[新刊]絶賛発売中!『イヤーノート2013』大改訂の内容とは?D章(代謝・内分泌)編
前回のG章(血液)に引き続き,
今回は,D章(内分泌・代謝)の改訂ポイントを紹介いたします.
まずは何と言っても糖尿病.
2010年の糖尿病診断基準改訂の際,
HbA1cが日本の規格であるJDS値から,
世界中で使用されている規格であるNGSP値に相当する値である「国際標準値」に変更されることが示されました.
なんでズバリNGSP値といわず「国際標準値」というまどろっこしい呼び方をすることになったかという話はここでは省略しますね(イヤーノート付録『イヤーノートTOPICS』をご参照ください).
さてJDSと国際標準値(現在のNGSP値),両者がどう違うのかというと
国際標準値(NGSP値)=JDS値+0.4%
です.
つまり,これまで,日本でHbA1c 6.1%と言っていたものは,
国際標準値(現在のNGSP値)では6.5%になるわけですね.
見かけは同じHbA1cでも,0.4%も違うのです.
まずは2010年7月に学術論文や国際会議では,
日本でも国際標準値を使用することになったのですが,
臨床現場や検診・健康診断ではいきなり簡単に変えられるものではありません.
検査機器が国際標準値に対応できるようにしなければならないからです.
このため,2010年の糖尿病学会では,
臨床現場での国際標準値への移行の期日は明言されず,
「十分な周知期間をとって告知される」というレベルの方針が示されただけでした.
このため,2010年の発表後から最近までに出された教科書・参考書は,
糖尿病学会の意向もあり,
基本的に,JDS値をメインに据え,
「国際標準値」をサブ的な扱いで記載するようになっていたのです.
具体的にいえば,診断基準や,糖尿病の管理目標などですね.
しかし,今年の1月末,ついに2012年4月から臨床現場でも移行することが発表され,
しかも「国際標準値」からNGSP値に名称が変更されることになりました!
このため,イヤーノートの糖尿病の章は,
この最新情報を反映し,すべての診断基準や管理目標などのHbA1cの記載を全て「NGSP値」メインに書き換えました!
JDSメインの書籍より,ずっと使いやすくなっていると思いますよ!
しかも糖尿病の章は,全面書き換えを行っています.
いまや日本人2型糖尿病の薬物療法の第一選択になる勢いのDPP-4阻害薬(近い将来間違いなく国試にも出ます)など,
インクレチン時代に合わせた記載,構成になっています.
最新情報をもれなく反映,さらにぐっとわかりやすくなったイヤーノートの「糖尿病」,
ぜひ,見てみて下さいね!
少し長くなってしまったので,D章の他の改訂ポイントは,
来週またお伝えしようと思います.
お楽しみに!
(編集部U)