[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その1)
OSCEと国試の関係性

こんにちは,編集部のA.Mです.
5年生のみなさん!もう臨床実習には慣れてきましたか?

1年以上を費やして行われる臨床実習!
これが研修医生活だけではなく,
国家試験にも大きく関係していることを,
皆さんご存知でしたか?

今週から数回にわたって,111回国試の問題を例に,
臨床実習と国試の関係についてお話したいと思います.
題して「国試からみる,臨床実習のポイント!」
第1回の今日は「OSCEと国試の関係性」をテーマにお送りします.

■OSCEの内容こそ落とし穴

OSCE?いまさら勉強しなくても大丈夫,
そう思っている方も多いのではないでしょうか?
いいえ,違います.
国試はOSCEで勉強するような手技の基礎・基本こそが大事なのです.
111回国試で出題された問題を見ながら一緒に考えていきましょう.

【111H5】
身体診察の異常所見とその診察に適した体位との組合せで正しいのはどれか.
a 側弯・・・・・・胸膝位
b 痔核・・・・・・半坐位
c 甲状腺腫・・・・・・座位
d 項部硬直・・・・・・右側臥位
e 頸静脈怒張・・・・・・腹臥位

皆さん,答えはすぐにわかりますよね?
もちろん答えはcです.
OSCEのときに勉強した甲状腺を正面から,あるいは背面から
触診している図が頭に思い浮かびましたか?
また,誤答選択肢の正しい診察体位をそれぞれ答えることはできますか?

本問は比較的優しかったものの,診察体位にはたくさんの種類があります.
Fowler位,Sims位,砕石位,Trendelenburg体位,jack knife位などが
選択肢にあったらどうでしょう.
難しい問題にみえてきませんか?
体位の問題は97B30,106H6など度々出題されます.
そんな時,OSCEで覚えたことを復習していた人は,積極的に正解を選べますね.

OSCEで勉強するような診察手技などの基本的な内容が国試で出される場合,
「必修問題」として扱われることが多くなります.
「必修問題」は得点率80.0%が合格基準であり,
1つの誤答が大きく響く受験生泣かせの問題群です.
基本的な内容,みんなが解ける問題はできる限り落としたくありませんね.

■実習でOSCEの復習をしよう!

そうは言っても,4年の終わり頃にOSCEを受けてから国試を受験するまで
かなり時間が空いてしまいます.
OSCEで勉強したことを忘れないためにできることは何でしょうか.
それは,実習中に実際に診察手技を行うことです
それも,科が変わるごとに受けもった患者さんにお願いして診察を行い,
手技を定着させることが重要です.

1年以上ある実習を何もせずに過ごせば,
手技のポイントはすぐ記憶から消えていきます.
当たり前だからと,OSCEの知識をないがしろにしていると
国家試験で「あの時ちゃんと復習しておけばよかった」と後悔することになります.

安心して合格するためにも,実習に積極的に参加し,
OSCEで練習した診察手技について,しっかり復習をしましょう.

これで第1回を終わりにします.
次回も国試の問題を使って,臨床実習について考えていきます!
お楽しみに!

(編集部A.M)

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