コラム

研修医の1日〜有意義な研修医生活を送るためのポイント〜

みなさまこんにちは!編集部のN.M.です。

今回は研修医2年目の先輩から、1年目の1日のスケジュールを教えてもらいました。

有意義な研修医生活を送るためのポイントがわかると思うので、ぜひご覧ください!


目次

私は首都圏のややハイポ病院に勤めている研修医2年目です。

そんな私が1年目を振り返ってみました。

いろんなことを考えて必死に毎日過ごしていたのですが、これをやって正解だったなと思うこともあれば、こうすればよかったなと思うこともあります。

研修医になったばかりの皆さんにも役に立つかもなと思い、自分の経験をシェアさせていただきます。

内科のとある1日(7月)

まずは研修医1年目がどんな1日を過ごしているか、内科をローテしている時のとある1日を振り返ってみます。

7:30〜8:30 担当患者のカルテをチェック

チーム回診に備えて、担当患者のカルテをチェック。余裕があったら、実際に患者さんの顔を見に行く。前日の夕方の段階で、採血オーダーが入っている事がわかっている場合は、検査結果が出るまで30分から1時間かかるので、早めに出勤。

  

9:30〜 チーム内プレゼン

前日の看護師記録、朝の検査結果、朝の患者さんの様子などを踏まえながら、チーム内でプレゼン。毎朝、プレゼンでしどろもどろし、後期研修医の先生の助けが身にしみると同時に、自分の不甲斐なさを実感する。

  

10:15頃〜 チーム回診

上級医と患者さんとのやり取りを観察する。20人前後の担当患者がいるのにも関わらず、一人一人の状態をしっかり把握し、次の検査日なども覚えており、毎回感銘を受ける。『将来、自分もこんな医師になる!』と胸に誓う。

  

11:00〜12:30 カルテ記載

回診内容を思い出しつつ、後期研修医の先生に都度質問しながら、カルテ記載。患者の名前と疾患が結びつかないことが多々あり、その都度、自分のスマホを取り出し、Goodnotesや研修開始後にメモした内容を見返す。その作業の繰り返しをしながらSOAPを記載していく

  

12:30〜12:45 点滴漏れの対応

カルテの記載をしていると、「先生、〇〇さんの点滴がもれてしまっているので、お願いできますか?」と看護師さんからのお願いが来る。大抵、お願いされる時は、化学療法をしばらく行っている患者で、血管も細い。逆血がきても、 『外筒が進まない』ということは多々。タオルで末梢を温めるなど、調べた知識を最大限に活かして、一発で成功!

  

12:45〜13:15 お昼休み

「じゃあ今時間ちょっとあるから、お昼食べに行っちゃおうか!13:30くらいから内視鏡検査の準備もあるからちょうどいい。」と上級医から声をかけられ、病院内の食堂へ。

  

13:30〜14:00 内視鏡の準備と病棟看護師の電話対応

先輩から引き継いだメモと、きびきび動いている看護師さんたちを頼りに内視鏡検査の準備をしていく。そんな中でも、病棟看護師さんからの電話はお構いなしに鳴り響く。自分で調べてもよくわからなくて、上級医に相談。そして、上級医から教えてもらったことを、自分の頭で再度アセスメントをしながら、看護師さんに伝える。

  

14:00〜15:30 内視鏡検査

内視鏡は、解剖をしっかり理解していないと、なにもわからない。そして、見てると簡単そうだけど、やってみるととてつもなく難しい。

  

15:30〜17:00 患者さんとコミュニケーション

空いた時間には、容態が安定していない患者さんのもとへ足を運び、朝の回診時に上級医がやっていたことを真似する。軽くおしゃべりして、胸部聴診して、腹部聴診&触診して「問題ないですね!」と言いたいところ。しかし、正常の所見がわからないから、「問題があるかどうかが判断できない!」となり、『あとで正常な人もチェックしてみよう』と思うも、患者さんと世間話をしている間に、そんな気持ちを忘れる。

  

