて来院した.2週間前に発熱があった.
この疾患で認められる所見はどれか.

a 浮 腫
b 血圧低下
c 著明な体重増加
d 悪心・嘔吐
e 血尿以外には所見がない

解答すると正・誤にかかわらず問題文の記述が増え,次の問題が表示されます.
問診の結果をもとに診断のあたりをつけ,
判断を裏づける所見を選びます.(正解:

(3/4)
9歳の男児.昨日突然,赤ブドウ酒を薄めたような尿が出たとのことで母親に連れられて来院した.2週間前に発熱があった.眼瞼が腫れぼったく,下腿に浮腫を認めた.
検査所見で正しいのはどれか.

a 貧 血
b 高度タンパク尿
c IgA高値
d 血清補体価低値
e 咽頭培養にてβ溶連菌検出

また記述が増えました.
所見が確認され,診断確定にどんな検査結果が必要か問われています.
(正解:

(4/4)
9歳の男児.昨日突然,赤ブドウ酒を薄めたような尿が出たとのことで母親に連れられて来院した.2週間前に発熱があった.眼瞼が腫れぼったく,下腿に浮腫を認めた.血清補体価低値,血清ASO高値であった.
診断はどれか.

a 慢性腎炎の急性増悪
b 溶連菌感染後急性糸球体腎炎
c ループス腎炎(SLE腎症)
d 急速進行性糸球体腎炎
e 膜性増殖性糸球体腎炎

診断名を解答すると,4連問1セット分の解答が終了し,
次のセットに移ります.(正解:
4問目は,診断名ではなく基礎的な病態を問うものも多いようです.

いかがでしたか?
CBTの全貌を知ることで,
「どんな勉強をすればよいか」のイメージがつかみやすくなったかと思います.

まとめるとこのような感じ.
・ ランダム出題だけど,良問に安定して正答できればOK
・ 出題範囲は「病気の知識」を中心にまんべんなく勉強すべし
・ 連問は問題文の情報が少なく,特別に対策が必要

次回以降に配信していきますが,
『クエスチョン・バンクCBT』シリーズは
解くだけでCBTに適した勉強ができる設計になっています.
今後の記事にご期待くださいね.

次回は『クエスチョン・バンクCBT』シリーズでCBT得点90%を記録した
先パイたちの賢い勉強法
をご紹介します!

(編集部 A)

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