[6年生]公衆衛生特集 近年の国試でよく出ている問題とは!? その1
みなさんこんにちは,編集部のFです.
国試まであと少しですね.
毎年,国試での公衆衛生の出題をみていると,
「あー,この手の問題,最近毎年出ているよな…」
なんて思う問題も出てくるものです.
そこで今日から3回に分けて,
近年の国試で頻繁に問われている出題テーマを紹介していきます.
『QB公衆衛生』の何ページに載っているかも書きますので,
ささっと解いて確認してみてくださいね.
◆◆ 患者の権利・義務 ◆◆
まずは,必修問題として毎年必ず1問以上出題されている,
「インフォームドコンセント」.
まんべんなく問われるので,
QBに載っている問題は全て解いておいてもらいたいのですが,
特によく聞かれる内容をピックアップしてみました.
● 医療法で定められている.(医師法との引っ掛け)
● 患者の自己決定権>医師の裁量権!
● 手術等を行う場合と行わない場合それぞれの危険性を説明する.
● いつでもどのような理由でも,患者の判断で撤回できる.
また,以下の言葉が出てきたら×なので要注意!
● 説得を行う → ×(強制的であるため)
● 医事訴訟での責任回避のため → ×(医師の免責が目的ではない)
(★『QB公衆衛生』p.8~13を解いて確認してみましょう!)
◆◆ 死亡診断書・死体検案書 ◆◆
患者の死亡を確認した際の医師の取るべき行動として,
「死亡診断書の作成」「死体検案書の作成」「警察署へ届出」
の中から正解を選ばせる問題が臨床問題として頻繁に出題されています.
106回でも「警察署へ届出」を選ぶ問題が出題されました.
ポイントはこの4つ.
(1)異状死体(病死や老衰以外) → 24時間以内に警察署へ届出
(2)患者の死亡に立ち会った → 死亡診断書
(3)患者の死亡に立ち会わなかった → 死体検案書
(4)(3)の例外:受診後24時間以内に病状進行で死亡 → 死亡診断書
混同しないように覚えてくださいね.
(★『QB公衆衛生』p.49~53を解いて確認してみましょう!)
◆◆チーム医療◆◆
医療関係職種については,
知っていることを前提として選択肢に混ぜ込まれているので,
ここで今一度確認しておきましょう.
国試で特に何度も問われている職種は以下の通りです.
(カッコの中は,過去の国試で問われた仕事内容)
●理学療法士 (義足歩行訓練など運動療法の指導)
●作業療法士 (自助具指導,手工芸指導,利き手交換)
●介護福祉士 (訪問介護,介護の指導)
●ホームヘルパー (身体介護,家事援助)
●ケアマネジャー (介護サービス計画の作成)
●社会福祉士 (福祉の相談)
●医療ソーシャルワーカー(病院間の連携を直接調整)
●言語聴覚士 (発声訓練)
また,102回では「国家資格でないのはどれか」という問題が出ていますが,
国試で問われる職種で国家資格でないのは以下の4つだけなので,
覚えてしまいましょう!
●ケアマネジャー,ホームヘルパー,臨床心理士,医療ソーシャルワーカー
(★『QB公衆衛生』p.91~95を解いて確認してみましょう!)
◆◆ 障害者保健 ◆◆
障害者保健では,言葉の意味を正確に理解しているかが問われます.
中でも,国際機能分類(ICF)の「障害の概念」は最頻出ポイント!
カッコ内の具体例とともに覚えておきましょう.
● 機能障害(例:疾病により足が麻痺している)
● 活動制限(例:麻痺により歩行障害が生じている)
● 参加制約(例:歩行障害により仕事に就けない)
ICFは,103回~106回と4年連続で出題されていますが,
103~105回では,その背景となる因子として,
環境因子(配偶者の存在など),個人因子(性別・年齢など)
という言葉の理解まで求められる出題があります.
さらに106回では,ICF分類によりALS患者を評価するという,
やや難しい症例問題も出題されました.
障害者保険では,他にもノーマライゼーション(障害者と健常者が共に暮らせる社会を目指す)
の具体例がバリアフリー化の促進であるということも覚えておいてください.
(★『QB公衆衛生』p.121~124を解いて確認してみましょう!)
第2回に続きます!
(編集部 F)