〔分析〕データでみる108回国試(その4)出題分野の割合は?

こんにちは,編集部A.Mです.
今回で「データでみる国試」シリーズも4回目となりました.
あと少しだけ,お付き合い下さいね.

さて,今回は「出題分野の割合」をテーマに,国試を分析していこうと思います.

■出題数最多は公衆衛生!
まずは107回と108回で出題分野の割合で大きな変化があったのか,
みていきましょう.

問題数1問題数2

例年変わらず,最も多いのは公衆衛生です.
500問のうち,1割以上を占める公衆衛生の勉強を疎かにできません

が,そうはいっても,法律や統計はやる気が起きない・・・という学生さんは多いと思います.
なるべくメジャー科目などに勉強時間を割いて,公衆衛生は直前にサクッと終わらせるのが理想です.

公衆衛生の対策で一番大事なのは,なんといっても過去問を解くこと!
そして過去問を解いてわからなかったことはQB公衆衛生の解説やサブノートなどで確認すること!
さらに,過去問の周辺知識をサブノートなどで補充すれば,自信をもって国試本番を迎えられます.

今年の公衆衛生ではどんな問題が出たのか,確認してみましょう.

【108E39】
保健所の役割はどれか.3つ選べ
a 環境衛生に関する業務
b 食品衛生に関する業務
c 人口動態統計に関する業務
d 社会福祉士に関する認定業務
e 母子健康手帳に関する交付業務

こちら答えはa,b,cで,正答率は85.6%でした.

保健所の役割については,107回でも問われました.

【107G30】
保健所の業務でないのはどれか.
a 難病に関する相談
b 障害時の保健相談
c 医療保険に関する審査事務
d 人口動態統計に関する事務
e 建築物や住宅の衛生に関する事務

答えはcで,解答率は80.2%でした.
保健所の業務や役割については度々問われます.
このように,公衆衛生では過去問の類似問題,あるいはその周辺知識を問われることが多いので,
過去問を解かない手はありませんね!

公衆衛生の他にも今年増えたのが,小児科!
少子高齢化の影響は受けず,昨年から9問増えました.
こちらも手の抜けない分野ですね!

では108回国試をみてみましょう.

【108B17】
生後1週以内の新生児においてPIVKA-Ⅱを測定すべき症候はどれか.
a 下 痢
b 黄 疸
c 吐 血
d 多呼吸
e チアノーゼ

正解はcの吐血で,正答率は51.3%でした.
ビタミンK欠乏による新生児メレナが想定できるか,という問題ですね.
意外と難しかったようです.

小児科対策でオススメしたいのが,6月発売予定の『レビューブック小児科』です!
こちらの内容については,発売時期が迫りましたらメルマガなどで告知していきますのでお楽しみに!

■今年は神経が難しかった!
では次に,分野別の得点率をみてみましょう.
10%以上下がったものについては,色を付けました.

得点率1得点率2

特に下がったのは神経ですね.
他の分野でも全体的に下がっています.
今年の国試は前年に比べ難化したといえそうです.

では,難易度が上がった神経の分野の問題をみてみましょう.

【108D6】
高齢者の複雑部分発作の治療薬として最も適切なのはどれか.
a バルプロ酸
b ジアゼパム
c クロナゼパム
d カルバマゼピン
e フェノバルビタール

答えはdのカルバマゼピンで,正答率は76.0%でした.
カルバマゼピンが複雑部分発作の第一選択薬とわかっていても,
問題文に「高齢者の」とつくと選ぶのに少し戸惑うのかもしれません.

今回は「出題分野の割合」から国試を分析しました.
いかがだったでしょうか.
出題数や難易度を把握しておくと,勉強の優先順位を決める際に便利だとも思います.
国試の勉強,なにからすべきかわからない!という方は,
是非参考にしてみてください.

次回は「正答率からみる難問・割れ問」についてお届予定です.
お楽しみに!

(編集部A.M)

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