[新刊]本日発売!『薬がみえるvol.3』(第1版)
こんにちは,編集部のM.Kです.
いよいよ本日11月30日,新刊『薬がみえるvol.3』(第1版)が発売となりました!
『薬がみえる』シリーズは,『病気がみえる』シリーズの姉妹本で,
チーム医療を担う方々へ向けた“薬”のビジュアルテキストです.
薬理学を学ぶ時期や,臨床に入って各論を学ぶ時期に,
医学生の皆さまの学習をサポートします.
前回の記事では,『薬がみえるvol.3』に掲載されている内容を簡単にご紹介いたしました.
https://informa.medilink-study.com/wordpress/web-informa/post10148.html
・消化器系の疾患と薬
・呼吸器系の疾患と薬
・感染症と薬
・悪性腫瘍と薬
の全4章からなる本書ですが,
今回は,この中でも特に力を入れた「感染症と薬」と「悪性腫瘍と薬」を中心に
お話ししたいと思います.
以下のWEB立ち読みのP2~7で「感染症と薬」の一部を,
P8~11で「悪性腫瘍と薬」の一部を見ることができます.
http://www.byomie.com/digitalBook/kusurimie3/
※PCからがおススメです.
●感染症と薬
感染症と薬の章では,細菌の構造や分類ごとの特徴といった,
基礎的なところから丁寧に解説しています.
これにより,初めて抗菌薬について学ぶ方でも,
なぜ抗菌薬はヒトの細胞には作用せず,細菌にのみ作用するのか,
抗菌薬によって効果がある細菌の種類が異なるのか
といったことがすんなり理解できるようになっています.
抗菌薬の各論では,各薬物の作用機序はもちろんのこと,
副作用,構造式,有効な細菌と実際に使用する場面などを丁寧に解説しています.
また,薬物の分類ごとに有効な細菌をまとめた表を掲載しているので,
知識を整理しながら学習することができます.
こちらはペニシリン系薬の解説の最後に掲載されている表です.
このような表が,抗菌薬の分類ごとに掲載されています.
一通り抗菌薬について学習した後,復習するのに便利です!
この他,細菌の薬物感受性や抗菌薬のPK/PD理論,
MRSAをはじめとした薬剤耐性菌など,
知っておきたい内容が盛り沢山です!
●悪性腫瘍と薬
また,悪性腫瘍と薬の章では,作用機序,副作用,投与時の注意点だけでなく,
薬の作用に関わる生理(細胞周期,核酸の構成成分など)や
がんの病態などについてもじっくり解説しています.
こちらはHER2阻害薬の解説ページです.
HER2がどのような分子なのか,悪性腫瘍とどのように関わるのかを理解してから,
HER2阻害薬の作用機序を学べるよう構成されています.
とにかく種類が多く,作用も様々で理解しにくい抗がん薬ですが,
抗菌薬の章と同じく,基礎から学ぶことで,
各薬物の機序や違いをすんなり理解できるよう構成されています.
基本となる化学療法薬はもちろん,分子標的薬から,
最近話題の免疫チェックポイント阻害薬までしっかりカバーしています.
『病気がみえる』シリーズにも,各臓器に生じる悪性腫瘍の解説はありますが,
そもそも悪性腫瘍とはどういう疾患なのか,
なぜがん細胞は無秩序に増殖するのか,
どのようにがん細胞が全身に広がっていくのか,
外科療法,放射線療法,薬物療法にはそれぞれどのような特徴があるのか,
といった,各分野にまたがる内容はあまり記載されていません.
本書は薬の本ではありますが,そのような悪性腫瘍の総論から丁寧に解説していますので,
悪性腫瘍という疾患について一から知りたい方にもおすすめです.
本書に掲載されている内容は,
今回ご紹介しなかった「消化器系の疾患と薬」,「呼吸器系の疾患と薬」も含めて,
どれも重要な事項ばかりでしたので,
全628ページと,みえるシリーズ最大ボリュームでお届けすることとなりました.
重くて少し持ち運びにくくなってしまいましたが,
その分,薬について初めて学ぶ方にも,復習に使いたい方にも
役に立つ内容になっていると思います.
できる限り新しい薬も掲載していますよ!
例えば,2016年11月発売の新薬である,
潰瘍性大腸炎治療薬の「メサラジン(リアルダ®)」,
C型肝炎治療薬の「グラゾプレビル(グラジナ®)」,「エルバスビル(エレルサ®)」
なども解説しています.
ぜひ,お手にとってみてくださいね.
(編集部M.K)