実習・マッチング

[5~6年生向け]【体験記】病棟実習をマッチングに活かそう!

  • 病棟実習を頑張ることが,国試やPost-CC-OSCEの対策になる
  • 選択科の実習では志望科を選ぶことがおすすめ!
  • 実習で志望科の話題に多数触れることがマッチング対策に

 


 

こんにちは,編集部です!

皆さんは病棟実習,いかに過ごされているでしょうか?

座学から開放され,やっと臨床の現場に出られて,「たんのしいー!」といった心持ちでしょうか?

それとも,不慣れな病棟内でいきなり実務に近いことに直面して,「ちょっと疲れたな…」というのが正直なところでしょうか?

病棟実習に臨むスタンスや心持ちは皆さんそれぞれ色々あるでしょうが,この実習を終了することが卒業要件である以上,決して避けては通れません.

一方,多くの医学生が避けては通れないものといえば,医学生の就職活動,マッチングもそうですよね.

病棟実習とマッチング,両方避けては通れないなら,いっそのこと両方全力で取り組んでみてはいかがでしょう?

この記事では,病棟実習を頑張って,第一志望へのマッチングへと結びつけた先輩の体験記を紹介します.


実習がんばろう!

実習で心がけたこと・マッチングで実習の経験が活きたこと

N大学 S.Tさん


高学年になって、いよいよ病院実習が始まった人、これから6年生になって選択実習に参加する人向けに、国試やOSCE、マッチングに役立つ実習の参加方法について、私の体験をもとに説明します。

私の大学では、4年の後期からポリクリの導入が始まり、5年で全診療科をまわり、6年で選択実習として、興味のある診療科や外部病院などをまわる感じでした。

【4年・ポリクリの導入】

まだ病院実習がどのようなものか分からなかったので、わくわくしながらも、あまり身になっている感じはしませんでした。

1つ役に立ったこととすれば、まわっている診療科の研修医の先生に、電子カルテのショートカットタブをお気に入りに登録してもらったことです。これにより、実習終了までレポートの資料集めがしやすくなりました。

研修医の先生方は忙しいこともあるので様子を見ながら、先生の手が空いてそうなときに電子カルテの使い方を教えてもらったり、便利なショートカットタブを教えてもらったりすると良いと思います。

【5年・全診療科ポリクリ】

各診療科を1〜2週ずつまわりました。

4年である程度病院実習に慣れていたので、自分なりに学びたいことや先生に聞いてみたいことが浮かぶようにはなっていました。

私は5年の実習が、特に国試やOSCEに役に立ったと思っています。

実習で学ぶ臨床的な知識が国試で問われる

近年の国試では、診察や検査を決めさせる問題、手術で使う器具の画像1発問題や、画像を見せて診断をつけさせる臨床寄りの問題が増えていることは、みなさんよく知っていると思います。

器具などに関する臨床に即した国試の問題
▲器具などに関する臨床に即した出題が増えている(正解はA)

地道ではありますが、手術見学に入ったときや、外来見学で初診の患者さんが来たとき、病棟で回診見学をするとき、先生方がどのような器具を使って、どのような診察をして、どのような所見を集めているかについて、注意深く観察していきましょう。

先生方の雰囲気や診療科の忙しさによって質問のしやすさが変わってきますが、器具の使い方や身体診察で何を評価しているか、患者さんから得た所見が示唆する内容などについて、積極的に質問すると良いと思います。

国試の問題で出てきた臨床寄りの内容を、字面だけで覚えようとしても苦労します。病院実習の時間にビジュアルで覚えられると国試本番でも強いと思います。

実習での学びがPost-CC-OSCE対策に活きる

また、Post-CC-OSCEでは、患者さんの主訴に対して病歴を聴取して、どのような身体診察(外来で手軽にできるような診察、聴診、打診、触診など)をするか自分で考えて実際に行い、集めた情報をもとに診断と根拠をプレゼンしなければなりません。

編集注)今回の記事の先輩が仰っているように,Post-CC-OSCEの対策には実習などで問診や身体診察がどのように行われているのかを学んでおくことが大切です.

また,実習で診察を見学している際に,何をどのような手順で行おうとしているのか,概要を把握した上で見学しなくては,なんとなく見ているだけで終わってしまうということも珍しくないと思います.

