[4年生向け]本当にコストパフォーマンスのいいCBT対策とは?その3

編集部のFです.
5回連載でお送りする「本当にコストパフォーマンスのいいCBT対策」
今回は第3回です.過去の記事はこちら↓
その1 https://informa.medilink-study.com/wordpress/web-informa/post8895.html
その2 https://informa.medilink-study.com/wordpress/web-informa/post8899.html

疾患各論におけるCBTとCBT以降での違い

前回は臨床系の知識,特に各論が最も多く問われ続けるという話をしました.
では,CBTと国試などのCBT以降では,各論の問われ方の何が違うのでしょうか?
当たり前の話ですが,それは問われる疾患の数と問われる内容の深さです.

CBTは各科の「代表的な疾患」しか問われないのに対し,
CBT以降は2軍・3軍レベルの疾患知識も要求されてきます.
ただし,CBT以降も「代表的な疾患」が最も重要なのは変わりません.

つまり,コストパフォーマンスのいいCBT対策をするなら,
CBTで出題される疾患と出題されない疾患を区別しておき,
常に前者を優先的に勉強するようにすればよいのです.

一例を挙げてみましょう.
Parkinson病とALS.どちらも国試では頻出の有名な疾患です.
しかし,Parkinson病がCBTに出題される疾患であるのに対し,
ALSは出題されない疾患なのです.

つまり,CBT対策を意識した場合,
Parkinson病により強く意識を払う必要があるということです.
学内試験ではALSも出題されると思いますので,勉強しないのは考えものですが,
時間が限られているなら,優先すべきはParkinson病なのです.

そして,こういったCBT疾患は,
CBTに出たから国試には出ない.などということはありません.
当然,CBT疾患は国試でも重要となります.
だから,4年生から6年生までの間に解く問題の数は,
Parkinson病の方がALSより多い,とイメージすればよいですね.

また,Parkinson病の方がALSよりも頻度が高いように,
CBT疾患はその科で遭遇する確率が高い疾患がチョイスされていますから,
実習や研修でも知識が生きやすい.
つまり,CBT疾患を勉強することは,国試に至るまで長期にわたって
「得点」や「経験」につなげやすいのです.

もう一つ.CBTと国試では,問われる内容の深さが違うと書きましたね.
一般に,CBTは浅い知識で解ける問題が多いです.

具体的に言うと,CBTの一般・臨床問題は,
基本的な病態や症状などの「病気の特徴」が多く,検査や治療の問題が少ない(浅い).
ただし,連問では基本的な検査や治療も問われていく(多少深い).

一方,国試は出題の多くがCBTよりもレベルが高く,
一部はかなりの難問が出題されます.

具体的には,「病気の特徴」だけでなく「検査や治療」が出題されることが多い.
しかも第一選択となる代表的な検査・治療だけでなく,
第2・第3レベルの知識まで出題されます.

それでは,CBT対策を効率よく行うためには,
CBTの多数を占める「浅い知識だけ」を勉強することが効率的と言えそうでしょうか.
これはちょっと違います.

理由は次の5点です.

(1)そもそも浅すぎる内容だけをまとめた本があまりない.
(2)CBTの連問(全320問中の80問)で得点しにくくなる.
(3)勉強が浅すぎると学内試験で勉強し直すことになり無駄.
(4)勉強が浅すぎると各科目の全体像がつかめず国試対策のスタートが切りにくくなる.
(5)5年生で始まる実習や国試対策にも結び付かない.

では,成書や『イヤーノート』など,
情報が十分詰まっている本を読めばいいのでしょうか.
これも違うと思います.それでは情報が多すぎるのです.

一つの科に時間を使いすぎると,
CBT本番までに時間切れとなり,臨床系の全科目を見通せません.
深すぎる勉強,細かすぎる勉強はかえって得点効率を落としてしまいます.
限りある時間で最大効果を上げにくいのです.
たまにハリソンで試験対策をしようとする方がいますが,
こういうタイプの人が,意外と国試に落ちてしまったりするのです.

確実に得点力を上げたいなら,

「まずCBTに出題される全範囲を素早く1周し,CBTのリンカクをつかむ」
「早く2周目(復習)に入り,知識を確実に定着させる」

ことが重要です.
おぼろげな記憶やあいまいな知識は,取りこぼしにつながるためです.

