[4年生・再掲載]OSCE特集2『診察と手技がみえる vol.1』でOSCE対策
前回は,全国の大学のOSCE対策を見てきました.
結果的にOSCE対策として『診察と手技がみえるvol.1』を
使っている医学生さんがたくさんいるということがわかりました.
今回は,その理由をお話したいと思います.
イラストや写真が多いからというのは,もちろんそのとおりです.
「写真とイラストあわせて1,000点!」なんて本は他にはありません.
でも,それだけではないのです.
この本は,実際にOSCEを受けた学生と編集者が
「もっとこうすれば使いやすくなるんじゃないか」ということを
徹底的に考え抜いて作りました.
だから,他の診察手技の本にはない特徴がたくさんあります.
今日は,その中の一部を紹介しましょう.
◆◆ OSCEにフィットしたフォーマット
『診察と手技がみえるvol.1』の各診察の最初の頁は,
必ず下図のようになっています.
● まずは「目的」
一番初めにあるので,パッとみてすぐにわかります.
一見当たり前のように思えますが,
いざ,まわりにある診察手技の本を見てみると,
当たり前すぎて書いてなかったり,長い分を読み終えて最後にやっと
「あぁ,これが目的だったんだ」といったものばかりです.
● 次に「手順」
これは,クエスチョンバンクの Minimum Essence のようなものです.
しかも,共用試験実施機構が作成した「OSCEの評価項目」に準拠しています.
「OSCEの評価項目」は,OSCEが近づくと学校から皆さんに配られるので,
もう見た人もいるかと思いますが,
長い文章が続いて,「どう動いて」「何を確認するのか」がクリアに見えません.
例えば,肝臓の叩打診の項目を見てみましょう.
■ 肝臓の叩打診
⇒仰臥位で右肋骨弓頭側に平手をおき,反対側の手拳の尺骨側で優しく叩き,
肝臓の叩打痛の有無を診察する.
「しっかり読めば理解できるけど,
パッと見ただけでは何が書いてあるのかはわからない」
と思いませんか?
それが,『診察と手技がみえるvol.1』ではこうなります.
どうですか?
一つの動作が簡潔な短い文で書かれ,
動作に対応した写真もあるのでパッと見ただけで,
動きのイメージが頭に入ってきます.
確認事項もひと目でわかります.
◆◆ 「動き」と「確認」がひと目でわかる
もっと他の例も見てみましょう.
反跳痛の項目だと…
■ 反跳痛の検査
⇒数本の指の末節掌側で圧痛の有無を確認し,
ゆっくり押し付けて(2~3秒くらいのイメージ),
急に圧を抜く(0.5秒くらいのイメージ).
押し付けた痛みと離した瞬間の痛みを比較して質問し,
痛みの増強の有無を確認する.
↓↓↓↓↓
『診察と手技がみえるvol.1』
ほら,「どう動いて」「何を確認するのか」が,ひと目でわかりますよね.
しかも,写真の中に「患者さんにかける言葉」も載っています.
このように,OSCE評価項目の内容が,
「パッと見てすぐ頭に入るフォーマットで掲載されている」ので,
OSCE対策をする多くの医学生に支持されているわけです.
しかし,『診察と手技がみえるvol.1』の特徴は,これだけではありません.
もう一つの特徴は
「OSCE対策する医学生だけではなく,
研修医や卒後10年以上の医師にも使われている」
ということなのですが…
その理由は次回お話します.
(編集部 T.T.)