[分析]データでみる105回国試(その4) 画像問題編2

「データでみる国試」3回目は,前回に引き続き,
105回で出た画像問題をご紹介していこうと思います.

◆画像問題 解剖編◆

画像上の解剖学的知識を問う問題です.

105G17
側頭骨高分解能CTの軸位断像を別に示す.
矢印で示すものはどれか.
a 蝸牛基底回転  b 外側半規管  c 顔面神経管
d 蝸牛窓      e 前庭


正答率32.5%の難問です.

(矢印の位置があいまいで分かりにくいですが)
答えは「b 外側半規管」です.

側頭骨CTは,耳鼻科の聴神経腫瘍や側頭骨骨折で,
見たことはあると思います.しかしその他の正常構造は,
あまり意識して見たことがなかった人も多いのではないでしょうか.

どの分野でも解剖はとても重要です.

普段から,画像問題は目立つ病変だけでなく,
正常構造も一通り見るなど,解剖を意識した勉強をしましょう.

 
◆画像問題 実技編◆

104回でも注目されていた,実技・医療器具の問題が,
今回も多数出題されています.

105H18 
心電図検査を行う際の胸部誘導の電極と肋骨の位置関係を別に示す.
正しい電極の位置はどれか.
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

    

医学生の皆さんなら当然見慣れているはずの心電図検査ですが,
意外にも?!正答率は52.9%・・・

受験生の解答は,同じ位置関係で1肋間高さの違う,
aとbでほぼ半々に割れました.

詳しい位置は省略しますが,V1とV2の高さは第4肋間です.
覚えておきましょう.

ということで,答えは「b」でした.

105F25 
46歳の男性.咳と痰とを主訴に来院した.3ヵ月前から倦怠感と食思不振を自覚し,体重が減少してきた.最近,痰の量が増加し,時々,血液が混じるようになった.アルコール依存症で入院歴がある.意識は清明.呼吸数24/分.血圧118/82mmHg.経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%.著しいるいそうを認める.マスクの種類と装着方法を別に示す.
医師が患者の診察を進める際のマスクとその装着方法として適切なのはどれか.
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

    

結核が疑われる患者さんの診察では,医療者側がN95マスクを装着します.

ということで答えは「a」です. 

他の選択肢は,全てサージカルマスクで,空気感染の予防はできません.

そして,bは鼻が露出,cは鼻や頬にフィットさせてないので,
サージカルマスクの装着法としても間違いです.

ちなみにeは,上に透明のガードがついて,
手術中などに眼を守るタイプです.

105E24
妊娠中の超音波写真を別に示す.
児頭大横径〈BPD〉の計測断面を示しているのはどれか.
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

    

cとdが少し紛らわしいですね.
正解は「c」ですが,32.0%の人がdを選びました.

cは胎児頭部正中線エコーが見えることがポイントです.
dは胃泡が見え,腹部です.

その他の選択肢は,
a 稽留流産
b 妊娠初期の胎児全長(頭殿長を測ります)
e 大腿骨
 です.
前回とあわせて,9問の画像問題を見てきましたが,
いかがだったでしょうか.

このような画像問題が100問以上あるのに加えて,
画像問題にはカウントされていませんが,
問題中にシェーマが入った「図示問題」もいくつか出題されています.

ノートに図を書いてまとめる,または
『病気がみえる シリーズ』『year note ATLAS』を使うなどして
色々な学習内容の,視覚的なイメージをつかめるようにしましょう.

それでは今日は,このへんで.

(編集部S)

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