[6年生向け]104回国試 不合格原因大分析! その4

◆自分の苦手分野をなくせ!!!

国試対策の基本,それは「みんながやってる勉強法をする」でした.
10人中9人が間違える問題を解けるようになっても仕方がない.
「自分だけできない問題」をなくすことが重要.

だから問題集も参考書も模試もトップシェアのものをやることが一番効率的です.
そして「必修と公衆衛生は絶対手を抜かない」
これが落ちないための最大のポイントです.

その上で,あと3つポイントをお伝えします.
1つは「弱点をなくす」こと.

前回の「分野別の平均得点数の表」をもう一回みて下さい.

消化器,循環器,呼吸器,神経,産科,小児科など,
大量出題分野が合否を分けていますね.
これらが苦手なら,徹底的に『クエスチョン・バンク』を復習すべきです.
「まずは己を知り,己の弱点をつぶす」これが王道です.

既に『クエスチョン・バンク』(『QB』)を復習している人は,
最後の弱点チェックに『データマニュアル』の苦手分野のみをやるのも手です.

問題の形式からも考えてみましょう.例えば一般問題.
解剖・生理や,「腹痛を来さないのはどれか」というようなヨコ切りが多いため,
疾患各論の知識で解けることが多い臨床問題に比べ,
対策しにくいと感じる受験生が多いですね.

模試などで一般問題が明らかに苦手であれば,
一般問題という弱点をつぶす勉強が,落ちないために必要になります.
『QB』を復習するのが有効なのはもちろんですが,
『データマニュアル』の「総論」は自分の弱点をあばくのに有用です.

 
◆回数別とマイナー対策は肝

弱点をつぶしたら,最後に,残り2つのポイント,
「本番慣れ」「得点力アップ」を目指しましょう.

まず,「本番慣れ」といえば,『回数別』シリーズ
消化器,循環器といった系統別で過去問を解くのではなく,
実際の国試本番の出題形式で500問を解くということ.
時間配分感覚を磨いて本番に強くなるためです.
大学受験と同じですね.これは分かりやすいと思います.

重要なのはそれだけじゃない.
国試では各疾患は系統別に固まって出題されずランダムに出題されるのです.
一方,『QB』は系統別になっているので,問題の答えが予想しやすい.
婦人科の『QB』をやっていたら,
「腹痛」で来院したときに消化器疾患をはじめから除外して
「子宮外妊娠」かなって思っちゃうじゃないですか.

国試は様々な系統の疾患を想起してしまうこともあるんですね.
それでもちゃんと正解できるようにしたい.
これも「本番慣れ」のために必要な対策です.

ところで国試は2月,『QB』の発行は3月であるため,
『QB』には発行年の最新国試は掲載されていません.

つまり105回国試対策においては,
6年生で『QB』を買った人は最新の104回を,
5年生で『QB』を買った人は104回と103回の2年分をやることがマストになります.
これは本番慣れというレベルではなく,ゼッタイです.
最新の過去問演習が後述するように非常に重要だからです.

結論から言えば,回数別シリーズは,
最低でも『QB』に掲載されていない回数を対策する必要がありますが,
できれば直前に3年分はやってほしいです.
なぜかというと,
先に書いたランダム出題でも回答できるアタマになるためという目的の他に,
「得点力アップ」という目的もあるからなのです.

国試はプール問題といって,過去の問題が再び出題されることがあるのですが,
104回で出題されたプール問題14題のうち,
8問は過去3回以内から出題されているのです.
これらのプール問題の平均正答率は94%.周りの人は確実に正解しています.

難問は解けなくてもいいですが,合格率が89.2%という国試において,
これらの出題を落とすわけにはいきません.
忘れないように,直前期の対策が有効なのです.

また出題委員の先生が前回,前々回の国試と同一であることが多いためか,
国試は近年で問いた問題の類似問題を出題するという傾向があり,
近年の国試演習がそのまま次の国試の「得点力アップ」につながるケースが多いのです.

ですから,回数別を解きながら,
出た疾患の周辺知識を『イヤーノート』で確認しておくと
本番でニヤリとすることがよくあると言われています.

得点アップのためにはマイナー対策も超重要です.
メジャーに比べ疾患数が少ない割に,けっこう出題されるため,
やったらその分得点になる,つまりコストパフォーマンスがとても良いんです.

特に精神科は出題数も多く公衆衛生に匹敵する得点源となります.
マイナー対策がまだ十分でない方は,
出題数が比較的多い,精神科・眼科・耳鼻科・泌尿器科などは
『レビューブック・マイナー』のメシュランのがついている疾患だけでも,
1回は復習しておいておくとよいですね.

他にも得点力アップのためには,
臨床問題で勝負の決め手となる画像対策
記憶を確実にするための手段としてゴロなどがありますが,
今回は具体的な手段は簡単に列挙するにとどめて,連載を終えることにします.

これらについては,
11月に無料配布される情報誌『INFORMA』に詳しく掲載されるので,
興味のある方はみてくださいね!(WEBでも公開されます)

◆!対策!◆
弱点克服と得点力アップの極意 己を知り優先度を見極めよう!
 その一 回数別は最低2回,できれば3回演習して,時間感覚を磨け!
 その二 マイナーは得点効率がいい!『レビューブック・マイナー』で総復習
 その三 一般が苦手なら,『データマニュアル』の苦手分野だけでもやる!
 その四 臨床は画像問題が多い.『イヤーノートATLAS』を総チェック!
 その五 記憶の強化にゴロは有用.選択肢で悩まないために『Dr.K』! 

最後に….直前対策は限られた時間をいかに効果的に使うかが重要です.
上記に挙げた対策を全部やるということではありません.

やみくもに手をつけるのではなく,
優先順位を決め,スケジュールを組み立ててやっていきましょう.
必修と公衆衛生,『QB』に掲載されていない回数別は,
受験生全員ゼッタイ手を抜かずやってほしい.

残りは,自分の『QB』の進行状況
(直前対策以前に『QB』を1周目問題だけでも終えることが重要です)
や弱点,残りの時間を考えて自分にあったものを選びましょう.

さて,これでおしまいです.
国試対策だけでなく,卒試勉強,大学によっては実習が残っていたりするなか,
長い連載を読んでくださった方,本当にありがとうございました.m(_ _)m
皆様のご健闘をお祈りいたします.

 
(編集部 M)

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