[Dr.Pの研修医日記]第15回:軽傷でも気を抜かずに

Pです.今日は,パッと見軽傷でも絶対に気を抜いちゃいけないなと痛感した例を紹介します.

その日は私の友達が当直をしていました.
真夜中のウォークイン,「舌を噛んで,出血が止まらない」という患者さんがいらっしゃいました.
傷を見てみると,傷は分からないくらい小さくて,すでに血は止まっていました.

これだけ聞くとすごく軽傷っぽくないですか?
心配になって病院来ちゃったんだな,でももう大丈夫!って,帰そうとしたのですが…

軽微な外傷で,(病院に来た時は止血されているものの)患者の主訴は「血が止まらない」.
軽微だからこそ,怖いんです.
軽微な外傷でも止まらないくらい血が出るような何かが起こっているのではないか…?!

よくよく話を聞いてみると,
実は他院の外来で3週間前からワルファリン内服が開始されていて,
なぜか定期的な採血をしておらず,PT-INRが5くらい…!!!

ケイツー投与して,翌日循環器外来へ送りました.

ワルファリンの効きはとても個人差が大きいです.
たとえ少量だったとしても,ワルファリンの内服歴があれば,採血すべきだと思います.

実はワルファリン内服歴が聞き出せるかがポイントでもあるんです.
以前,救急患者全員に問診すべきこととして「AMPLE history」というのを紹介しましたが,
http://web-informa.com/matching/20150320-2/
http://web-informa.com/matching/20150326-4/

まさにこの「Medicine」です.
しかし内服薬を聞いても思い出せない人も結構いるので,
「血をさらさらにするようなお薬は飲んでいませんか?」と
“closed question” でも確認する必要があります.

主訴である「血が止まらない」を軽く扱わず,内服薬もきちんと聞き出す,
という,問診の大切さを改めて思い知らされた一例でした.

(研修医P)

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