[4年生向け]本当にコストパフォーマンスのいいCBT対策とは? その5

編集部Mです.今回は第5回です.
前の記事はこちらをご覧くださいね.
その1 http://web-informa.com/cbt/20110701-3/
その2 http://web-informa.com/cbt/20110704/
その3 http://web-informa.com/cbt/20110705-2/
その4 http://web-informa.com/cbt/20110706-2/

◆過不足なくナットクできる解説

前回は,『QB CBT』の青字についてお話しましたが,コストパフォーマンスという点ではより重要なポイントがあります.
それは『QB CBT』は,解説が過不足なくちゃんと入っているということ.

みなさんも大学受験のときに経験したことがあると思いますが,
問題集や模試の解説を読んでいるときに,各選択肢で何で○なのか,何で×なのかが,しっかり書いていないとか,この問題の補足解説にこの図をいれてほしかったのに「ないじゃん!」って思ったりすることがありませんでしたか?

医学の問題集でもそれはよくあります.
執筆者の数が多い分,解説の良し悪しのばらつきが大きいかもしれません.

こうしたことがないように『QB CBT』は,執筆者の原稿を医学生がチェックして,分かりにくいところや解説が足りないところについて,執筆の先生方に修正や加筆の依頼や提案をしています.

だから,解説が「過不足がなくポイントをついている感じ」に仕上がりやすいのです.
その問題の解説だけでなく,「基本事項」や「補足事項」などに入れる「まとめ」や「図表」も学生のリクエストをできる限り聞いて,入れ込むようにしています.

こうした工夫によって,1問1問の解説を分かりやすくするだけでなく,その1問の解説を読んだだけで他の問題も解けるような周辺知識をできるだけつけてもらうようにしたいと考えています.

これが『QB CBT』における「コストパフォーマンスの良さ」の1つの特徴です.

◆繰り返し効果で記憶の定着率を上げる

もうひとつ「コストパフォーマンスの良さ」を意識した特徴があります.

『QB CBT』には,前回紹介した『レビューブック』シリーズや,『病気がみえる』,そして『イヤーノート』の参照ページが記されています.
これは,解説の補足としてそれぞれの本の対応箇所を示しているわけです.

たとえば病態生理は,選択肢の解説だけだと十分に理解できないことがありますね.
そういう時,『病気がみえる』のページにリンクしていると,すぐに『病気がみえる』で病態生理が確認できるというわけです.
この参照,できるだけやってみてください.

問題演習をきっかけとして,『病気がみえる』や『レビューブック』を見なおすと,そのページをみた回数が増え,記憶が定着しやすくなるためです.
また周辺事項も合わせて目を通しておくと,知識が広がります.
そういう知識がCBTや国試で出題されたりするんですよね.

また,『QB CBT』は『病気がみえる』や『イヤーノート』の図版をたくさん転載しています.
これも,『病気がみえる』でみた図版を『QB CBT』でもう一度見る,『QB CBT』で見た図版を『イヤーノート』でもう一度見る,というようにしておくことで,記憶の定着化を狙っているのです.

『QB CBT』の『病気がみえる』などへの「参照ページの明示」+「図版の転載」.
他書にはない大きな特徴として,使うたびに効果を実感できると思います.

『病気がみえる』など,せっかく買ってもらった本があれば,CBT対策に連動するようにして,役立つ機会を増やしたい…
そういう意味でのコストパフォーマンスの良さですね.

国試版の『QB』も同様に『病気がみえる』や『イヤーノート』の図版をたくさん転載しています.
医学生の方々の4~6年生ライフにおいて,みなさんの記憶定着に地味~にささやかに貢献していきたい,そんな感じです(笑).

◆基礎医学も「臨床重視」

最後に基礎医学にも触れておきましょう.
僕は自分も関わっているということもありますが,基礎と言いながらあえて『病気がみえる』をおススメしたいです.
疾患各論だけでなく解剖・生理などの基礎事項がまとまっているためです.

