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[新刊(改訂版)]『病気がみえるvol.4 呼吸器(第4版)』受験生・5年生必見!最新の「令和6年版医師国家試験出題基準」に対応した改訂内容を大公開!

みなさんこんにちは!編集のA.Y.です.

年が明けてあっという間に1月も終わりに近づいてきました.
受験生のみなさんは,迫る国試に向けて追い込みの時期ですね.

今回は,そんな受験生のみなさんにピッタリの情報をお届け!

3月4日(火)に発売予定の『病気がみえるvol.4 呼吸器』改訂第4版から,最新の「令和6年版医師国家試験出題基準」に対応した改訂内容を,実際の紙面とともに大公開します!

予想問題を交えつつ,国試に役立つ内容をたっぷり詰め込みました!
ぜひ最後までご覧ください.

目次

【復習】医師国家試験出題基準とは?最新版をおさらい!

医師国家試験出題基準は,医師国家試験で出題される範囲や基準をまとめた厚生労働省発行の文書です.受験生にとっては,いわば「国試攻略本の目次」のようなもので,効率よく勉強を進める上での重要な指針となります.

この基準は,医療の進歩や新しいガイドラインに対応するため,定期的に更新されています.現在の最新版は,昨年度の118回国試から適用されている「令和6年版医師国家試験出題基準」(以下,R6出題基準)です.今年の119回国試もこの基準に基づいて実施されるので,しっかり確認しておきましょう!

[参考]
令和6年版医師国家試験出題基準の変更ポイント

出題基準の変更でどう変わった?『病気がみえるvol.4 呼吸器』改訂第4版の紙面を大公開!

さて,気になる『病気がみえるvol.4 呼吸器』改訂第4版ですが,R6出題基準に準拠し,下記のトピックを新たに追加しました.

①アトピー咳嗽
②喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)
③ネーザルハイフロー(酸素投与デバイス)
④新型たばこ

これらは,今回の出題基準から新たに追加された項目なので,出題のヤマとしても,過去問演習だけではおさえられないポイントとしても,キッチリ確認しておきたいところです.
実際の紙面をお見せしながら,1つずつ解説していきますね!


①アトピー咳嗽

R6出題基準では,医学各論のⅣ 呼吸器・胸壁・縦隔疾患>3 免疫学的機序が考えられる肺疾患>A アレルギー性疾患の項目に「アトピー咳嗽」が新たに追加されました.今回の出題基準から導入されたレベル分類のうち「レベルa」にあたる疾患のため,病態生理の理解はもちろん,初期対応から継続診療に必要な知識まで,幅広く問われる可能性があります.

例えばこんな問題,解けるでしょうか?

【問題】
アトピー咳嗽の治療には気管支拡張薬を用いる.○か×か.





正解は…×(バツ)
アトピー咳嗽の治療において,気管支拡張薬は無効とされています.
治療にはヒスタミンH1受容体拮抗薬または副腎皮質ステロイドを用いるのが原則です.しかし,似た臨床像を持つ咳喘息には気管支拡張薬が有効となるので,要注意!

今回の改訂では「アトピー咳嗽」の用語解説を追加し,臨床像から治療までをコンパクトにまとめました!「咳喘息」とあわせて内容を再確認しておきましょう.

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②喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)

こちらも「アトピー咳嗽」と同様,レベルaでの追加.
病態生理から治療までしっかりとおさえておく必要があります.

まずは腕試しから!

【問題】
喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)の治療には吸入ステロイドを用いる.○か×か.





正解は…○(マル)
喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)では,喘息とCOPDの双方に対する治療を要するため,喘息の抗炎症薬である吸入ステロイド(ICS)が用いられます.COPDに対しては通常ICSの投与は行いませんが,喘息の要素がみられる場合は例外となるので注意が必要です.

R6出題基準が適用となった昨年度の118回国試では,ACOに関する出題はなかったため,今回の119回で問われる可能性大!?
『病気がみえるvol.4呼吸器』改訂第4版では,定義から治療までしっかりと解説しているので,ぜひ新紙面で復習してみてください.

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③ネーザルハイフロー(酸素投与デバイス)

こちらは「医学総論」の出題基準ですが,在宅酸素療法の備考欄に「ネーザルハイフロー」が追加されました(総論のためレベル分類はなし).

予想問題はこちら!

【問題】
ネーザルハイフローでは吸入酸素濃度(FIO2)100%の酸素投与が可能である.○か×か.





正解は…○(マル)
ネーザルハイフローは高流量の酸素投与システムであり,1回換気量を超えるガスを供給することができます.室内気を吸入する余地はほぼないため,設定によってFIO2100%の高濃度投与を行うことも可能です.

近年の出題傾向としても,112B11や115C4のように,酸素療法に関する実践的な問題(酸素流量と濃度の組み合わせ,デバイスと流量の組み合わせ)が取り上げられています.

112B11

酸素投与法,酸素流量と想定される吸入酸素濃度の組合せで正しいのはどれか.
a.鼻カニューラ2L/分 - 20%
b.鼻カニューラ4L/分 - 50%
c.マスク6L/分 - 80%
d.リザーバー付きマスク7L/分 - 50%
e.リザーバー付きマスク10L/分 - 90%以上

115C4

酸素投与器具と流量の組合せで適切なのはどれか.
a.鼻カニューラ - 1L/分
b.鼻カニューラ - 7L/分
c.フェイスマスク - 1L/分
d.フェイスマスク - 3L/分
e.リザーバー付マスク - 4L/分

また,最近の医師国家試験は,実習の経験や臨床研修で必要な知識を問う問題が増えている傾向にあるため,酸素療法は今後も何らかの形で出題される可能性が高いです.

ネーザルハイフローを含めた酸素投与方法について,もう一度おさらいしておきましょう.

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④新型たばこ

R6出題基準から「必修の基本的事項」の17 生活習慣とリスク>喫煙の項目に「喫煙状況・種類(燃焼式・加熱式)」という記載が追加されました(前版のH30出題基準では「喫煙状況」のみの記載で,種類については言及なし).

こちらの問題,みなさんは解けますか?

【問題】
加熱式たばこにはニコチンは含まれない.○か×か.





正解は…×(バツ)
加熱式たばこは,たばこ葉やその加工品を加熱して吸引します.たばこ葉が原料であるため,ニコチンを含むのが特徴です.

このあたり,非喫煙者の方はあまり馴染みのないところですよね….
『病気がみえるvol.4呼吸器』改訂第4版では,近年流通している「新型たばこ」について解説を追加しました.このタイミングで,キャッチアップしておきましょう.

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昨年度の118回国試からR6出題基準が初めて適用されましたが,早速118D39で「加熱式たばこの誤飲」に関する問題が出題されました.この問題では,加熱式たばこの健康への影響や含まれるニコチンなどの知識が問われています.今年も加熱式たばこについては要チェックです!

また,近年113C60、116B18、118A75などで度々出題されている喫煙指数について,加熱式たばこの場合の算出方法を解説しました.こちらもあわせて確認しておくと安心です.

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ここまでお読みいただきありがとうございました!
今回お届けした内容が,少しでも試験対策の助けになったなら嬉しいです.

これからの時期,焦りや不安も増えるかもしれませんが,
自分を信じて最後まで走り抜けてください.

編集部一同,みなさんの合格を心から願い,応援しています!
どうか健康に気をつけて,最高の結果を掴み取ってくださいね.

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