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[5〜6年生向け]医師国家試験【体験記】卒試が余裕でも、必修落ちはある。

師走を迎え,寒さも厳しくなってきましたね.

さて,本日ご紹介するのは,国試当日の必修で高得点を獲得した学生さんの必修対策体験記です.
そろそろ必修対策に本腰を入れる,という方も多い時期だと思いますので,ぜひ参考にしてみてくださいね.


卒試が余裕でも、必修落ちはある。

(T大学 Tさん)



多くの大学で卒業試験は国試よりも難しいとされていると思いますが,私の大学も例外ではありませんでした.
夏と秋の二回,国試形式の6ブロックからなる卒業試験がありましたが,いずれの必修も,国試で言う一般臨床のような細かい知識が必要な問題ばかりでした.
卒業試験に合格するには一般臨床の知識を深める必要がありましたが,必修に特化した勉強はあまり必要ではなく,秋まで必修対策は特にしませんでした.

その代わり,「Q-Assist」を夏までに見終わり,秋までには「Q-Assist」の復習を一通りし,『QB』も必修以外は全問解き,一般臨床の対策は行っていました.
おかげで卒業試験は合格できましたが,必修特有の知識は何もないまま冬を迎えることになってしまいました.


「卒業試験に余裕で合格する人でも,必修落ちはありうる.」



……学習指導の先生からこう言われたのは,秋の卒業試験が終わったある日の面談中でした.

その頃受けていた模試では,必修も80点を切ることこそありませんでしたが,それはほどほどに勘で選んだ問題が当たっているからこその点数で,それを全て間違えればあっさり落ちてしまうような点数でした.
とは言え,なまじ合格点は超えているので,必修に対する危機感は全く無いまま過ごしていました.

しかし,この言葉を聞いた瞬間,突然必修が怖くなったことを覚えています.

私が必修対策としてまず始めたのは『QB必修』を1周することでした.
『QB必修』はどの先輩に聞いても解いたと言われる受験生必携の問題集です.『QB必修』に載っている問題は正答率が高くなるので,どんなに難しくても採点除外にはならないと言われていました.

12月の半ばに『QB必修』を一日150問のペースで解き始めました.
一日150問というとかなりの量に感じますが,必修は一般臨床の知識があれば十分に解ける問題や,一般常識のような問題も多く,それらの問題は深追いしすぎないようにしていたため,さほど時間はかかりませんでした.

必修の対策だけで一日を終えると,今まで覚えてきた一般臨床の知識も忘れる気がしたので,一日中必修対策をするわけではなく,一日の勉強時間のだいたい3分の1を必修対策に使っていました.

私の友人のなかでは必修対策のみを2週間勉強していたら他の知識が抜けてしまった,と話している人もいたので,このように勉強してよかったと思います.
12月中には一周解き終え,次に私が必修対策をするのは国試3週間前になります.

国試3週間前にもなると,国試への恐怖心が募り,同時に面談で言われた必修落ちはありうるという言葉に重みがかかり何度も反芻されました.
そこで,1周解いたきりとなっていた『QB必修』の間違えた問題をもう一度解き直しました.今度は軽く解くだけではなく,ある程度問題数が絞られているので,『RB必修禁忌』を使いながら1問1問しっかりと取り組みました.



手技に関する問題や,医療面接の態度に関する問題など,今まで腰を据えて勉強してきたことのない範囲の問題を見るたびに,『RB必修禁忌』で調べ該当箇所を読み込みました.調べたかったことの前後も一緒に読むことで,『QB必修』を解くだけ以上の知識を手に入れられたと思います.

例えば,胸腔穿刺を調べると,次に心嚢穿刺が解説されているので,一緒に読めば,『QB必修』を解くだけだったら勉強しなかった心嚢穿刺の手技についても短い時間で勉強することができます.

その最たる例としては,医学史でした.医学史に登場する人物は模試ごとにまちまちで,自分で調べるのにも限界があるし対策のしようがないと考えていました.
ですが,『RB必修禁忌』には医学史がまとめてあるページがあります.そのページを読むことで医学史は一通り確認でき,不安要素が一つ減りました.

自分で調べるのには限界があることも,『RB必修禁忌』がまとめてくれていたので効率よく学べました.

国試本番は数ヵ月前には予想できなかったほど緊張します.前日寝付けず,寝不足の人なんてざらにいます.
どんなに緊張しても,どんなに寝不足でも,いつも通りの点数を出すためにはそれ相応の対策が必要だったと本番を迎えて改めて感じました.

多くの人がそうであるように,私も必修のB,Eブロックの前が一番緊張しました.そんなときに心の支えとなったのは,自分が必修対策を一生懸命やったという事実です.

みんなが解いている『QB必修』は全てきちんと解いた,『RB必修禁忌』でたくさんの手技を知った,私が知らない問題はきっとみんな知らないはず…,とそう思えることが何よりも心の支えになりました.

結果,必修は98.5%,今まで受けたどの模試よりも高い得点でした.必修対策の結果が数字に出て,心底嬉しかったです.

国試の勉強において,必修対策は特化してやらなくても一般臨床の勉強をすれば点数がついてくるという考えもあるかもしれません.実際それでも合格できるのかもしれませんが,国試前の不安な気持ちを少しでも減らすために,落ち着いて国試を受けられるために,そして確実に合格できるために,必修対策を行うことを私は強くおすすめします.

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