そこで,Post-CC-OSCE対策としても,実習において目の前で行われている診療行為について把握する上でもおすすめなのが,『診察ができる』シリーズ

Vol.1では身体診察について,Vol.2では主訴から何を鑑別に上げてどう問診・診察していくのかについて系統的に解説しています.

「Post-CC-OSCEが不安だ!」「実習を可能な限り実りあるものにしたい!」という方は,是非ともお役立てください!

以下の記事では,『診察ができる』シリーズの具体的な使い方について解説しています!

直前になって暗記で乗り切るのは少しハードルが高いので、普段から外来や病棟で先生方がどのような手技をしているか、よく観察しておきましょう。

繰り返しにはなりますが、積極的に質問していくと記憶に残りやすいため、おすすめです。

【6年・選択実習】

私の大学では、1ヶ月と、2週間を4セクション、計12週間の選択実習がありました。

私は小児科志望なので、この期間をすべて小児科や新生児科で実習しました。

また、市中病院と大学病院の違いについて感じたかったため、3か所の外部病院に計6週間行きました。

選択実習の選び方はやっぱり志望科がおすすめ!

選択科目の選び方について、自分の志望科を多くするのか、放射線科や病理など国試で役に立ちそうな科目を取るのか、あえて志望科を選ばないようにするのか、さまざまな意見があると思いますが、私は志望科で固めるのが良いと思います。

理由は、この時期はマッチング対策や卒業試験対策で忙しいので、興味のある診療科でないと、実習に行くモチベーションを保てません

また、自分の将来の進路について、志望科であれば、実際にその診療科で働く先生方のお話を聞くことができます。

市中病院の実習であれば、他大学出身の先生方もいらっしゃり、評判の良い医局などについても情報収集できます(大学病院で他大の医局の話をすると、自大学に残らないの?的な空気になります…)。

志望科を中心に回るとマッチングにも活きることが!

そして、個人的にはこれが1番大きかったのですが、選択実習をすべて小児科で固めたことが、マッチングの面接で大いに役立ちました

私は志望科が早くから決まっていたので、マッチングの戦略としては、志望科が決まっていることを前面に出し、具体的にどのようなことがしたいのかを語っていくスタイルでした。

あとは部活動で困ったことやそれをどのように乗り越えたか、何を学んだかについて語ったのですが、この辺りはみんなそれっぽいことを言える部分なので、あまり差が付かないと思いました(部活動に励み、文武両道を実現させることは良いことですし、部活動ゴリ押しの面接もアリだと思います!)。

私の第1志望の病院では、志望科についてかなり詳しく質問をしてくる面接でした。

前半、小児医療の課題などについて、難しい質問をぶつけられ、芯を捉えた返答ができず焦っていました。

しかし後半に、「小児科医として長く治療している子どもの親が、ネットで調べてきたエビデンスが確立されていない治療法を提案してきたとき、どうするか」と言った質問を振られました。

私はこの内容について、選択実習の際、自分で疑問に思って、小児科の先生に聞いたことがあり、そのとき教わったことを軸に、自分なりの考え方を加えて答えることができ、面接の流れがかなり良くなりました。

そのおかげかどうか分かりませんが、第1志望の病院にマッチしました。

選択科目を志望科で固めていると、それだけ志望科でのトピックや問題点に曝露する機会が多く、先生方の考え方に触れる機会も多いため、私の志望科ゴリ押し戦法の心強い武器になりました。

もし、選択実習を決める機会がある人がいたら、私の志望科固め実習を参考にしてみてください。

【実習と試験の両立→QB onlineやQ-assistダウンロード機能が便利!】

先述したように、6年の選択実習では、市中病院に6週間行っていました。

私の大学では、選択実習明けすぐに卒業試験があったので、実習に行きながら自習する必要があり、なかなかハードに感じました。

その中で、私が特によく使っていたのは、QB onlineQ-assistでした。

実習先にはWi-Fiが使えないところも多かったため、Q-assistのダウンロード機能がとても便利でした。スキマ時間を有効活用して卒業試験と実習を両立することができました!

「Q-Assist」はスキマ時間の勉強に活用しやすい
▲「Q-Assist」はスキマ時間の勉強に活用しやすい(※クリックで画像を拡大できます)

【最後に】

ここまでの話はあくまでも一例に過ぎません。人それぞれ実習や試験対策のバランスなどあると思いますし、マッチングでの戦い方もあると思います。

このコラムを読んだ人が、実習やマッチングの有機的な結び付きについて考えるきっかけになれば幸いです!

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