『病気がみえる』は,単に病気を解説するだけでなく,基礎と臨床を結び付けてビジュアルで表現することを意識しています.
例えば僕の場合,解剖の章でも,解剖図の横に,解剖図に対応する臨床画像を配置して,その解剖が臨床で役立つことがすぐに意識できるようにする,というようなことにこだわっています.

こうした表現は,実習で役立つほか,CBTでも有効と考えています.
臨床実習の仮免許試験であるCBTは,基礎医学でも特に臨床に役立つことを出題したい.(これ重要ですよ!)
だから解剖を聞くときに解剖図ではなくあえて正常の造影像やMRI像を使って出題する,というようなことがあるわけです.

被殻の場所を答えさせる解剖の問題が,脳のイラストではなくMRIで出る…なんてCBTでありそうですよね(国試では出ました).

実際,『病気がみえる vol.7 脳・神経』では,臨床でその解剖知識が重要になるということが実感できるように,大脳基底核の解剖の章では,解剖図の下に対応するMRI画像をつけるなど,多彩な工夫を凝らしています.
実は,こういうレイアウトを決めるとき,「CBTで的中させたいな」と思いながら決めていたりするんです.

…ちょっと脱線しました.
重要なのは,基礎医学も,臨床で重視されそうなテーマを意識しておくと,CBTの得点が上がる可能性があるだけでなく,臨床実習以降も必ず自分のためになるということです.
こういう勉強の仕方が「本当の意味でコストパフォーマンスのいい」基礎医学対策だと考えます.

『病気がみえる』は値段も教科書の中では破格のはず.
いろんな意味でコストパフォーマンスがいいのではないでしょうか.

それだけでなく,『QB CBT vol.1 基礎編』には「Lecture」というコラム的なページがついていて,これが好評です.

「Lecture」は,本書の担当編集者が,先輩たちから意見を聞いて,分かりにくいという意見が多かったテーマをチョイスし,監修者と一緒にかみくだいて解説したものです.
ぜひ一度目を通してくださいね!

◆まとめ

さて,最後にCBT対策おススメ勉強法をまとめます.ご参考くださいね.

(1)『QB CBT』は時間がなかったら「vol.2臨床編」「vol.3臨床・連問編」を先にやる.「vol.1基礎編」は後で良い.
(2)『QB CBT』はvol.1~3を必ず復習する.時間がなければvol.2,3を優先.
(3)復習したら秋発行の「vol.4 最新復元問題編」をやる.
(4)参照ページを使って,『病気がみえる』などもチェック.周辺知識を増やす.
(5)電車の中などでは『レビューブック』を活用(内科外科は2011年秋改訂版発行).
(6)基礎医学では,臨床に直結しそうなものを意識的にチェック.

ついでに問題集の解き方も触れておきます.CBTだけでなく国試対策でも同様です.

●問題集全範囲をなるべく早く1周し,試験の全体像をつかむ.
●自信を持って正解できた問題には○,間違えた問題には×,正解できたが自信がなかった問題に△を付けておく.
●復習として2周目を行う.時間がなければ×と△の問題だけやる.
●間違えた問題を反復し記憶を定着化させ,全問自信をもって解けるようにする.

ちなみに,ライバル書籍『CBTこあかり』の「エッセンス」編4冊(2012版)と,『QB CBT』(2012版)vol.1~3の3冊とが内容的に対応しているのですが,『QB CBT』の方が,掲載問題が多いそうです.

値段に関しては,合計価格は420円だけ『QB CBT』のほうが高いそうですが,1問あたりの単価は『QB CBT』の方が安くてお得なのだそうです(担当編集者談).
そういう意味でも,コストパフォーマンスがいいといってよいかもしれませんね.

それではこの連載もこれで終わりです.
とにかくお伝えしたかったのは,CBT対策を単に高得点争いのためにやみくもにやろうとするのではなく,

(1)勉強時間
(2)得点効率
(3)記憶の定着
(4)おサイフ
(5)CBT以降

の観点からみて,本当の意味でコストパフォーマンスのいいやり方を考えて挑んでほしいということ!

転送は自由ですので,CBT委員の方は,説明会代わりにご利用ください.

最後まで読んでくださった方,ありがとうございました.

(編集部M)

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