17:30〜18:30 チーム回診と明日の準備

日中にあった出来事などを説明しつつ、夕方のチーム回診。「こんなことは共有しなくていいだろう」と思うことでも共有するようにしており、それが意外と重要だったりすることも。何が重要か否かの判断を自分でしなくてよかった・・。明日の朝の採血人数を電カルでチェックして帰宅。

  

18:30〜19:00 帰宅しながら復習

その日気になった部分や、できなかった部分を調べたり、まとめたりしながら帰宅。家に帰ってから勉強する時もあるけど、ダラダラしがちなので、通勤時間が一番有効に使える。

  

19:00〜

ローテした科の先生がたから、夜ご飯に誘われることが週1回以上はある。翌朝の出勤が朝早いのにも関わらず、普通にたくさん飲む先生方に感心する。


研修医1年目Tips3選〜これをやると業務がスムーズになる〜

研修医1年目を振り返ってみて、業務がスムーズになるポイントを3つお伝えします。

①スマホにPDFと教科書をいれておく。

国試の時に愛用したQアシのテキストや、電子書籍をダウンロードしておくと圧倒的に便利です。すぐ調べられます、メモもできます、当然、メモを見返すこともできます。

「これから胸痛の患者が来る!」とか「先生、SpO2低下してる患者がいるので病棟来てください!」という時に、自分がどんな問診や診察をして、どんな検査をオーダーをする必要があるかをスマホで確認できるようにしておくのがオススメ。本を持ち歩くのもいいんですけど、該当箇所を探し出すのに時間がかかったり、暗いと読めなかったりします。

筆者が利用している実際のスマホ画面。

勉強のメモや参考書が入っている。

②上級医と仲良くなる。

上級医と仲良くなると、研修生活が充実します。教科書には載っていないリアルな知識を教えてもらえたり、普段経験できない手技を体験できたり、夜には飲みに連れて行ってもらえることもあります。ボーナスみたいなものです。

「でも、上級医と仲良くするのは無理!」と思ってませんか?そんなことはありません。少し頑張って、真面目な研修医になればいいのです。ローテーション前にしっかり引き継ぎをし、事前学習をして、日々の業務をしっかりこなすだけです。

でも、そんな上級医も「1,2か月の付き合いだから、最低限の付き合いでいいや」と思ってしまうこともあるとか。なるほど、自分の研修を良くも悪くもするのも、自分次第ってことか、と思った瞬間でした。

正直、興味のない科を回り始めるときはストレスを感じることもあります。しかし、上級医と交流する機会が増えることで、その科に興味が湧き、楽しいローテーションになります。

信頼を得た後に、上級医に夜ご飯に連れて行ってもらうと、職場では見せない一面を見れたり、美味しいお酒を楽しんだりできます。これもまた、上級医と仲良くなる大きなメリットです。

一度試してみて下さい!

③研修医という立場をフル活用する。

研修医は、守られています。わからないことを、わからないまま、雰囲気で過ごす研修生活もアリです。しかし、2年間の研修を終えてしまったら、一人で病棟をもったり、外来をもったりする機会が多くなります。私は恐怖しかありません。その恐怖を少しでも減らすためにも、今は色々試して、失敗して、勉強しています。

例えば、研修医だから堂々と聞ける事がたくさんあります。「エコーを使うのが初めてなので、使い方を教えて下さい」とか、「この薬は、◯◯菌をターゲットにして処方したという認識であってますか?」とか。たまに、「こんな事もわからないのか!」と怒られるかもしれません。しかし、堂々と聞けるのは今だけです。研修医なのでわからなくて当然です!

また、これも上級医とご飯に行った時に聞いた話ですが、

「研修医の時、志望していない科については、熱心に勉強していなかった。しかし結局専攻医でどの科に配属されても他科と連携があるから、いろんな科の知識があると相談しやすいよ

深イイ話だな、と思っちゃいました。

  

さて、僕の研修医1年目は参考になりましたでしょうか?

皆さんの研修医生活が充実したものになるように願っております。

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