[3~6年生向け]医師国試 新ガイドライン発表! 第2回:新ガイドライン、何が変わったの?

こんにちは!編集部Aです.

先週もお伝えしたように、4年ぶりに改定された
新しい「医師国家試験出題基準」が
2012年5月10日に厚生労働省から発表されました.

◆◆平成25年版 医師国家試験出題基準について(厚生労働省発表)◆◆
http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/05/tp0510-01.html

【前回記事はこちら↓】
http://web-informa.com/kokushi/20120515/

 

今日から,この新しいガイドラインの中身について
数回に分けて紹介していきます.

今日は「新ガイドライン、何が変わったの??」と題して
まずはガイドラインの全体像を把握しましょう.


◆新ガイドライン、何が変わったの??◆

ガイドラインの冒頭には、国試の出題基準について
定義や考え方が示されています.
この部分について,旧ガイドラインと新ガイドラインを比較し
新ガイドラインの全体像を検証してみました.

○旧ガイドライン(平成21年版)

■基本的な考え方
1)「必修の基本的事項」は,プライマリ・ケアを主題とする出題であり,
聴診器・血圧計等を用いて,口頭や通常の身体診察で行える内容
(面接,診察のみ)を原則とする.
また,多科にまたがるような基本的な問題を出題する.
2)「医学総論」「医学各論」では,原則,
我が国のどの医療機関であっても対応できるような内容に限定する.

■優先的に出題する内容
・重視すべき領域(患者の人権・医の倫理,医療面接,行動科学等)
・高頻度で重要な疾患

○新ガイドライン(平成25年版)

■基本的な考え方
1)全体を通じて,臨床実習での学習成果を中心とした
臨床研修開始前の到達度を確認することに主眼を置く.
2)「必修の基本的事項」では,医師としての基本的姿勢を含めた
基本的診療能力を主題として出題する.
3)「医学総論」「医学各論」では,原則,
我が国のどの医療機関であっても対応できるような内容に限定する.

■優先的に出題する内容
社会的に要請の高い分野を含めた幅広い領域
頻度や緊急性の高い疾患

◇ ◇ ◇

前回の国試でも医学総論や救急の出題数が増加していたように,
最近の国試は「プライマリ・ケア重視」の傾向が強まっています.
臨床実習での成果を重視し,即戦力となる研修医を育てたい,
という狙いからでしたね.
【詳しくはこちらを参照↓】
http://web-informa.com/kokushi/data/20120507-2/

新ガイドラインでは、
必修問題の主題から「プライマリ・ケア」という言葉は削除されたものの,
基本的診療能力を主題とする」と定義し直されました.

さらに医師国試全体の目的として,新たに
臨床実習での学習成果を確認する」という一文が,1)に加わりました.
学校の講義や実習で得られる基本的な知識をしっかりおさえた上で,
臨床での思考過程に沿って問題を解く
(症候から緊急度の高い疾患を想起しつつ鑑別診断を進める etc.)ことが
今後ますます重視されるといってよいでしょう.
実習に主体的に参加することが,国試対策にもつながります.

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(「レビューブック内科・外科」付録の『鑑別!1st impression』もオススメです!)
【詳しくはこちら↓】
「impression」とは:http://web-informa.com/books/20111020-2/
「impression」とCBT:http://web-informa.com/books/20111101/
「impression」と国試:http://web-informa.com/books/20111104/

(前回国試で活躍した「QB必修」付録の『医療器具セレクション』も
新傾向に備えて要チェック!)
【詳しくはこちら↓】
「データで見る106回国試」医療器具画像編:
http://web-informa.com/kokushi/data/20120511/

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また,「社会的に要請の高い分野」「緊急性の高い疾患」を
優先して出題するという方針は、
医療に対するニーズが社会的に高まっていることを受けたものです.
2011年3月に発生した東日本大震災の影響も強く残る中,
社会的に医師に求められる知識や判断能力が,
今後の国試で多く問われるかもしれません.
時事問題に日頃から関心をもつことも重要と言えそうです.

いかがでしょうか?
今後の国試対策で何を重視すべきか,
そしてその先の研修医で求められる資質も示されているのではないでしょうか.

次回は,新ガイドラインに新たに加わった疾患や項目について
具体的に紹介していきたいと思います.
ご期待ください!

(編集部A)

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