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[5年生向け]1周目問題,過去5年の過去問をベースにしたワケは?

編集部Mです.

今年の『クエスチョン・バンク』シリーズは,新サービス “QBオンライン”をはじめたせいか,昨年を上回るペースで伸びていて,早くも品切れが間近となってきました.
『QB』をご購入くださった皆様,ほんとうにありがとうございました.m(_ _)m

今日は,この『QB』の特徴のひとつ,1周目問題についてのちょっとした小ネタを書かせていただきます.
というのも,1周目問題の選び方について,よく質問をいただくからです.

本当は『QB』を購入される方が最も多い4~5月に記事を書くべきでしたが,遅れてしまい申し訳ないです.

さて,このメルマガにお寄せいただいた感想から生まれた企画,1周目問題.
おかげさまで,先輩方からかなりのご支持をいただきました.
1周目問題がどうやって生まれたか,どうして僕が「リンカクをつかんでから本気を出す」という方法の方が効率が良いと考えるようになったかは,過去の連載をご覧くださいね.

過去の記事はコチラ↓
新・リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 その1
新・リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 その2
新・リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 その3

さて,この1周目問題,
直近5年の過去問
+5年以上前でも1周目で解いておいてほしい問題
-直近5年でも悪問・奇問
で構成されています.

どうして「難易度」や「正答率」で1周目を決めず,上記のような選び方にしているのか,そうしたご質問に対する返答が,今回書かせていただくテーマです.
でははじめましょう.

いきなりですが,医学生はとかく忙しい.
臨床実習,レポート,マッチング対策,卒試,国試…
やることが目白押しです.
だからこそ,効率よく国試対策を進めたいもの.

では効率よい国試対策とはなんでしょうか?

これまで,「本当にコストパフォーマンスのいいCBT対策/国試対策とは何か」ということについて,色々書いてきましたが,その答えのひとつが,
「結局直近5年の過去問を先にやるのが結局一番いい」
という1周目問題のコンセプトなんです.

このように考えるようになったのにはいくつかの理由がありますが,
過去に書いたものは下記の記事を参照いただくとして↓
新・リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 その3

ここでは,それに加えてみなさんに知っておいてほしい理由を書こうと思います.

「先に現実を知ったほうが,その後の勉強で国試に出そうなポイントを意識しやすい」

よくよく考えると,これに尽きるといってもいいくらい重要な理由です.

昔に比べれば難化している国試.
例えば臨床問題では,10~20年くらい前は,所見から診断名を問われるだけ(タキソノミー2型の出題)だった疾患が,今は所見から診断名を思い浮かばせた上で,その疾患の検査や治療が問われるようなレベルになり(タキソノミー3型の出題),

昔からタキソノミー3型で出題される疾患は,一番有名な検査や治療が問われるのではなく,第二第三レベルの検査や治療,病態生理や合併症など,より深い知識や理解が臨床問題でも問われるようになってきています.

また,選択肢が10近くある問題や,正しいものを3つ選べといった,あいまいな理解では解けない出題が増えています.

昔の国試が基本的・古典的な出題内容であったのに対し,過去問が広まって学生の国試対策が進んだ現在は,出題内容も難化してきたわけですね.

そのように国試が難化しているからこそ,対策のはじめは,基礎を固めるため,あえて昔の国試の古典的な基本的な内容を問う問題から解いたほうがいい,あるいは正当率が高い問題だけ先にやった方がいいと考える方もいらっしゃると思います.

この「簡単な問題」「古い問題(古典的な問題)」から国試対策を始めるという方法は,学習の本質の一側面は付いていると思うのですが,今の国試の傾向と,今の医学生のスケジュールを考えると,総合的には必ずしも効率がよいとはいえないのではないかと僕は考えます.

実は国試を意識して勉強し始めるときに「先に国試の難易度の現実を体感していたほうが,その後の勉強で国試にでそうなポイントを意識しやすく,実は効率がいい」と思うのです.

そこで,まず「現実」,つまり近年の国試の傾向をみてみましょう.

今の国試は,

(1)臨床実習重視.教科書に載ってなく,実際に実習でみたり学んだりするような知識が出題される.

(2)「直ちに行う検査・治療」などプライマリケア重視.

