[6年生向け]○○から予想する109回国試第4回:108回から予想,次も狙われる!?【リンパ球性下垂体炎】
6年生のみなさま,こんにちは.
編集部のT.Kです.
夏休み企画『○○から予想する109回国試』の第4回をお送りしたいと思います.
前回までの記事はこちら
第1回:http://web-informa.com/benkyo/20140804/
第2回:http://web-informa.com/benkyo/20140819/
第3回:http://web-informa.com/benkyo/20140822-3/
今回のテーマは『リンパ球性下垂体炎』!!
リンパ球性下垂体炎は過去の国試で2題しか出題されておらず,
103回の一般問題で初登場し(103I35),
108回では初めて臨床問題で出題されました(108A34).
(QBオンラインにログインしていれば以下のURLから問題にアクセスできます)
103I35→http://qb-online.com/#/list/103I35
108A34→http://qb-online.com/#/list/108A34
108回では診断を問う問題で,比較的典型例が出題されましたが,
正答率は47.7%と,半数以上の医学生が正解できませんでした.
やはり見慣れない疾患は,知識があったとしても,
いざ出題されると選択しにくいのでしょうか.
国試では新しく出題された疾患や正答率の低かった問題が,
形を変えて出題される傾向にあるので,
109回でもリンパ球性下垂体炎が出題されてもおかしくないでしょう.
ということで,本メルマガでは109回に備えて,
リンパ球性下垂体炎についてポイントを絞ってみていきましょう.
(詳しくは成書参照)
★リンパ球性下垂体炎の3つの型★
リンパ球性下垂体炎は下垂体の自己免疫性炎症疾患で,3つの型(前葉炎,後葉炎,汎下垂体炎)に分けられます.
リンパ球性下垂体炎の病型
1.リンパ球性下垂体前葉炎→文字通り前葉に炎症
2.リンパ球性漏斗下垂体後葉炎→後葉(+下垂体茎)に炎症
3.汎下垂体炎(前葉+後葉)
※その他,IgG4関連全身性疾患に伴う漏斗下垂体病変も報告されています.
108回では選択肢に“リンパ球性下垂体炎”とだけありましたが,
実際にはリンパ球性下垂体前葉炎の症例が出題されていました.
前葉炎のポイントをみておきましょう.
★リンパ球性下垂体前葉炎のポイント★
1.妊娠,出産時に発症することが多い→Sheehan症候群と紛らわしい
2.下垂体前葉機能低下+下垂体腺腫類似症状(頭痛,視野障害)
3.1/3の症例でプロラクチンが上昇!⇒通常,下垂体前葉そのものが障害されるとプロラクチンは下がるはず(視床下部病変だとプロラクチンは上がるが)
4.自己免疫疾患の合併が多い(慢性甲状腺炎など)⇒自己抗体をチェック!!
次に後葉炎のポイントもみておきましょう(109回は後葉炎か!?).
★リンパ球性漏斗下垂体後葉炎のポイント★
1.妊娠とは無関係(対比!:前葉炎は妊娠末期から産褥期の発症が多い)
2.中枢性尿崩症の原因となる→従来の「特発性尿崩症」の多くが後葉炎によるものだったと考えられており,尿崩症の臨床問題が提示されて,考えられる原因はどれか?⇒リンパ球性下垂体炎と答えさせる問題が出題されるかも!?
3.下垂体前葉機能は保たれていることが多い.
また,どの型にしろ造影MRIで病変部位に造影増強効果を認めるということ,
ステロイドが治療として用いられることがある,ということもポイント!
ではでは第4回「○○から予想する109回国試」は以上です.
少しでもみなさまのお役に立てればと思います.
次回以降もお楽しみに!
(編集部T.K)