[4,5,6年生]『レビューブック内科・外科』最新版 好評発売中!第5回:国試で役立つ!研修医になっても役立つ!「鑑別!1st impression」(その3)
編集部Mです.
「鑑別!1st impression」についてお話しする企画でしたが,
今回がラストです.
今回は医師国家試験の出題をみてみましょう.
◆◆国試対策でも活躍!◆◆
まずは復習から.
前回の記事の最後でやった疾患,CBTの出題は見ましたが,
国試ではどう出ているかみてみましょう.
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24歳の初産婦.切迫早産のため入院していた.
妊娠35週0日で臍帯脱出のため緊急帝王切開で2,460gの男児を出産した.
翌朝,術後初めての歩行直後に呼吸困難,胸痛および気分不良を訴えた.
初期検査として適切なのはどれか.a 血球検査
b 動脈血ガス分析
c 凝固・線溶検査
d 肺シンチグラフィ
e 下肢静脈超音波検査
「鑑別!1st impression」では,こんな感じでまとまっているんでしたね.
(画像をクリックして拡大)
肺塞栓の診断を思い浮かべて,
臨床現場でまず重要になる検査のポイント
「PaO2低下」を選ばせるというもの.
国試が近年重視している「研修医になって役立つ知識」系の出題ですね.
「鑑別!1st impression」,バッチリ対応しています.
次は最新105回の国試から.テーマは頭痛です.
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78歳の男性.2週前からの頭痛と微熱とを主訴に来院した.
1週前から食べ物を噛んでいると顎が痛くなるので,柔らかいものを食べているという.
体温37.5℃.呼吸数18/分.脈拍80/分,整.血圧138/88mmHg.
右側頭部に圧痛を伴う索状物を触知する.
この患者で留意すべき診察部位はどれか.a 眼底
b 鼓膜
c 鼻腔
d 舌
e 咽頭
頭痛と微熱が主訴ですね.
…選択肢について考える前に,まず診断名を考えてみましょう.
頭痛だから神経内科疾患か脳神経外科疾患…?
さて,診断名は…
側頭動脈炎でした!
動脈炎…『レビューブック』や『イヤーノート』では
「F 免・アレ・膠」に入っている疾患ですね.
神経系の疾患ではなかったのでした.
ちなみに側頭動脈炎,90回国試で出題されて以来15年ぶりの出題….
「鑑別!1st impression」を確認してみましょう.
まずは,
◆STEP1:2つの軸でインプット!
まずは「頭痛」で「Don’t miss it」「common」の
2つの軸で鑑別疾患をみてみます.
お! 側頭動脈炎が載っていますね!
頭痛であれば,SAHや脳出血,脳腫瘍,
片頭痛,緊張性頭痛,群発頭痛など神経系の疾患は,
CBTや国試対策をしている方なら,かなり思い浮かべられると思います.
ポイントは,神経疾患でない疾患でも,
このように頭痛が主訴となりえるものが想起できるかどうか.
こういう疾患もさらっと列挙できるようになっているとカッコイイわけです.
◆STEP2:クイズのように疾患名を当ててみよう!
頭痛の章の左ページにこんな記載がありますね.
(画像をクリックして拡大)
※顎跛行:何か食べ始めてしばらくすると顎が疲れて痛み出す.
国試の問題は「男性」なので,ちょっとイジワルですが,
「側頭部の頭痛」「顎跛行」などの所見が問題と一致しますね.
(画像をクリックして拡大)
おお!やはり側頭動脈炎でした.
「鑑別!1st impression」を使っていれば,
頭痛という主訴から側頭動脈炎を想起できたわけです.
◆STEP3:将来のために臨床的なポイントを確認!
でも,この問題は,診断名を出させたうえで,
「この患者で留意すべき診察部位」を聞いています.
そこで,「ポイント」を見てみると…
●側頭動脈炎で眼症状がある場合,その日のうちに失明する可
能性があるため,側頭動脈生検結果を待たずに治療を開始す
る必要がある.疑わしきは眼科にコンサルトする.
とバッチリ書いてあるのです!
どうでしょうか?
神経や循環器という“タテ切り”の視点から疾患名を想起するのは
ほとんどの人ができると思いますが,
主訴から,横断的に疾患名を想起するのは,ちょっと難しい.
「鑑別!1st impression」は臓器別・系統別ではなく,
症候別に疾患がまとまっているから,
“ヨコ切り”の視点を意識して勉強できます.
そして,研修医になってからも役立つような臨床的なポイントも掲載.
こういうポイントは必修問題だけでなく国試全般で重視されますから,
国試対策にもなるわけです.
そして何より重要なのは,前回も書きましたが,
ヒントを見ながら診断名を考えるというトレーニングを,
300例以上,一気にできるということ.
こういった本,今までになかったんです.
「鑑別!1st impression」,意外といけると思いませんか?
CBT対策から国試直前対策まで,永く使えると思います.
しかも,研修医になってから,
「鑑別!1st impression」で培った“ヨコ切りのシナプス”が活きてくる.
本当にコストパフォーマンスのよいCBT/国試対策,
それはその場その場をやり過ごす勉強でなく,
試験対策として効果的にポイントをつきながらも,
長い目でみても将来役に立っていくような学習だと,
繰り返し書いてきましたが,
「鑑別!1st impression」はメディックメディアが贈る,そのひとつの答えになりそうです.
10月14日に発売した『レビューブック内科・外科』第9版.
“タテ切り”と“ヨコ切り”が両方でき,
CBT対策・国試対策として行った勉強が研修医になっても活きてくる,
新しいタイプの参考書です.
4年生,5年生の方だけでなく,
「研修医につながる直前対策」として
6年生の方にもおススメです.
試しに一度立ち読みしてみてくださいね!
最後まで読んでくださって,ありがとうございました.
(編集部M)