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[5・6年生向け]ガイドラインからみる107回国試
第5回:必修で問われるようになった概念はこれ!

編集Aです.こんにちは.
107回国家試験と,平成25年医師国家試験出題基準(ガイドライン)について
お送りしているシリーズ.今日は5回目です.

今日は,必修問題に注目してみましょう!
ガイドラインでは,『必修の基本的事項』という章の中で,
必修問題の出題範囲が明記されています.

 

◆必修問題として登場するようになった概念に注目◆

例えば,この問題.

1.リハビリテーション

107C2
頸髄損傷による四肢麻痺患者のリハビリテーションで正しいのはどれか.
a 障害が固定した後に開始する.
b 実生活の場での援助が重要である.
c 到達目標は医療者によって決められる.
d ノーマライゼーションの理念とは相いれない.
e 自立が期待できない重度障害者は対象とならない.

正解:(正答率:99.0%)

リハビリテーション全般に関わる知識を問う問題です.
特に新傾向ではありません.
類似問題が101回国試に出ています(101B113).

ではなぜ紹介したかというと…これ,必修問題なんです.

リハビリはこれまで(少なくともこの20年間)
必修問題として問われたことはなかったのですが,
新ガイドラインで新たに『必修の基本的事項』に明記され,
107回で早速,“必修として”出題されました.

 

2.検査の合併症

これも新ガイドラインで必修化された概念です.
漠然としていますが,例えば次の問題は,
この「検査の合併症」をテーマとする問題だと考えられます.

107C3
水溶性ヨード造影剤の副作用について正しいのはどれか.
a 死亡例は報告されていない.
b 予防に飲水制限が必須である.
c アナフィラキシー様反応は投与直後には起こらない.
d 腎機能低下は造影剤腎症のリスクファクターでない.
e 気管支喘息はアナフィラキシー様反応のリスクファクターである.

正解:(正答率:99.0%)

ヨード造影剤の副作用やその予防法,その他の基本知識
これまでの国試でもしばしば問われてきた重要事項です.
しかし,副作用について過去に必修で問われたことはありません.
107回で必修問題として出題されたことは,要注目です.

検査の合併症は臨床現場では非常に重要な概念ですが,
試験対策上はなかなか勉強が難しい部分ですよね.
様々な検査の合併症,副作用が
国試の必修問題として問われるようになったことは
近年の“臨床重視”の国試の傾向を示す具体的な側面だと考えられます.

特に受験生に馴染みのない検査などは対策が非常に難しいですが,
対策としては,いつも同じことの繰り返しでしつこいですが,
やはり日頃から実習での経験を大切にする,意識しておくことが重要です.

 

3.家系図

続いて,家系図に関する問題.
80回代で度々登場していましたが,
その後は97回に簡単な問題が出されたきりでした(97I8).
そして最近になって久しぶりに105回国試で出題されました(105E10).

この家系図,新ガイドラインでは『必修』に新たに追加されています.
これを受けて早速,107回では必修問題として出題されました.

107C19
49歳の男性.病期Ⅳの大腸癌で抗癌化学療法のため入院した.以下のように家族に関する情報を得た.
「既婚です」「子どもが3人おり,上から男,男,女です」「長男は遠方で就職しており,私は妻と下の2人の子供と同居しています」「父は胃癌で72歳のときに亡くなりました」「母は脳卒中で60歳のときに亡くなりました」「4人の兄弟姉妹で上から兄,姉,私,弟です」
家系図を下に示す.

kokushi107C19(画像クリックで拡大)

家系図で適切なのはどれか.
a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤

正解:(正答率:97.6%)

正答率は97.6%でしたが,
当日会場では,必修独特の緊張感の中で
「あれ,○と□どっちが男だっけ…」「男が右だっけ左だっけ…?」
のように迷ってしまった人もいたようです.

 

◆必修独特の対策が必要◆

このように,これまでも出題されていた概念や疾患であっても
新ガイドライン導入下では必修問題として問われうるようなったものがあり,
しっかりとした対策が必要となってきます.

ガイドラインの改訂をはさんで国試を受ける皆さんの場合,
これまで必修で聞かれていなかったものが,
国試本番では必修で登場するかもしれないわけです.

必修であろうとなかろうと,知識の付け方は変わらないかもしれませんが,
必修は絶対基準で8割確保しなければ合格できませんし,
必修ならではの出題傾向や緊張感があるため,
受験生は皆“必修対策”をして国試に臨みます.

新たな「敵」を知っておくだけでも,役立つかもしれません.
下記に,新ガイドラインで新たに必修化されているものをいくつか紹介しますので,
ぜひ確認しておいてください!

<平成25年医師国試出題基準『必修の基本的事項』に追加された項目(一部)>

■概念・項目
動脈血ガス分析,遺伝子関連検査,思春期の健康問題,生活習慣と疾病,
高齢者総合機能評価(CGA),患者本人であることの確認,
話の伝え方・患者への配慮,家系図

■症候,疾患,症候群
眼球運動障害,貧血,疼痛性障害,薬物中毒

■検査
聴覚検査,健康診断の基本,検査の合併症,結果の解釈,
生化学検査(蛋白分画,免疫電気泳動),病原体抗原の迅速検査,
PET(核医学検査の中に追加),エビデンスレベル,
相対危険度(リスク比)・寄与危険度(リスク差)・オッズ比

■初期対応,治療
リハビリテーション,人工臓器,
移植(種類,適応と合併症,免疫抑制薬と拒絶反応),栄養療法,
処方箋の書き方,服薬アドヒアランス,チーム医療,採血,
死亡診断・死体検案,グリーフケア,医療専門職の役割

 

ガイドラインにはおおまかな概念しか書かれていませんので,
日々の授業や実習,過去問対策の中で,
どんな出題が考えられるか,想像をふくらませておきたいですね
(余裕があるうちに…).

例えば上記のうちの「チーム医療」,
107回ではこんな聞かれ方をしています.参考にしてください.

107F24
F24 72歳の男性.病期Ⅳの胃癌で緩和ケアのため入院中である.在宅ホスピスへの移行に際し,患者本人と家族との間で療養環境について意見の対立が起こったため担当医師が患者本人と家族の意見をそれぞれ十分に聞いた.
次に行う対応として最も適切なのはどれか.
a 弁護士に相談する.
b 看護部長に相談する.
c 福祉事務所に相談する.
d 多職種からなるチームで話し合う.
e 担当医師が単独で方針を決定する.

正解:(正答率:97.6%)

 

◆◆◆

現在店頭に並んでいる
『レビューブック必修・禁忌(第2版)』『クエスチョンバンクExtra必修2013』
新ガイドラインに対応していますので,安心して活用してくださいね.
https://informa.medilink-study.com/wordpress/book/rb_his.html
https://informa.medilink-study.com/wordpress/book/qb_his1.html

 

次回は最終回.
実は,ガイドラインをもっと細かく見てみると,
おもしろいことがわかります.
ちょっとマニアックなんですが(笑),
受験生にとって有用な情報だと思いますので
ご期待ください!

(編集部A)

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