[6年生]国試,取る技術!捨てる技術! (2)

(第1回の記事はこちら)

 
◆ メジャーはエース級に集中攻撃!

――マイナー対策は,『QB必修』のなかでやるんだね.
   じゃあメジャー対策はどうしたの?
   コストパフォーマンスがいい方法ってあるの?

K:
メジャーも全部やるのはしんどいですね.マイナーの比じゃない.
だから,コストパフォーマンスというキーワードで国試対策を考えたとき,
メジャー対策は最も重要なポイントだと思います.
まず,出題数が少ないメジャー科目に注目します.

――じゃあ,メディックメディアで調べた過去5年の
   各科の出題割合があるから,これを見ながら話そうか.

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(クリックして画像を拡大)

K:
まずは腎臓,アレ・膠,血液,感染症,中毒,救急,麻酔
に目を付けましょう.

出題数,少ないですね.
出題が少なすぎる中毒,救急,麻酔を切るのは当然.

中毒やこれにプラスして何を切るか?
僕のオススメは,「血液と感染症を切る」ことです.

――なんで?

K:
この2つは出題数が少ないくせに,分量が多いからです.
しかも,血液とか感染症って,
目に見えない疾患が多くて,わかりにくいですよね.
だから,私は,やりませんでした(笑).

――たしかに消化器に比べたらわかりにくいけど…(笑).

K:
自分にとって,その科が勉強しやすいか,勉強しにくいかっていうのも,
コストパフォーマンスを考える上では一応ポイントですね.

もちろん,血液や感染症が得意な人は,やってもいいですし,
繰り返しになりますが,必修でカバーされている血液と感染症の疾患は
ゼッタイにちゃんと押さえるんですよ.

――腎臓やアレ・膠はやったの?

K:
腎臓は出題数は少ないけど,重要疾患が少なくて覚えやすく,
コストパフォーマンス的に得だと考えたので解きましたね.

膠原病も同様の理由から解きました.
ただ,アレルギーとかはよくわからないので,
RA,SLE,MCTDなどの大切な膠原病だけをしっかり抑えました.

――これらはメジャーのなかでは,脇役みたいな科だよね.
   エース級の科はどうしたの?

K:
エース級って,出題数が30題クラスある残りの重い内科ですよね.
消化器(消化管,肝胆膵),循環器,呼吸器,神経…
はっきり言って,超重要です.
全部やりましょう!

国試までの予定は「この残りの内科を中心にスケジュールを組む」
ことをお勧めします.
マイナー,血液,感染を省エネで乗り切ったのですから,
ここはがっつり抑えましょう.
得点源ってやつです.

特に,呼吸器はほかに比べて『QB』が薄いわりに
出題が多いのでオススメです.
大好きです.
これらエース級はゼッタイに妥協しないほうがいいと思う.

あと内分泌・代謝は準エース級なので,
ちゃんとやったほうがいいと思います.

 
◆ 小児・産科はエース級扱いで!

――小児・産科・婦人科は?

K:
メジャーの中でも,小児科,産科は,時代の流れもあるのか,
エース級に匹敵する出題数の多さですね.
だから大事です.おさえてください.

一方,婦人科はけっこう落ちる.血液と同じくらいですね.
だから,メジャーな疾患だけしっかり押さえて,
マニアックなやつは流してもいいと思います.

僕なんか,ホウジョウキタイから下はみんなよくわからない.
「胎盤の病気だっけ?」くらいのレベルです.漢字もかけません.
出題されてもどうせ一題ぐらいだから,捨てました.

 
◆ 「実力で解ける問題」と「実力じゃないけど解けちゃった問題」

――なるほど.じゃあラスト,公衆衛生は?

K:
超重要!!
でも,公衆衛生の話をする前に,ちょっと一回脱線しましょう.

僕は,65%突破を考えるときに,国試の問題を
「実力で解ける問題」と「実力じゃないけど解けちゃった問題」
の2つに分けて考えます.

「実力で解ける問題」っていうのは,いままで話してきたように,
自分がしっかり勉強して,そのうえで自信を持って解答できた問題.
ぼくは,これが自分の得点のなかでだいたい60%くらいだと思う.
65%に届いてないですね.

でも国試は5択のマークシートだから,打率2割でヒットが打ててしまう.
60%自信を持ってとけたら,残りの40%のなかの20%,
つまり8%は「実力じゃないけど解けちゃった問題」が出てくる.
つまり得点率は68%で,65%を超える.

――確かに.
   でも今の国試は,まぐれで解けないようにX2が増えてきているし,
   新傾向問題として「実力じゃないと解けない問題」が増えてくるよ.

参考
「103回国試から新形式が! これから必要なチカラって…?」その1
「103回国試から新形式が! これから必要なチカラって…?」その2

K:
確かに今後は,僕の方法だけだとちょっとキビシイ可能性もある.
でも,一応,6年間医学部にいて,多少は医学に触れていて,
実力じゃないけど「たぶんこうだろう」っていう感じのカンみたいなもので,
正解できることもある.

「まぐれ」じゃなくて「経験的なカン」っていうか.
臨床問題なんか,完全に「まぐれ」狙いで選択肢を選ぶことは少ない.
わからなくても「経験的なカン」を働かせているから,
実力とは言えないまでも「まぐれ」より正答率は高いはず.

こういう要素をひっくるめて,
「実力で解ける問題」を60%にすると68%くらい行く気がする.
実際,僕の得点は70%くらいでした.

 
◆ 『QB公衆衛生』は「4巻目のQB必修」!

――なるほど.それと公衆衛生はどういう関係があるの?

K:
公衆衛生っていのは,いわゆるサイエンスとしての医学と違って,
本当に知っているか,知っていないかの世界.

しかも学生時代ほとんど勉強しないし,しても,ほぼ忘れる.
忘れてなくても最新の情報じゃないと使えない.
「経験的なカン」が使えないんです.

だから知らないと本当に打率2割になってしまう.
しかも,必修にもけっこう出る!
必修8割を考えても,公衆衛生対策は手を抜けない.

――しかも,国試は一般と臨床が別々に採点され,
   どっちも基準以上とらないとダメだけど,
   公衆衛生って,一般でものすごく沢山でるから,
   国試合格を考える上で,公衆衛生ってものすごく大きな山なんだよね.

   一般1点,臨床3点っていう配点は必修以外では意味を持たないから,
   公衆衛生をやらないとかなりの確率で一般落ちしちゃう.

   僕はいつも学生に
   「公衆衛生をなめたら国試は落ちる」って言ってるんだけど….

K:
確かに.公衆衛生は,カンでは解けない.
そして,沢山でる.最新の情報でないと意味がない.
でもパターンは決まっているから,やれば確実な得点源になる.

『QB公衆衛生』はめちゃくちゃ重要なんです.
僕は『QB公衆衛生』を「4巻目のQB必修」と呼んでいました.

——

(第3回に続きます)

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