つまり,CBT対策だけでなく5年生以降も役立つ情報量でありながら,
記載が細かすぎず,時間を効率的に使って反復学習ができ,
記憶の定着に効果的な本があればいいということになりますね.

あるんです.
CBT対策にベストバランスな本,それは『レビューブック』です.

◆『レビューブック』シリーズで,CBT疾患を素早くチェック,インプット!

先ほど,Parkinson病はCBTに出題されるのに対し,
ALSは出題されないと書きました.
こういうことが手早くわかればいいのですが,
CBT疾患かどうかを確認しながら勉強するのは面倒です.

コア・カリキュラムをいちいち確認しながら勉強するのは手間がかかりますし,
出題基準に過ぎないコア・カリキュラムを見ただけでは,勉強にならず,効率が悪い.

『レビューブック』シリーズは国試レベルの疾患がまとまっていますが,
「CBTマーク」で,各疾患がCBT疾患であるか否かが一目でわかるようになっています.
CBT疾患だけを選び,勉強できるようになっているのです.
しかもポケットサイズですから,『病気がみえる』などと比べて持ち運びしやすく,
通学時などの空き時間を有効に活用できます.

『レビューブック』にまとまっている知識は,
国試合格ラインである「65~70%」を達成できるレベル.
国試対策は,いきなり高得点を目指し深いレベルで勉強するより,
まず65%レベルの勉強を終わらせ,残りの時間で深い勉強をした方が効率が良いのです.
下の記事で見られる学習曲線(勉強量と得点率の関係)の説明をご覧ください.
http://web-informa.com/books/20111011/

このレベルの知識のまとまり方が,
CBT対策に最も適しているのではないでしょうか.
特に,CBTの4連問は国試レベルの知識が結構問われるため,
CBT連問対策にとても威力を発揮すると思います.

CBT対策として十分量でありながら,国試の最低ラインまでも到達できる.
これだと,CBT対策として行った勉強が,
CBT後の実習やマッチング試験・国試対策につながり役立ってくれるのです.

一番重要な例を挙げましょう.
多くの医学生が5年生の4月~5月に
『クエスチョン・バンク』(以下,『QB』)などの国試過去問集を購入しています.

次の回で詳しく書きますが,実習にあわせて国試版『QB』を解くなどして,
早めに国試対策を行う医学生が増えているのです.
6年生ではマッチング試験も控えており,
希望の研修病院で研修するためにも国試対策を早めに始めた方がいい.
国試に受かるよりも,人気の研修病院に内定するほうがずっと難しいわけですから.

しかし,現実は厳しい.
実習で忙しい中,回っている科の『QB』を開いても,
国試はそれなりに難しいですから,解けなくてなかなか進まず,
その間に実習で回る科が変わってしまい,
また別の巻に手をつけて…という方がたくさんいらっしゃいます.

それだともったいない.
中途半端な勉強って結局何も頭に残らないと思いませんか?
だから,CBT対策に集中できる間に,CBTで高得点を狙う気持ちで,
CBT疾患に限っては,国試の合格最低レベルまで固めた方がいい.
そうすれば国試版『QB』が解きやすくなるので,実習と両立しやすくなります.

しかも,4年生のCBT対策で得た『レビューブック』の知識を,
国試版『QB』で復習することになるので,記憶に定着しやすくなります.
6年生になってから焦ってマッチング試験対策をやらなくてもよくなるわけですね.

また,『レビューブック』は基本的には国試対策書籍ですから,
当然,国試対策用としてCBT後も使っていくことができます.
電車の中で『イヤーノート』を読むのはまず無理ですが,
『レビューブック』なら,国試まで持ち歩けます.
この連載のテーマである「本当にコストパフォーマンスのいいCBT対策」
うってつけといえますね.

『レビューブック』には以下のシリーズがあります.

(1)内科・外科
(2)マイナー
(3)産婦人科
(4)小児科
(5)必修・禁忌

国試の必修問題対策は6年生になってからで十分ですので,
CBT対策としては(1)~(4)をお使いください.

*****

それでは今回はここまで.
次回は本命!『クエスチョン・バンク CBT』についてお話します.

(編集部F)

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