[分析]データでみる105回国試(その2) 分野編

「データでみる国試」2回目は,105回国試でどの分野が多く出題されたか,
どの分野が難しかったのかを,主に104回と比較してお伝えしていきます.

まず分野別の出題数はこちら!

■104回・105回 分野別出題数

メジャー科目は,全体的に出題数が多いですが,
今年は特に神経感染症が増加しました.

感染症では,社会問題となっているHIV関連の設問が目立ちます.
HIVは今や医師であれば誰でも出会いうる疾患になってきているので,
基本的な疾患知識に加え,合併症や治療法などしっかり勉強してくださいね.

輸入感染症,院内感染,多剤耐性細菌が出題されましたが,
注目度が高まっており,今後狙われてくるポイントだと考えられます.

また,検体保存や迅速検査,ヘルパンギーナのアフタの好発部位といった,
臨床に即した出題も,去年に引き続いてみられました.

小児科・産科は,毎年たくさん出題されていますが,
対策が遅れがちで,範囲も広いので注意が必要です.

マイナー科で押さえておくべきは,一番は精神科
範囲もそれほど広くはないので,まずはここをしっかり固めてしまいましょう.

そして,絶対外せないのが,公衆衛生!!
毎年60問程度,全体の12%も出題されています.
どうしても後回しになってしまいますが,公衆衛生をおろそかにするのはキケンです.

ここまでで,だいたい何をたくさん勉強すれば良いか,イメージがわいてきたでしょうか.
特に,苦手な分野が出題数が多い(>_<),という方は,早めに一度
『クエスチョン・バンク』の1周目問題を解いて全体像を掴み,攻略計画を立ててくださいね!

さて,次は分野ごとの出題数の増減と平均正答率を見ていきましょう.

■分野別問題数の増減

★問題数+5問以上 神経(QBのJ章),感染症(H章),医学総論(必修)

出題数は,出題順位が大逆転,というほどではありませんが,
年によってこれだけ変動があるということがわかります.

苦手科目が今年少なかったからといって,油断しすぎないようにしてくださいね!!

前述の感染症は,2年連続の増加です.

■分野別平均正答率

★正答率―5%以上 消化管(A章),神経(J章),小児(O章),精神(U章)

問題数が増加した神経は,難易度も上がっています.
メジャーな疾患の,検査や治療のより深い知識を求める問題が多かったように思います.

104回で10問増加,難化した消化管は,
105回では問題数は戻りましたが難易度は更に上がったようです.
かなり専門的な問題も何問か出題されました.

小児科は,「空気嚥下症」や「揺さぶられっこ症候群」といった馴染みのない
疾患が出題された他,「横隔膜ヘルニア」など受験生が勉強していた疾患でも,
画像が今までと違う撮影法であったりと,受験生を悩ませました.

既出の疾患のより深い学習に加え,
児童虐待等,最近のトピックスにも気をつけることが必要です.

マイナー科では,去年に引き続き,かなり臨床に即した問題が多い印象を受けました.
どの分野でもやはり実習が重要視されているようです.

次回からは,実際の問題をみながら,より深く国試に迫っていきたいと思います.

それでは今日は,このへんで!

(編集部S)

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