[4年生向け]本当にコストパフォーマンスのいいCBT対策とは? その3

編集部Mです.
前回は臨床系の知識,特に各論が最も多く問われ続けるという話をしました.
前の記事はこちらをご覧くださいね.
その1 http://web-informa.com/cbt/20120619/
その2 http://web-informa.com/cbt/20120621/

疾患各論におけるCBTCBT以降での違い

では,CBTと国試などのCBT以降では,「各論」の問われ方の何が違うのでしょうか?

当たり前の話ですが,それは問われる疾患の数と問われる内容の深さです.

CBTは各科の「代表的な疾患」しか問われないのに対し,CBT以降は2軍,3軍レベルの疾患知識も要求されてきます.
ただし,CBT以降も「代表的な疾患」が最も重要なのは変わりません.

つまり,コストパフォーマンスのいいCBT対策をするなら,CBTで出題される疾患と出題されない疾患をいつも区別しておき,常に前者を優先的に勉強するようにすればよいのです.

一例をあげてみましょう.
Parkinson病とALS.どちらも国試では頻出の有名な疾患です.
しかしParkinson病はCBTに出題される疾患であるのに対し,ALSは出題されない疾患なのです.

つまりCBT対策を意識した場合,Parkinson病により強く意識を払う必要がある.
学内試験ではALSも出題されると思いますので,全く勉強しないのも考えものですが,時間が限られているなら優先すべきはParkinson病なのです.

そしてそういうCBT疾患は,CBTに出たから国試には出ないなどということはありません.
当然,CBT疾患は国試でも最重要となります.
だから4年生から6年生までのあいだで解く問題の数はParkinson病の方がALSより多いとイメージすればよいですね.

またParkinson病の方がALSよりも頻度が高いように,CBT疾患はその科で遭遇する確率が高い疾患がチョイスされていますから,実習や研修でも知識が生きやすい.
つまり,CBT疾患を勉強することは,国試に至るまで長期にわたって「得点」や「経験」につなげやすいのです.

もうひとつ,CBTと国試では問われる内容の深さが違うと書きましたね.

一般に,CBTは浅い知識で解ける問題が多いですが(通常の一般問題や臨床問題),高得点をとるためには多少深い勉強が必要になります(連問の臨床問題).

具体的に言うと,CBTの一般・臨床問題は,基本的な病態や症状などの「病気の特徴」が多く,検査や治療の問題が少ない(浅い).
ただし連問では基本的な検査や治療も問われていく(多少深い).

一方,国試はCBTと同じレベルの簡単な問題もわりと出ますが,それでも多くはCBTよりもレベルが高く,一部はかなりの難問が出題されます.

具体的には,「病気の特徴」だけでなく「検査や治療」が出題されることが多い.
しかも第一選択となる代表的な検査・治療だけでなく,第2・第3レベルの知識まで出題されます(深い).
そして多くはありませんが,一般の学生には高度といえるような,鑑別や病態,検査・治療上の理解が要求されます(かなり深い).

それでは,CBT対策を効率よく行うためには,CBTの多数を占める「浅い知識だけ」を勉強することは効率的といえそうでしょうか.これはちょっと違います.

理由は次の4点です.

1)そもそも浅すぎる内容だけをまとめた本があまりない.
2CBTの連問(全320問中の80問)で得点しにくくなる.
3)勉強が浅すぎると学内試験で勉強し直すことになり無駄.
45年生で始まる実習や国試対策にも結び付かない.

では,一方,成書や『イヤーノート』など情報が十分詰まっている本を読めばいいのでしょうか.
これも違うと思います.今度は情報が多すぎるのです.

一つの科に時間を使いすぎると,CBT本番までに時間切れになって臨床系の全科目を見通せません.
深すぎる勉強,細かすぎる勉強はかえって得点効率を落としてしまいます.
限りある時間で最大効果をあげにくいのです.
たまにハリソンで試験対策をしようとする方がいらっしゃいますが,こういうタイプが意外と国試に落ちてしまったりするのです.

確実に得点力を上げたいなら,

「まずCBTに出題される全範囲を早く1周し,CBTのリンカクをつかむ」
「早く2周目(復習)に入り,知識を確実に定着させる」

ことが重要です.おぼろげな記憶やあいまいな知識は,取りこぼしにつながるためです.

