医師国家試験対策:画像問題対策

  • 医師国試合格のために,「画像を読む力」は必須!
  • 最近の画像問題の傾向を知ることが重要!
  • 座学と実習のセットで「診断にどういう画像が必要か」を学ぼう!

■ 医師国試合格のために,「画像を読む力」は必須

1回で400問出題される医師国家試験.
このうちどのくらいの問題に「画像」がついているか,皆さんご存知ですか?

単純X線やCT,MRIといった放射線科領域のものだけでなく,
心電図のような生理学的検査の記録や,公衆衛生領域のグラフ・表など,提示される画像の種類は様々です.

こういった画像がついた問題を,そのまま「画像問題」と呼んでいるのですが,
なんと直近の116回国試は全400問中109問,つまり約25%が画像問題でした.
特に臨床問題は全250問中103問を画像問題が占めており,中には画像が読めないと解くことができない問題も….
つまり,医師国試を攻略する上で,画像を読みとる能力は必須といえるのです.

医師国家試験 画像付き問題の割合

■ 以前からの傾向に変化が…

以前の国家試験では「診断を問う臨床問題だけど,現病歴を読まなくても提示画像だけですぐに診断がつけられる」ような問題がよく出題されていました.

そういった問題は116回でももちろん出題されたのですが,少し傾向が変わってきています


【116D71】
47歳の男性.職場の飲み会の帰りに歩道橋の階段を踏みはずして受傷し,救急車で搬入された.来院時の意識レベルはJCSⅡ-10.体温36.6℃.血圧126/88mmHg.心拍数80/分,整.呼吸数16/分.SpO2 99%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下).来院時に緊急で撮影された頭部単純CTの水平断像と冠状断像(A)および骨条件の水平断像と冠状断像(B)を次に示す.

医師国家試験 116回D71 画像A
医師国家試験 116回D71 画像B

診断はどれか.2つ選べ
a 頭蓋骨骨折
b 急性硬膜外血腫
c 急性硬膜下血腫
d 外傷性脳内血腫
e びまん性軸索損傷


骨条件のCT(画像B)で右前側頭部の頭蓋骨に骨折線を確認できます.
また,画像Aで同部位に凸レンズ状の高吸収域を認めていることとあわせて,「a 頭蓋骨骨折,b 急性硬膜外血腫」の診断となります.

急性硬膜外血腫と急性硬膜下血腫の画像所見を,CBT対策の際に対比的に暗記した人が多いのではと思います.そこから記憶が抜けてしまった人もいるのか,bを選べた受験生は95.5%.正答率94.9%の問題でした.

近年はこういった画像所見を元に診断を問う問題でも,X2形式(「2つ選べ.」という設問文の問題)にすることで,画像をくまなく確認し,撮影条件にあわせた読影ができるか,といったことが問われるようになっています

また,診断する力ではなく,きっちり異常所見を拾いあげる力を求める問題も出題されています.


【116A58】
69歳の男性.左鼻出血と複視を主訴に来院した.1ヵ月前から左鼻出血を繰り返し,徐々に左鼻閉が悪化した.2日前から物が二重に見えることを自覚した.副鼻腔の造影CT(A)と造影MRI(B)とを次に示す.左鼻腔生検で扁平上皮癌を認めた.

医師国家試験 116回A58 画像A
医師国家試験 116回A58 画像B

この患者で認められるのはどれか.
a 難聴
b 眼球突出
c 開口障害
d 味覚障害
e 嚥下障害


設問文の表現が「予想される所見はどれか」であれば,「画像所見からの病態の推測」が必要です.
(例えば,【116D16】であれば「CTで大動脈弓部近傍の腫瘤影→反回神経の圧迫による嗄声が予想される」といった思考が求められます)

しかし,この問題で問われているのは,診断でも予想される所見でもなく,「認められる所見」です.
しっかり提示画像を見ていきましょう.読影で困ったときは「左右を見比べる」のが大切です.
左鼻腔内の腫瘤近傍で左右差をみていくと,左眼窩内の腫瘤影や左眼球の前方への偏位が確認できると思います.

