[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その2)研修医に求められる手技
こんにちは,編集部のA.Mです.
先週からお届けしている
「国試からみる,臨床実習のポイント!」
第2回の今日は,「研修医に求められる手技」についてお送りします.
■ 研修に向けて手技を学ぼう!
前回のメルマガでは,
「OSCEで学んだ手技」については国試で出題されるため,
復習が重要という話をしました.
https://informa.medilink-study.com/wordpress/web-informa/post10659.html
しかし,国試で問われる手技の知識はOSCEの内容だけにとどまりません.
他にどのような内容が問われたのか,111回国試の問題をみてみましょう.
【111F9】
動脈血ガス分析の採血について正しいのはどれか.
a 動脈の走行は目視で確認する.
b 穿刺針の太さは18Gを選択する.
c 穿刺針と皮膚との角度は15~20度を保つ.
d 採血シリンジはペンを握るように保持する.
e ピストンに十分な陰圧をかけながら採血する.
動脈血ガス分析における採血の手技を問うた問題でした.
必修問題として出題されています.
ペンを持つときと同じように採血シリンジを握るので,正解はdです.
正答率66%と3人に1人は間違えており,
必修問題の中では難易度の高い問題となりました.
ちなみにガス分析と培養では使用するシリンジや持ち方が異なるので
注意が必要です.
OSCEの基本的臨床手技の項目に『静脈採血』はありますが,
『動脈採血』はありません.
しかし,国試の必修問題の出題範囲には『動脈採血の手技』があります.
動脈採血の手技に関しては,
『医師国家試験のためのレビューブック 必修・禁忌』や,
『診察と手技がみえるvol.2』に記載されていますが
(ぜひ確認してみてくださいね),
OSCEに向けて勉強することがないとなると,
実際に確認するチャンスは実習中しかないわけです.
動脈採血以外にも,OSCEの項目には入っていないけれど
国試の出題基準に入っている手技,
つまり「研修医になってすぐに行う手技」については,
そのやり方等を国試で問われます.
また,実際に研修医になったら一人でこなさなければなりません.
そのため,国試や臨床現場で困ることがないよう
しっかりと押さえておきたいところです.
実習中,研修医の先生が行っている手技については常に目を光らせておきましょう.
押さえたいポイントとしては次のことが挙げられます.
●手技そのもの
●使用している医療器具
●手技や医療器具のポイントとなる点(漫然と見ない!)
●絶対に間違えてはいけない,やってはいけない点
●似ている手技と異なる点
「研修医がする手技は研修医になってからできるようになればいい」
と後回しせずに,病院実習で機会があれば必ず見学しましょう.
ときに指導医・研修医の先生方の代わりに実践できることがあります.
価値ある経験になること間違いなしです!
今回はここまでです.
いかがだったでしょうか.
次回も111回国試を通して,病院実習のポイントを考えていきたいと思います.
それではまた来週.
(編集部A.M)