[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その3)実習で経験したことは出題される!Part.2
こんにちは,編集部のA.Mです.
3回目となる「国試からみる,臨床実習のポイント!」,
前回に続いて今回も「実習で経験することを問われた問題」を
テーマに108回の国試問題をご紹介いたします.
■研修医に求められる知識■
それでは早速,今回も問題をみていきましょう.
【108H9】
点滴器具の模式図と部品の写真とを次に示す.
部品の正しい位置を示すのはどれか.
① ② ③
a ア イ ウ
b ア ウ イ
c イ ア ウ
d ウ ア イ
e ウ イ ア
今までの国試では,「輸液」が正解選択肢となる問題がたくさん出題されてきました.
近年では,輸液の組成まで聞かれたりもしますね.
さて,研修医になれば,輸液を実際に行います.
輸液を行うための準備はできますか?
そんなことを問われた問題でしたが,正解は「d ウ ア イ」でした.
108回国試を受けた受験生のみなさんにお話を伺ったところ,
「実習で見ていたから簡単だった!」
「そんな細かいところまで見たことなかったからわからなかった!」
「実習中は見ていたはずなのに忘れてた・・・」
などなど,色々な意見がありましたが,
実習をきちんと受けていた人にとっては簡単な問題だったようです.
さらに【108H20】では,
「救急外来での血管確保のために準備しておくべき留置針の太さ(G)」が問われました.
学生の間は,自ら針のゲージや種類を選ぶ機会はなかなかないのではないでしょうか.
しかし,研修医になれば用途や患者さんにあわせて必要なものを揃えなければなりません.
こちらの問題も実習中に意識的に見ていた人にとっては簡単な問題だったようです.
それでは次の問題にいってみましょう.
【108E19】
内視鏡治療と使用する機器の組合せで正しいのはどれか.
a 食道狭窄の拡張術・・・・・・・バルーン
b 食道静脈瘤の止血術・・・・・・高周波ナイフ
c 胃内異物の除去術・・・・・・・クリップ
d 消化性潰瘍の止血術・・・・・・スネア
e 早期胃癌の粘膜下層剥離術・・・バスケット鉗子
消化器外科などを回っている際に手術を見学していれば,全て見ることができる機器ですね.
正解は「a 食道狭窄の拡張術・・・バルーン」でした.
専門医が使うような細かい機器について問われることは少なくても,
今回ご紹介したような一般的な機器についてはよく出題されます.
実習をきちんと受けていた人であれば,
見たことがあったり,使用経験があったりするので解答可能な問題が多いんです.
ポイントは「研修医でも使うかどうか」ではないでしょうか.
研修医の先生も使っている機器ならば,自分が国試合格後に扱うことになりますよね.
当然国試で問われる可能性も高くなります.
そんなことを頭の片隅に入れて,実習を回っていただけたらな~と思います.
それでは,本日最後に計算問題を解いてみましょう.
【108E69】
胸部X線写真を次に示す.
与えられた数値から心胸郭比を求めよ.
A:245mm,B:200mm,C:40mm,D:87mm,E:157mm,F:145mm
ただし,小数点以下の数値が得られた場合には,小数点以下第1位を四捨五入すること.
解答:①②%
① ②
0 0
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
6 6
7 7
8 8
9 9
正解は「42%」.
呼吸器内科などで習ったとは思いますが,実習でも必ず一度は計算します.
計算問題の出題数は決して多くはありませんが(例年3問程度),
重要な式もそれほど多くないし,研修医になってから使う機会が多いので,
覚えていて損はないと思います.
今回のお話は以上です.
次回はまた別の視点から国試と臨床実習についてお話したいと思います.
(編集部A.M)