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Dr.さとみなによる「第5回 内科専門医試験」の総評をご紹介!

みなさま,こんにちは!メディックメディア編集部です.
今回は,Q-Assist講師のさとみな先生に,2025年5月25日(日)に行われた「第5回 内科専門医試験」の総評をしていただきました.
第5回試験の難易度や出題傾向,そして今後の試験対策についても教えていただきましたので,ぜひご覧ください!

 

どうもみなさんこんにちは.

Q-Assist内科専門医の講師を担当しております,さとみなと申します.
私自身,新内科専門医試験を乗り越えた経験を持つ者なので,これからみなさんに様々な情報をご提供できればと思っております.
今日は,第5回内科専門医試験の総評と,今後の対策についてお話しします.

1.第5回 内科専門医試験の総評

◆ 難易度・問われている内容

難易度 例年通りの印象です.
問われている内容 過去4回と概ね変わりなく,過去の出題内容をある程度理解していれば解ける問題が多いです.
内科専門医試験あるあるの「他科の疾患では?」と思うような問題が例年より少し多かった印象を受けましたが,それでも問われている疾患自体は見覚えのあるものが多く,頻出なものはちゃんと出題されています.(例:IgG4関連疾患,血管性浮腫,Brugada症候群など)
頻出疾患はすべてQAでカバーできています.

◆ 試験対策がより重要に

既に4年分のプールを終えた内科専門医試験は,頻出事項とそうでない事項とがより明確化してきており,それゆえに新規問題の難易度の高さを激しく感じました.
ただし新規問題で合否が分かれることは基本的にないため,解けなくても問題はないのですが,裏を返せば「頻出事項は取りこぼしてはならない」ということができます.そういう意味では「試験対策した群」と「試験対策しなかった群」における合格率の有意差はまた一段と増大したのではなかろうかと推察します.

例年通り,過去の問題と似たようなことを問うているものも多かったため,心の中で「あ!これQ-Assistでやったやつだ!」と,某通信教材ばりのセリフを言っていた受験生もいたことでしょう.

そういった問題をちゃんと取れたかどうかだけでも,合格の可能性は大きく違うと思います.

◆ 一捻り加えたような問題が散見

一方で新規問題は難化傾向です.今まで出題されてきた疾患でも一捻り加えたような問題が散見されましたし,特に他科の知識を必要とする問題に関しては,拒絶反応が出てしまった受験生もいるのではないでしょうか.

内科専門医試験では今まで,耳鼻科領域のリンネ試験,ウェーバー試験や,皮膚科のアトピー性皮膚炎,整形外科の骨腫瘍など「内科と絡んでいると言えばいるけど,それって結局他科の知識だよね?」と思うような知識が多く出題されてきました.

今回は特に皮膚科疾患が顕著で,脂漏性皮膚炎やダリエ徴候,アウスピッツ現象などなど,国試以降耳にしたことがないかもしれない単語が散見されました.

他科絡みの問題を対策するのは難しいですが,もはや対策するとなると「各科の病みえを覚えよ」というような話に帰着してしまってあまりにも非現実的であるため,そもそも対策する必要がないのではないかと個人的には考えています.過去に出題されたものをさらっと把握する,程度で良いと思います.

新規問題の難化は,次回以降の受験生にとっては死活問題です.内科専門医試験は医師国試よりも絶対評価的な要素が強い試験であるため,極論を言えば,皆が等しく悪い点数なら,皆が一様に不合格ともなりうる試験です.もちろんあらゆる事情からそうはならないでしょうけれども,現状の高い合格率をキープし,皆が幸せでいられるためには,難化していく問題へ対応していく必要があるということです.

2.今後の試験対策

新内科専門医試験もついに節目の5回が終了しました.

◆ 過去5回を踏まえた新内科専門医試験の傾向

毎年言っていますが,新内科専門医試験は,前年度までの「ここまで問う」のレベルを,翌年少しだけ上げる.これが毎年の傾向です.

逆に言えば,「ここまで問う」のベースがあるのです.太平洋のように,広すぎて先が見えない試験範囲も,ベースにある「ここまで問う」の範囲を学ぶところからやっていけば,琵琶湖くらいにはなります(それでも膨大なことに変わりはありませんが).

少なくとも,全体像は掴めてきます.

◆ 過去に問われた知識をベースに、覚えるべき周辺知識も学習することがカギ!

これを踏まえて,どう対策するべきか.
まず大前提として,試験で問うてくる全ての知識を身につけようとするのは絶対に不可能です

内科専門医試験で満点を取れる先生が居たらスーパーハチャメチャガチつよジェネラリストですが,おそらく実在しない人物なので目指さない方が良いです.普通に,ギリギリ合格点を目指せば良いです.となると,過去に問われた「ここまで問う」の範囲をしっかりと勉強することが重要です.ただしそれだけでは少し心許ないので,最終的には『過去に問われた知識をベースに,範囲が大きくなりすぎないレベルでその知識の周辺情報も覚える』という対策が最も現実的と思います.

「ここまで問う」の範囲設定と,覚えるべき周辺知識に関しては,おそらく独学で判断するのは難しいので,ぜひQ-Assist内科専門医,QBオンライン内科専門医,Quick CheckのQシリーズを使って,勉強して行っていただければと思います.それぞれの教材はイヤーノートへも連携しているので,手軽に周辺知識の確認をしながら学習を進めることができます.

▼Qシリーズはこちら

※クリックするとリンク先に移動できます.

<参考>第5回 内科専門医試験の情報はこちら

試験日 2025年5月25日(日)
試験時間 9:00 ~ 16:40
試験会場 横浜,神戸の2地域
出願期間 2025年1月23日(木)
~2025年4月15日(火)23:59まで
出願方法 オンライン
受験料 30,000円(税込)
※合格後,日本専門医機構から認定を受けるため,別途「同機構の認定料11,000円(税込)」がかかります.
合否発表 7月末頃,オンライン出願フォームに合否結果を掲載.

出典:一般社団法人 日本内科学会「2025年度 第5回 内科専門医 資格認定試験」https://www.naika.or.jp/nintei/exam/new_senmoni_shiken/


筆者

Dr. さとみな

さとみな先生

内科専門医でありQ-Assist講師.

軽快なトークから繰り出される

臨床エピソードや小ネタによって記憶に残る講義が人気.

https://twitter.com/muroyamuron

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