国試

[116回医師国試受験生向け]【国試体験記】データマニュアル補完計画

本日お届けするのは,国試直前期に『データマニュアル』を使い,知識の補完を行った先輩の体験談です.

「過去問演習はやりきったぞ…!」という方,ここから国試本番までは「知識が抜けていかないようにする勉強法」が必要になります.

「過去問演習まだ残ってる…!」という方も,『データマニュアル』で,さらに知識を脳に詰めていきましょう…!


データマニュアル補完計画

(順天堂大学 K.Rさん)


みなさん、『データマニュアル(以下、DM)』という書籍をご存知でしょうか?

『イヤーノート』や『レビューブック』に比べ、見かける機会や使っている人は少ないと思うのですが、この書籍が国家試験対策、特に直前期に非常〜〜〜〜〜に有用だったので、その活用方法を「DM補完計画」ということでぜひ皆さんに共有させていただきたいと思います。

【DM、襲来】

『DM』には内科・外科編の総論各論小児産婦の4種類があります。
マイナーはないのですが、それでも国試で問われる大部分をカバーできます。

それぞれ国試過去問の選択肢がほとんどそのまま使われている、いわゆる一問一答形式の○×問題集なので、五者択一の問題はもちろんのこと、より正確な知識が求められる複数選択問題(X2、X3形式とよばれるもの)に対しては特に絶大な威力を発揮します

『DM』はそのキャッチフレーズである「直前で、伸びる」の通り、購入時期としては国家試験の2ヵ月ほど前が想定されています。
そして、うまく使えば本当に伸びます…。

私は不幸にも(?)その存在を国試の1ヵ月ちょっと前くらいまで忘れてしまっていたため、推奨時期での購入には至りませんでした。
それでも、十二分すぎるほどの力を発揮してくれたように思います。

【湧かない、やる気】

こんなことを言うと怒られてしまうかもしれませんが、国試の1〜2ヵ月前にはやるべきことを一通り終えていたため、国試本番まで何をやればいいのかわからなくなってしまっていました。
でも、「油断して直前期に勉強をあまりしなかったために不合格になった」なんて話をよく耳にするし、何か継続して勉強していかないと…、と漠然と思ってはいたのです。

そんな時、年末年始にふらっと立ち寄った書店で出会ったのが『DM』。
前々から存在は知っていたのですが、改めてその時期に見ると
「あっ、『DM』をやれば、知識の抜けや漏れを抑えられるのでは?」
と、消えかけていたやる気がふつふつと湧いてきたのでした。(結局全種購入)

【DM/つかいかたを、君に】

『DM』は一問一答形式の問題集です。
ただ、漠然と○×をつけていくだけでは、やはり記憶を強く定着させるのは難しくなってしまいます。
しかも、単調な勉強法では刺激がないですよね。

また、主に使うのは国試直前期
少しの時間も無駄にしたくないこの時期ですから、それなりのメリットがないと、
わざわざ今まで使ってこなかったコンテンツに新しく手を付ける理由がないですよね。

まず皆さんにお伝えしたいのが『DM』の使いやすさです。
国家試験の問題文と選択肢から作られた正答文と誤答文が、見開きの左側のページにズラッと並びます。そして右側のページに解答・解説があるため、
「見開き1ページで情報が完結する状態で、国試過去問をより細かい単位でテンポよく演習でき」
とても使いやすくなっています。これが『DM』の魅力の一つだと思います。

データマニュアル 紙面イメージ
『データマニュアル』の紙面イメージ.タップ(クリック)で拡大.