(3)臨床問題では単に診断を問う問題は減少し,診断を想起させた上でその疾患の検査や治療を答えさせる問題が増えている.

(4)疾患そのものの病態だけでなく,合併症や副作用など深い病態を問うこともある.

(5)一番代表的な検査・治療だけでなく第2第3レベルの細かい知識まで問う.

(6)問題形式もX2(2つ選べ),X3(3つ選べ)が増え,Kタイプというあいまいな知識でも回答できた選択肢形式は姿を消した.

といった特徴があります.
一言でいえば,教科書的な知識は正確さ・深さが要求され,それだけでなく教科書を読んだだけでは解けないような“臨床的常識”までが問われる,ということです.

こういった「現実」をあらかじめ,近年5年分をベースにした1周目問題で体感しておくと,5年生・6年生の学習の中で,「今の国試ならこういったことも出題してきそうだな」といった感覚が身についてくると思うのです.

そうなると,普段,臨床実習をしているときや,
『イヤーノート』や『病気がみえる』,『STEP』や成書を読むときも,意識が変わってくる

国試的に出そうな情報に対し感覚が鋭敏になってくると思います.

たとえば臨床実習重視という国試の傾向を考えてみましょう.
近年は「この道具は何か?」というように,実習の場で見てなければ解きようのない問題が頻回に出題されます.

こういった現実を知らないと実習中の意識は鈍ったままですが,何問かそういう問題を先に見ておくと,実際に実習で目にする器具・機材の一つ一つが「国試に出るかも!」フラグが立ったようにみえてくるはず.

一段階二段階深い知識を問う問題や,選択肢が9個くらいある問題をみていれば,『病気がみえる』や『イヤーノート』を読むときでも,差が付くレベルの知識を覚えようとするはず.

一方,「初めは基礎固めに簡単な問題だけをやる」「正答率が高い問題だけやる」という考え方だと,臨床実習をしているときや,『イヤーノート』や『病気がみえる』,『STEP』や成書を読むときも,「ここまで問われそう!」という感覚が養われにくいと思うのです.

しかも,臨床実習はやり直しがききません.
あとから「もっと見ておけばよかった」と思っても遅い.教科書も何回も読み返せるわけではありません.

やり直しが効きにくいからこそ,まず敵を知ってから対策を練る.
これが基本と思います.

『QB』の1周目問題が近年5回を基本としている一番の理由がこれなのですね.

正当率が高い問題や難易度が高い問題のみを先にやるよりも,基本的な出題から難問まで,まんべんなく近年の国試の傾向を実感していたほうが,その後の勉強でポイントを意識しやすいのではないかと思うのです.

そのため過去5年分は正当率の低い難問でも掲載しているわけですね.

ただそれだけだとちょっと不完全.
頻出疾患は過去5年で1問は出題されますが,合否を分ける2軍レベルの疾患は,6~10数年に一度くらいの頻度で出題されます.
国試に出題されうると想定できる疾患は1問だけはみておいてほしいので,5年以内に出題されていない疾患でも,2軍レベルの疾患は,最低1問は1周目問題に入れるようにしています.
(本当に出ない疾患は入れていません)

その代わり5年以内でも合否を分けない悪問・奇問は削除しています.

1周目問題のコンセプト,理解していただけたでしょうか.

1周目問題は臨床問題・一般問題ともに設定してありますが,時間がない方は,一般問題の1周目問題は全部捨てて,臨床問題の1周目問題だけでも実習にあわせて解いておき,ミニマムエッセンスに目を通しておくといいと思います.

余談ですが,先に述べた「必修問題で実習時にみておくしかない機器の画像がでる」という件についてちょっとしたご報告.

今年『QB必修』を担当した後輩が,「国試に出る!医療器具セレクション」と称して,いろんな機器・道具の写真を集めて新付録として掲載してくれました.
https://informa.medilink-study.com/wordpress/book/qb_his1.html

これらに関しては実習で見逃していても復活のチャンスがあるという…ニッチなところまで読者視点を貫いた企画であります.

まずは見てみてくださいね.

こんな画像も載せたら!というご意見がございましたら,メディックメディアまでお寄せください.
voice@medicmedia.com

最後まで読んで下さりありがとうございました.

(編集部M)

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