[6年生向け]○○から予想する110回国試 第3回:IgG4関連疾患にはステロイドが有効!
皆さん,こんにちは.
編集部のT.Kです.
今月より連載を開始した
『○○から予想する110回国試』シリーズの第3回目をお送りいたします.
以前の記事はこちら!
第1回:今注目の感染症
https://informa.medilink-study.com/wordpress/web-informa/post9020.html
第2回:ポリクリから予想する,内視鏡検査の留意点
https://informa.medilink-study.com/wordpress/web-informa/post9026.html
第3回目の本日は近年注目されている「IgG4関連疾患」について.
IgG4関連疾患は2013年より国試出題基準に新たに加わった項目で,リンパ球やIgG4陽性形質細胞の浸潤を特徴とする慢性炎症性疾患のこと.
病変部位は膵臓や胆管,涙腺,中枢神経系など様々で,国試出題基準に加わる前から自己免疫性膵炎として出題されたことがありました.
2015年2月に行われた109回国試では,初めて“唾液腺炎”がメインテーマとしてIgG4関連疾患が出題されております(http://qb-online.com/#/list/109D48←QBオンラインにログインしていればそのまま問題に飛べます).
IgG4関連疾患は,主に日本が情報を発信してきた新しい疾患概念で,現在,国際的にも注目されつつあることから,110回以降の国試でも出題が続くと思われます.
特に重要なポイントとしては
IgG4関連疾患にはステロイドが奏功するということ.またステロイドが効かない疾患との鑑別も非常に重要となります.
具体例を挙げておくと,
IgG4関連疾患による硬化性胆管炎は原発性硬化性胆管炎(PSC)との鑑別が重要となり,IgG4関連疾患にはステロイドが有効である一方,PSCにはステロイドが無効なんです.つまり,診断が正確でないと患者にとって不利益となる可能性があるわけなんです.
ですからIgG4関連疾患の検査所見(高γグロブリン血症,高IgG4血症など)を見逃さないように!
ではでは今回はここまで.
これからも連載は続きますので,
時間があるときにでも是非一読してみてください!
今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m
(編集部T.K)