CBT・OSCE

[6年生向け]【体験記】Post-CC OSCE対策とその後の学びのための資料作り

今回は,6年時の実技試験「Post-CC OSCE(PCC OSCE)」の体験記をお届けします!


Post-CC OSCE対策:OSCEだけに留まらない学びのための資料作り
(K大学 D. Sさん)


●はじめに

6年生になるとPost-CC OSCEっていうものがあるらしい…そろそろ対策法なりの情報を集めた方が良いかな?でも,しっかり始まったのは最近みたいだし,先輩からの情報も少ない…
そんな方が多いのではないでしょうか?

今回は,私がPost-CC OSCE対策として作成した資料を通して,対策法をご提案させていただきます!

●私の実践した対策法

では早速,私が行った対策法を紹介します.
色々と情報を集めて,私は以下の流れで対策を予定しました.

①各症候と各疾患の組み合わせを覚える

②各疾患の症状と身体診察を覚える

③各症候でよく使う(共通性が強い)身体診察を覚える

④友達とロールプレイングをして,とにかく慣れる

 ※正しい身体診察は4年時のOSCEで習得しているものとします.

この対策法自体は,他の方とあまり変わりはないと思います.しかし,実際にやってみると結構大変.というのも,OSCEの公式資料が…

●公式資料の壁

上記の①・②に着手するために,まずは公式で配布されているこちらの資料を見て,穴埋めをしていこうと思いました.おそらく皆さんもそのように対策することになると思います.

しかし以下の2点において,使いにくさを覚えてしまいました.

1.各疾患が勉強しにくい並び方になっている

→主訴の原発がどこにあるかを鑑別する場合,ある程度似ている疾患はまとめて認識していた方が良いと思っています.資料の「胸痛」の項では,心筋梗塞と大動脈解離の間にGERDや気胸が挟まっていて,頭の整理のしにくさを感じてしまいました.

2.疾患が並んでいるだけで重要度までは書いていない

→発熱を主訴にきた患者さんの場合,最も多いのはかぜ症候群でしょう.しかし,髄膜炎や感染性心内膜炎などを見落とすわけにもいきません.このように,各症候に割り振られている各疾患にはそれぞれCommonな疾患や見逃してはいけない疾患があります.

これらのことから,そのまま穴埋めする気になれず,自分で対策資料を作ることにしました.

●自分で資料を作ることに!!

対策資料は,OSCEの流れをまとめた「総論編」と,各疾患の情報をまとめた「症候編」に分けて作成しました.以下で作成した資料を紹介します!

●資料の紹介:総論編

総論編ではOSCEの流れをStep0~4までで整理しました.作成にあたっては,各種参考書で勉強しました.

・Step0:患者さんの入室~主訴を聞くまで

・Step1:主訴に関する情報を”1st impression”として整理.OPQRSTと同義

・Step2:既往歴や薬剤歴など周辺情報を”2nd impression”として整理

・Step3:問診のしめくくりとして,「解釈モデル・言い忘れ」を聞く

・Step4:各身体診察で診る身体部位など

▼実際に作成した資料

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●資料の紹介:症候編

OSCEでは各疾患の情報を覚えておく必要があります.上記の公式資料の改善点を意識しながら以下の4点に注意して,作成してみました.

1.原発部位や分類がまとまるように整列(主観ですが…)

2.症状などを,”1st impression”と”2nd impression(かきく~たあべ)”に分けて,問診の流れに沿って整理

3.”Must Differential Diagnosis”として,必ず鑑別に挙げるべき疾患を整理

4.”Core Physical Examination”として,共通項が多い身体診察を整理

▼実際に作成した資料(胸痛)

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●どうやって作ったのか??

基本的な枠組みは公式の資料をもとにし,穴埋めや重要疾患の判断には「鑑別!1st impression」を用いて作成しました!埋まらなかったところはyear noteを用いていました.

やっぱり,各症候で鑑別に挙げるべき疾患などの判断は学生の自分では難しいので,鑑別1st impressionにはだいぶお世話になりました.

▼鑑別!1st impressionはDon’t miss itとCommonに分かれてまとめてあり便利でした.

●資料を作って良かったこと

疾患を整理することで,疾患の想起が早くなり,Post-CC OSCEの本番でも落ち着いて鑑別を行うことができました.

また,約35個の症候とそれぞれの疾患の特徴が頭に入っていると,国家試験の臨床問題でも,2~3文(年齢・性別・主訴)を読んだだけである程度疾患の目処はたつぐらいになりました.

●Post-CC OSCE対策のすゝめ

現時点ではあまり重要視されていないようにも感じるPost-CC OSCEですが,その内容はとても臨床に即しており,勉強になるものです.普段の座学とは違う視点で,自分の医学知識を整理できたので,しっかり対策の時間を取って,とても良かったと感じています.友人と手分けしても良いですし,皆さんも是非作ってみてください!

ちなみに,もし私の作成した資料が欲しい場合はTwitterで拾えるようにしていますので,適宜ダウンロードしてみてくださいね.原本をwordファイルで落としてあります.自由に編集してOKです!

それでは,色々と頑張ってください!!!


この体験記はお役に立ちましたでしょうか.皆さんも体験記を参考に,オリジナル資料作りに挑戦してみましょう!

また,記事内で紹介されている「鑑別!1st impression」に興味のある方は,ぜひこちらのページも見て,購入をご検討ください.本コンテンツの使い方や,掲載項目なども載っています.

 

(追記:2023年9月15日)

・2023年夏に,「問診☆攻めNIGHT」対応 ロールプレイプリントが配布を開始しました!

Post-CC OSCEへむけた学習でも活用できるような工夫が満載なので,自分たちで1から資料を作らなくてもロールプレイができちゃいます!

・プリントの左側は臨床推論の思考過程/臨床上のポイント/実体験やエピソードなど,「問診☆攻めNIGHT」の動画のトーク内容をテキスト化!実習や研修に活かせる内容になっています.

そしてプリントの右側は,動画で扱っている症例をロールプレイ用にテキスト化しています!

・「問診☆攻めNIGHT」では臨床に近い問診と,問診後にどのように検査や治療に進んでいくかなど,座学だけでは学べないリアルな情報を知ることができます!

だから『問診☆攻めNIGHT』を見たあとに、ロールプレイプリントを使って友達同士でロールプレイをすると、ぐっと力がつくと思います.


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