つまり,CBT対策だけでなく5年以降も役立つ内容で,しかし記載が細かすぎず時間を効率的につかって反復学習ができ,記憶の定着に効果的な本があればいいということになりますね.

あるんです.
CBT対策にベストバランスな本,それは『レビューブック』です.

レビューブックシリーズで,CBT疾患を素早くチェック,インプット!

さきほどParkinson病はCBTに出題されるのに対し,ALSは出題されないと書きました.
こういうことが手早く分かればいいのですが,CBT疾患かどうかを確認しながら勉強するのは思いのほか面倒です.

コア・カリキュラムを見れば分かりますが,コア・カリキュラムをいちいち確認しながら勉強するのは手間がかかりますし,出題基準にすぎないコア・カリキュラムを見ただけでは勉強になりません.効率が悪い.

レビューブックシリーズは,医師国試レベルの疾患までまとまっていますが,「CBTマーク」で,その疾患がCBT疾患かどうかが一目でわかるようになっており,それを見ながらCBT疾患だけを選んで,すぐに勉強できるようになっているのです.
しかもポケットサイズですから,『病気がみえる』よりも通学時などでも読みやすく,持ち運びしやすい.

『レビューブック』にまとまっている知識は「国試合格ライン65%」を達成できるレベル.
国試は,いきなり高得点を達成できるレベルの勉強をするより,この65%を目指すほうが,下のリンクで見ることができる学習曲線(勉強量と得点率の関係)からも分かるように,効率が良いのです.
参考:http://web-informa.com/books/20111011/

このレベルの知識のまとまり方が,CBT対策としても,最も適しているのではないでしょうか.
特にCBTの4連問は国試レベルの内容が結構問われるため,CBT連問対策にとても威力を発揮すると思います.

CBT対策として十分量でありながら,国試の最低ラインまでは到達できる.
これだとCBT対策として行った勉強が,CBT後の実習やマッチング試験,国試対策につながり役立ってくれるのです.

一番重要な例を挙げましょう.
今,多くの学生さんが,5年生の4月~5月に『クエスチョン・バンク』(『QB』)などの国試版問題集を購入しています.

次の回で詳しく書きますが,実習にあわせて国試版『QB』を解くなど,早めに国試対策を行う方が増えているのです.
6年の初めにマッチング試験も控えており,このためにも国試対策を早めにはじめた方がいい.
国試に受かるよりも人気の研修病院に内定するほうがずっと難しいわけですから.

しかし,現実は厳しい.
実習で忙しい中,まわっている科の『QB』を開くも,国試はそれなりに難しいですから,解けなくてなかなか進まず,その間に実習で回る科が変わってしまい,また別の巻に手をつけて…という方がたくさんいらっしゃいます.

それだともったいない.
中途半端な勉強って結局何も頭に残らないと思いませんか?

だから,CBT対策に集中できる間に,CBTで高得点を狙う気持ちで,CBT疾患に限っては,国試の合格最低レベルまで固めた方がいい.
そうすると国試版の『QB』がそのぶん解きやすくなるので,実習と両立しやすくなります.

しかも,4年のCBT対策で得た『レビューブック』の知識を国試版『QB』で復習することになるから記憶に定着しやすくなります.
6年になってマッチング対策を焦ってやらなくてもよくなるわけですね.

また『レビューブック』は基本的には国試対策書籍ですから,当然国試対策用としてCBT後も使っていくことができます.
電車の中で『イヤーノート』を読むのはまず無理ですが,『レビューブック』なら,国試まで持ち歩く価値はあるわけです.
今回の連載のテーマである「本当にコストパフォーマンスのいいCBT対策」にうってつけといえますね.

『レビューブック』には次の巻があります.

1)内科外科(メジャー)
2)マイナー
3)産婦人科
4)必修問題

必修問題は6年生になってからで十分ですので,(1)~(3)をおススメします.

それでは今回はここまで.
次回は本命!『クエスチョン・バンクCBT』について書きます.
最後まで読んでくださってありがとうございました.

(編集部M)

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