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[6年生向け]
注目したい感染症(その1)

みなさん,こんにちは.
編集部のA.Mです.

 

医師国家試験まであと54日となりました.
受験生の皆さん,勉強は順調でしょうか.
まだまだ挽回可能な時期ですので,くじけずにがんばっていきましょう.

 

さて,今回は,『注目したい感染症』と題しまして,
ここ1〜2年の間にはやった,あるいは話題となった感染症について,
メルマガをお届けしたいと思います(全3回の予定です).

 

実は感染症の分野って,流行が国試に反映されやすいのです.
ということで,メルマガで流した内容が,111回の国試で出題されるかも?!

 

1回目の今回は,この時期何かと話題にあがる,
次のウイルスによる感染症についてお届けします.
●ノロウイルス
●インフルエンザウイルス
●RSウイルス

 

◆◆◆食中毒に関わるウイルス◆◆◆

 

●ノロウイルス●

 

ノロウイルスは,冬季の食中毒の原因として最上位に挙げられるウイルスです.
加熱不十分な,汚染された貝類(特に生ガキ)によるものが多いことは有名ですね.

 

さて,このノロウイルスを完全に不活性化するには,
次亜塩素酸ナトリウム加熱による処理を行います.
また,手指に付着したウイルスを減らすには,
石けんと流水による手洗いが最も有効です.

 

しかし,次亜塩素酸ナトリウムは金属類のほとんどを腐食し,
木材や有機物と接触すると抗ウイルス作用が減弱するといわれています.
また,石けんと流水の手洗いだけでは効果が不十分な場合もありますが,
皮膚に対して次亜塩素酸ナトリウムは使用できません.
以上のような理由から,次亜塩素酸ナトリウムの使用が困難な場面が
ときどきみられるのです.

 

そのため,2015年6月に見直された「ノロウイルスに関するQ&A」(※)では,
すぐに手洗いができないような場合,消毒用エタノールによる手指消毒
補助的な方法として用いることが追記されました.
あくまでも補助的な方法という位置づけです.
この点に注意してくださいね.

 

※現在の「ノロウイルスに関するQ&A」は,
2017年12月7日に最終改訂が行われたものです.

 

◆◆◆呼吸器感染症に関わるウイルス◆◆◆

 

●インフルエンザウイルス●

 

今シーズンは,流行入りが早いといわれているインフルエンザ.
そのインフルエンザの治療に用いられる,
ノイラミニダーゼ阻害薬のオセルタミビル(商品名タミフル)の
経口薬(ドライシロップ製剤)が,
2016年11月24日,1歳未満にも保険適用となりました.
今まで注射剤を用いるしかなかったのですが,
投与経路の幅が広がりました.
(10代患者に対する投与は原則禁忌のままです.)

 

さて,受験生のみなさんはインフルエンザの予防接種を行いましたか?
不活化ワクチンの皮下接種から抗体獲得まで2週間かかります(効果は約5ヵ月間持続).
受験日直前にインフルエンザに罹患してしまい,
つらい思いをしたという話を毎年聞きますので,
周りの受験生のためにも,自分のためにも,
早めに接種しておくことをオススメします.

 

ちなみに,従来3価だったワクチンが,昨シーズンから
4価に変更になったこともちょっとしたポイントなので,
頭の隅に入れておいてくださいね.

 

●RSウイルス●

 

乳幼児に急性細気管支炎や肺炎を引き起こすRSウイルス.
例年,夏ごろより感染者数が増え始め,年末にピークを迎えます.
今年は,現状,ピークが9月終わりから10月初めごろとなっており,
この時期に限れば,過去10年で最も患者報告数が多くなりました.
(現在は例年と同程度の報告数となっています.)
例年とピークがずれているのか,
あるいはこれから年末にかけて患者数が増加するのかは
現状わかりませんが,しばらく動向を注目する必要があるかもしれません.

 

◆◆◆おまけ◆◆◆

 

今年11月,厚労省の性感染症啓発ポスター,リーフレットに
「セーラームーン」が起用され,賛否両論巻き起こり話題となりました.
性感染症の予防や早期発見・治療の必要性を広く訴えることを目的とした
ポスター,リーフレットですので,一時の話題で終わることなく,
多くの人に予防などの必要性を理解してもらうきっかけとなれば・・・と思います.

 

近年,若年者の間で梅毒の患者数が増加しています.
そしてHIV感染症との合併例も多く,合併している場合は
症状や検査結果が非典型的となることに注意してくださいね.

 

それでは今回はこのへんで.
次回もお楽しみに!

 

(編集部A.M)

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