私の場合は、できるだけさらに演習のテンポを上げたかったので、
そもそもの『DM』の使いやすさを活かしつつ、自分なりの方法でさらに有効に活用させてもらいました。

最初にそのページの問題文をざっと見て、明らかに正しいとわかる問題はさらっと流し、
明らかに誤りとわかる問題は念のため、「どう間違っている(どうすれば正しい文章になる)」のかをその場で確認しました。
その後、少し考えないとわからなそうな問題に手を付けました
このとき、正解できなかった問題や正解したけど「どう間違っているか」までわからなかった問題にはチェックをつけ、一通り終わったら次のページに進むようにしていました。
そして、チェックをつけた問題は翌日再度確認して知識の補完を行い、その上で次の章に進む。というのを繰り返していきました。

1日の演習量ですが、私の場合は1日に半章〜1章終わらせる(例えばA章を半分~全部)ことを1周目の目標にしていました。
ただ、問題演習のペースはもちろん人それぞれです。いずれの章も分野ごとに、何問中何問正解できたかを書く欄があるので、そこで掲載問題数を最初に確認して、1日の演習量を設定するのがいいかなと思います。

『DM』の解説は『QB』と比べて基本事項や解法の要点などがない分あっさりしていて、
テンポよく問題演習をするのに丁度いい分量
になっています。
ただ、問題によっては「自分にはこの解説では足りない」と思ったこともあったので、
欲しい情報が自分で付け加えられるなと思ったところに関しては、解説の空白欄に書き込みを行い、『DM』の補完を行いました。

この作業を2〜3周繰り返し、自分の『DM』に記載されている内容の暗記漏れを可能な限りなくすようにしました。

問題演習する際の使いやすさ以外にも、いいなと思った点が複数あります。

まず、薄くて持ち運びがしやすいサイズであること。
2~3周も上記のような演習を行うためには、細かい時間までうまく利用して効率よく進める必要があったので、
移動中、移動先ですぐ演習を始められる『DM』のサイズ感・使い勝手のよさはとてもありがたかった
です。

また、国試までに暗記しておくべき内容(例えば、Apgar scoreやBishop score)がまとまった栞が付録になっています。
単純に栞として使っていれば、本を開くたびに目に入るので、これだけでも知識定着のきっかけになりました。
さらに、分野の最後に時々ゴロやまとめ項目が掲載されており、これをきっかけに知識整理できたものもありました。

こんな感じで使ってみた筆者なのですが、なんと国試本番、30問近くここで見ておいた項目が出たという美味しい記憶があります。
まさかここまで出るとは思ってもみなかったので、終わった後に「DM、もしかしたら劇薬なのでは…?」となったほどです。
盛ってないんですよ…これが。でも、よく考えたら当たり前なんです。なんてったって問題数すごいもん。あの薄さで。

全てはメディックメディアのシナリオ通り、というわけです。

【終わる試験】

タイトルの順番逆になっちゃいましたね。

さて、国家試験が無事に終わった今ですが、実はこの『DM』、研修医になってからも活用できるのです。
各科の研修時に当該科の要点を復習するのにはもちろん、最近話題の内科専門医の試験勉強にも同様に使うことができるという強みがあります。
一度使っていると記憶の戻りも早いですし、「使い続けられる」というメリットを理由に購入して、国試後も大事に取っておくというのも大いにアリだと思います。

また、今回は直前期に絞ってお話をしましたが、卒業試験の前のチェックや、日々の勉強で各分野が終わるごとの復習にも活用できると思います。

ここまできたら利用しない手はないですよね。

【続、そして終。】

そんなわけで、今回の記事はここで終わります。

『DM』のおかげで国家試験に余裕をもって合格できた筆者の医療者生活はこれからも続いていきます。
読者の皆さんの勉強もまだまだ続いていくと思います。もちろん、国試が終わって医師になった後も学ぶことは続きます。
とはいえ、国家試験という一つの節目に向けての勉強はひと段落できる時が来るのは間違いありません。
越えた側からすると、まぁよくやったな自分、って感じになります。

今は大変かもしれませんが、踏ん張りどころです。
この記事が皆さんの役に立ってくれるよう、心から祈っています。

頑張れ116回の受験生!応援しています!

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