診察ができる vol.2 鑑別診断
新研修医の皆さま,日々の診療は慣れてきましたか?
これまで,膨大な医学知識を積み上げてきた医学生時代.しかし,いざ臨床の最前線に立つと,その知識をどう臨床に繋げていくか,試行錯誤の毎日をお過ごしではないでしょうか.
今回は,当直帯をいかに安全かつ円滑に乗り切るか,救急車対応とWalk-in対応それぞれの「一日の流れ」を整理しました.知識をどう実践に繋げるか.現場での迷いを少しでも減らして,自信を持って当直に臨めるよう,ぜひお役立てください.

目次
17:00〜
まず名乗って挨拶.日勤帯からの引継ぎとともに,当直開始.
荷物は無くさない,かつ,邪魔にならない救急外来の隅に置いておく.待機.
17:30~
救外の電話が鳴る.
上級医が電話口で得た情報を,共有してもらい,指示を受ける.
「80歳女性 腹痛・血便 バイタル… → 救急車の到着まで10分,検査オーダー入れておいて!」etc.
ex.)
17:40~
救急車到着
患者を搬入しつつ,ABCDEを確認.→不安定なら,まずはABCの対応を行う.
救急隊員は医師に状況報告をし,報告書にサインをもらわないと帰れない.救急隊も次の仕事があるので,(カルテを書きながらでも)話を聞いて早く帰すことを意識する.(サインは上級医がする場合もある.)
17:42~
診療を進める.
診察,検査,結果のアセスメント,上級医への報告,コンサルト等を淡々と進める.
最初は指示された検査をオーダーしたり,採血したりで精一杯かもしれないが,出来ることを見つけてひとつひとつ誠実に頑張る.慣れてくると,手が動くようになり,搬送前の仮説の精度が上がったりポイントが見えてくるようになる.
19:00~
いつ入電するか分からないので,食べられる隙を見つけて夕食を食べる.
26:00~
救急車がまばらになってくる.でも不意に重症が来るので,来ない隙に寝る.
初めは休みどころをつかめずに深く眠りすぎてしまうことも.上級医からの電話を寝過ごしてしまうことのないよう,着信音量を確認して,電話が鳴ったら必ず起きられるようにしておく.
(とはいえ,当直室の壁が薄いと救外のけたたましい電話音で嫌でも起こされることもある.)
朝まで電話が鳴らないこともあるため,翌朝の回診を寝過ごさないよう,朝のアラームを設定しておくと安心.
翌5:00~
このあたりで入電することもしばしば.中途半端に起きなくてはならないので一番眠い時間帯である.コンサルトが上手くいかず,つらくなることも.あと少し,ファイト〜!
翌8:00~
日勤帯への申し送りの準備にカルテを確認.
申し送りをして解散.
各診療科でそれとなしに当直明けであることを伝え,昼頃に帰宅する(上司に当直明けであることを伝えておくことで,時間内に仕事を終えられるよう配慮してもらえる可能性が高まる).
17:00~
担当看護師,上級医などに挨拶し,当直が始まる.
自分の荷物はできれば患者から見えないところに置く配慮を行う.特に軽食や飲み物に注意する.
17:30~
患者到着
事前に主訴やバイタルなど書かれた問診表ファイルを渡されるため,内容を確認する.
患者が複数いる場合は,ファイルが手元に来た時点で必ず内容を一読する.バイタルが崩れていたり,主訴胸痛など緊急性の高さが疑われる場合は,優先してその患者に取り掛かる.
得た情報をカルテに入力.「Quick Reference」などを参考に,必要な問診や検査,処置を想定する.このとき,カルテ(下書き)に情報をメモしておくのも良い.
17:35~
診療開始
患者を呼び入れて診察
もし,問診や診察を通じて次の一手に困ったら「待合でお待ちください」といって一度退室させるのが良いこともある.必要であれば「Quick Reference」などでもう一度調べながら,検査や処置の準備をする.
17:40~
検査・処置,上級医にコンサルトなど適宜行う.
18:20~
患者への結果説明などを行う.
帰宅させる場合,問診表ファイルを患者に渡して退出させるなど,動きを確認しておくとスムーズ.
病名登録など,空き時間に事務作業を済ませておく.
24:30~
深夜帯はwalk-inwの患者が顕著に減ってくる.
患者が来ない間に仮眠をとる.患者が来たら看護師や受付から電話をもらえる仕組みになっていることが多い.
翌8:00
解散.各診療科に合流する.当直明けであることを伝え,昼頃に帰宅する.
いかがだったでしょうか?
当直帯は日中と異なりマンパワーが限られますが,専門や学年を問わず,夜の病院を守るメンバーは全員が「一つのチーム」です.自分が救急対応で手一杯のときに同期がWalk-inを診てくれる心強さを知り,逆に仲間が困っていれば「何か手伝おうか?」と手を差し伸べる.そんな助け合いの精神が,現場の安全を支えます.
一人で抱え込まず,看護師さんやスタッフと情報を共有し,時には共に悩みながら朝を迎える.このプロセスで磨かれる「頼り,頼られる力」は,医師として一生の財産になるはずです.
仲間と,研修医という貴重な時間を分かち合い,一歩ずつプロフェッショナルへの階段を登っていきましょう.あなたの当直が,実りあるものになるよう心から応援しています!

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