正解は「b 眼球突出」で,正答率は83.6%でした.
このように,「設問文から出題の意図が十分に汲み取れるか」,また,「基本的な読影のお作法をおさえられているか」が問われる問題も,近年の国試ではよくみられるようになっています.

■ 画像検査はあくまで手段

また,最近は診断そのものを問う画像問題はやや減少しており,その分「画像所見を元に診断をつけ,その後の治療や対応などを問う」問題が多くなっています

直近の116回国試の問題をもう1問みてみましょう.


【116A74】
42歳の男性.腹痛を主訴に来院した.昨日昼から心窩部痛を自覚していた.今朝,起床時に嘔吐した.その後右下腹部痛を自覚し,徐々に増悪するため受診した.身長170cm,体重78kg.体温37.3℃.脈拍84/分,整.血圧126/78mmHg.呼吸数16/分.SpO2 99%(room air).腹部は平坦で,右下腹部に圧痛と反跳痛を認める.血液所見:赤血球486万,Hb 15.2g/dL,Ht 43%,白血球16,200,血小板24万.血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL,アルブミン4.2g/dL,総ビリルビン0.7mg/dL,AST 23U/L,ALT 18U/L,LD 147U/L(基準120〜245),尿素窒素20mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL.CRP 0.9mg/dL.腹部超音波検査では病変の描出が不明瞭であった.腹部造影CTの横断像(A)と斜冠状断像(B)を次に示す.

医師国家試験 116回A74 画像A
医師国家試験 116回A74 画像B

考慮すべき治療法はどれか.3つ選べ
a 手術
b 輸液
c 高圧浣腸
d 抗菌薬投与
e イレウス管挿入


正答率89.7%の問題ですが,皆さん答えがわかりますか?

正解はa,b,d
虫垂炎と診断して,絶食補液の上で,抗菌薬投与を行い俗に言う「散らす」方法か,手術(この場合は虫垂切除術)を検討させる問題でした.

国試本番での各選択肢を選んだ受験生の割合は,
a 94.8%,b 97.8%,c 0.5%,d 96.8%,e 10.1%.
10人に1人の受験生は,e イレウス管挿入を選択したようです.

虫垂の異常所見をより確認しやすくするために提示されている(斜)冠状断像のはずなのに,逆にこの画像でどういった所見を確認すべきかわからない受験生は,イレウスなどの他の疾患や病態が併存していることを疑って誤答した,といったところでしょうか.
「はじめは心窩部に認めた痛みが,右下腹部に移動する」といった,急性虫垂炎でよく聞く病歴が提示されているにもかかわらず,ここで得点しそびれるのは,かなりもったいないですよね.

弊社の『イヤーノート』の付録である,画像集『イヤーノートATLAS』第7版 A-43ページでも掲載している通り,
虫垂は走行の仕方や長さに個人差があるため,画像検査で確認するにあたって,水平断像だけでなく,冠状断像などの他のスライスもあわせて確認することが重要です.

『イヤーノートATLAS』虫垂炎(一部抜粋)

病歴から鑑別に挙げた疾患について,「確認したい所見はこれ!だから,この画像検査のこのスライスを見よう!」と適切に判断できるようになっておくと,
国試で同じ疾患の臨床問題に遭遇したときに「ああ!やっぱりその画像が出るよね!」と,想定した画像が提示されることが解答の根拠や自信になり,よりスムーズに解答できるようになります.

ぜひ,
①『イヤーノート』に文字情報として記載されている画像所見を覚える
②『イヤーノートATLAS』で,実際の画像検査でどのように映るのかを確認する
③ 実習中に電子カルテを使って,異常所見を見つけるのに適する検査を理解する

という3ステップで,画像問題対策をしていきましょう.

また,実習中に『イヤーノート』と『イヤーノートATLAS』の両方を持ち歩くのは大変です….
ぜひ実習中に気になった画像所見は,mediLink版「イヤーノート」アプリを使って,タブレットやスマートフォン1台でスムーズに確認してみてくださいね!

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