[5年生・6年生]新・リンカクをつかんでから本気を出す国試対策 (3)
こんにちは.メディックメディア編集部のMです.
今回は,これまで紹介してきたような先輩たちの話を参考に
『クエスチョン・バンク2010』から導入した【1周目問題】についてお知らせします.
【1周目問題】とは,ドクターと学生の意見を参考にセレクトした問題のこと.
その選別方法は,
近年5回分+それ以前でも解いておきたい問題-近年5回でも難問・悪問・奇問
これらの問題を というマークで示しているのです.
ベースを近年5回分とした理由は,「その2」で紹介したG君のコメントどおり.
● 過去5年分なら,頻出疾患は最低でも1~2問は出題されているので,基本はおさえられる
● 出題委員の先生がだいたい同じなので,難易度の傾向や雰囲気もつかみやすい
という点につきます.
もちろん過去5年だけでは,全ての知識を埋め切れませんが,『QB』には
“MINIMUM ESSENCE”という疾患別のまとめがついているので,
臨床問題の後に“MINIMUM ESSENCE”で整理するというパターンで,
「最低限の知識」には目を通すことができます.
また,5年以上前の問題でも,
「はじめて勉強する上やっぱりこれは解いておいたほうがいい」
と思える重要な問題は,【1周目問題】に入っているので安心感があります.
こうしてセレクトした【1周目問題】だけに絞れば,QBの問題は4割~5割削減できるのです.
誤解のないように先に記しますが,
「1周目問題だけを1周すれば対策が十分」ということではありません.
もちろん過去5回分しか過去問をやらないで合格した方々を沢山知っていますが,
さすがにみなさん全員に勧めることは難しい.
重要なのは,問題数を軽減させることで「リンカク」をつかむことを優先し,
国試までの残り時間に合わせて,2周目を進行するということなのです.
ここで,【1周目問題】の基本的な使い方を紹介します.
。。。。。。
(1) 最初は,【1周目問題】だけにしぼって解く
(2) 問題に O△× の記録を書きこみながら進める
(3) 教科書は,『QB』で問題演習してから,必要な箇所を重点的に読む
(4) 2周目は,1周目で△×だった問題と,1周目問題以外の問題を優先して解く
(5) 直前までに△と×をなくすように繰り返す
(6) 優先的に勉強するのは,自分が苦手で比較的出題量が多い科目
(7) マイイヤーノート,マイレビューブックなどで弱点は繰り返しチェック
。。。。。。
O 自信を持って正解できた
△ 正解できたが自信はなかった or 正解できたが2周目でもみておきたい
× 間違えた (〉_〈)
。。。。。。
これらのポイントがどういう意味を持つのか,G君のコメントを参考にまとめてみました.
(1) 最初は,【1周目問題】だけにしぼって解く
まずはメジャー1周を目標にするといいと思います.
マイナーは秋以降でも間に合いますし,
必修や公衆衛生は『QB』が出るのがそもそも秋冬ですから.
(2) 問題に O△× の記録を書きこみながら進める
こうすれば『QB』2周目は,
△と×の問題と「近年5回以前のまだ解いてない問題」に集中でき,勉強を効率化できます.
(3) 教科書は,『QB』で問題演習してから,必要な箇所を重点的に読む
そんなに勉強しないまま6年生になった人の中に,
『QB』やってわからなかったり間違えたりするのを怖がって,
教科書を読んでから『QB』を解こうとする人がいます.
でも,別に間違ったっていいじゃないですか.誰かに見せるものでもないし.
それに,国試問題をみないまま教科書を読むと,
「集中しどころ」や「飛ばし読みしどころ」がわかりません.
これは効率がよくないです.
多少わからなくても,まずは『QB』からいくべき,です.
で,『QB』の解説で理解できれば先に進みます.
『QB』の解説でも足りないと感じたところは,
そこにしぼって『STEP』や『病気がみえる』を読み,
それでも分からないところは他の本を調べるといいと思います.
(4) 2周目は,1周目で△×だった問題と,1周目問題以外の問題を優先して解く
(5) 直前までに△と×をなくすように繰り返す
国試は点数を競う試験じゃない.“落ちない”ようにする試験です.
だからみんなができない問題はできなくてもいいかわりに,
みんなができるはずの問題は確実に正解できるようにする.そういう対策が重要です.
そういう意味では,みんなが使っている『QB』を反復して,
「自分にとっての△と×をなくすまでやる!」っていう勉強が,
最も効果的なオーダーメイドの直前対策なのかと思います.
どんなにちゃんと勉強したつもりでも,
1回しかみてない内容は案外簡単に忘れてしまいます.
記憶の定着には「反復」が重要.
予備校の直前対策やネットで出回る情報もいいのかもしれませんが,
まずはしっかり弱点をなくすことが結局は最も有効なのではないでしょうか.
(6) 優先的に勉強するのは,自分が苦手で比較的出題量が多い科目
『QB』2周目の勉強法は人それぞれです.
時間に余裕があり,基礎力が足りないようなら,
教科書を読んでから2周目をやってもいいですし,
余裕がなければ,残り時間に合わせて,優先度の高い勉強をするのがいい.
例えば,出題範囲が多めの循環器,神経,呼吸器,消化器,産科などは重要.
特にこのなかで自分が苦手な科目を優先しましょう.
詳しくはこの記事をご確認ください.
国試に出題されやすい分野ランキング
(7) マイイヤーノート,マイレビューブックなどで弱点は繰り返しチェック
1周目問題でスピードアップするのはいいですが,
単に流すだけだと記憶と理解は定着しにくい.
だから『QB』をやりながら,そこで学んだことを反復して確認するため,
『イヤーノート』や『レビューブック』,『病気がみえる』(婦人科,産科)に,
マーカーをひいたり,付箋を貼ったりして,
そこに追加したい情報を加えてたりしていくと,効果が倍増します.
● 特に対応する国試番号も書き込んでおく.
● 『病気がみえる』や『STEP』(海馬書房)などで学んだ病態生理を書き込んでいく.
というのがオススメポイントです.
マイノートを作るという手も記憶の定着化に有効ですが,どうしても余計な時間がかかってしまう.
こういうとき,比較的すばやくできる,
「マイイヤーノート」,「マイレビューブック」,「マイ病みえ産婦」は,かなり便利なんです.
。。。。。。
さて,このような【1周目問題】を使った勉強法を紹介してみましたが,いかがでしょうか?
もちろん,自分にあった勉強法が一番ですから,
あくまで参考程度にとどめていただければと思いますが,
もし「自分にあってそう!」と思われた方は試してみてください.
最後に,第1回で紹介したT君,
1浪して受けた国試は,正答率9割以上というすばらしい成績でした.
彼は,
「全体がわかったから,自分の勉強法がわかった.
5年生のときにある程度全体がみえていれば現役でも受かったかもしれない」
と言っていました.
勉強法は人それぞれ向き不向きがありますが,
「要領のよさ」に自信がない方,
忙しくて時間が足りないと感じている方は,参考にしてみてください.
それでは,みなさまの国試対策が上手くいきますように!
ご感想お待ちしています!
(編集部M)
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